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灯との遭遇  作者: 湯藤海人
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残酷なる遺体

何が起こったかわからなかった。私が固まっていたのは数秒にも数分にも感じられた。一つとなりの列の女子高校生の甲高い叫び声でハッとした。人が死んでいる。一瞬の衝撃の後はなぜか冷静だった。線路と逆を向き、下に嘔吐をするもの。泣きながら叫び続けているもの。ニタニタとした気色悪い顔で写真を撮るもの。色々な人がいるものだ。(それは当たり前であるが)電車のホームドアは開かず、運転手が直前に急ブレーキをかけたのであろう。本来の停車位置より大きくずれていた。後ろの方の車両はまだホームに掛かっていなかった。駅員の一人が大急ぎで近づいてきて、無線機を肩の上に置き、喋っていた。予想ではあるが、応援と警察に通報したのであろう。まだ生きている可能性がある?残念ながらそれはないだろう。頭は当たりどころが悪く、潰れていた。長く遺体を見ていたわけではないが、脳裏にくっつき、離れなかった。数分経つとブルーシートがはられ、遺体は見えなくなり。さらに数分が経つと多くの警察官が集まっていた。仕事にはもう間に合わないだろう。私は会社に遅れるということを連絡した。気づいた時には電車の発車時刻を知らせる電光掲示板は、オレンジ色の運転見合わせの文字に変わっていた。

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