1話 異世界を望む者
物書き初心者です。お手柔らかに読んでいただけると、うれしいです。
異世界を望む者
異世界転生ものの小説を読むのが好きだ。
トラックではねられたり、病気だったりで、お亡くなりになって、
天国で会った神様からチートな能力をもらったりもらわなかったりして、
剣と魔法の世界に生まれ変わる。
異世界転移でも良い。
一人だったり、大人数だったりに、魔法陣が現れて、
やっぱり神様にあってチートな能力もらったりもらわなかったりして、
剣と魔法の世界にテレポートさせられる。
チート能力は色々あるが、10倍で成長できる成長チートは王道。
全ステータスが10倍のステータスチートや、
大きさや数に関係なく何でも収納できる収納チート、
すべての魔法が使えるようになる魔法全適正チートなんてのもある。
とにかく、剣と魔法の冒険世界で生きていくことになる。
スライムやゴブリンなんかのモンスターと戦い、
魔法や剣技を覚え、レベルを上げて強くなる。
現代の知識を使って、農業改革なんかして内政チートもいいだろう。
なんと素晴らしいことだろうか。
しかしながら、現実は残酷だ。
異世界にあこがれて、神様に連れて行ってもらえないかと、
近くの神社に通ってお祈りを続けてみたが、
劇的な出来事なんて起こりやしない。
代り映えのしない仕事の日々。
朝早くから出勤し、サービス残業をして家に帰る。
土日出勤は当たり前。
肉体的にも精神的にも厳しい環境。
特に部活動が大変だ。
今日も今日とて真夏の太陽が照らすグラウンドで、ノックを打つ。
野球歴数か月では手の皮も厚くならず、
200球も打つ頃にはマメが破れて血が出る。
おまけに、めまいもしてきた。
視界がぼやける。
そういえば水分とってなかったな。
気づいた時には体が動かなくなっていた。
水、水、水……
そうして、私、河田水樹は命を落としたのであった。




