第15話
宿の裏庭を借りて、クズ原石の加工を行う。
石屑を少しずつカットして、宝石の断面が見えたら、コピペ。更に拡大してペースト。やっぱり出来た!
ソレを繰り返し、地道な作業で大粒の宝石の原石を得る。
実は、ダイヤモンドは炭素だけで出来ているので、炭素結晶を作り出すと、簡単に手に入れられてしまうので、ハズレなのだ。
が、ほとんどそんなものは見られず、ルビー、サファイア、エメラルド、ガーネット、アクアマリン、オニキス、クリスタル、紫水晶といった、代表的な宝石は手に入った。
「ゼロさん、それって………」
「シーッ!」
コレは、バレちゃダメなネタなんだよねぇ………。
帰りの道中で、この町、林業もやってるらしかったから、炭が安く買えるかなと思って、手に入れた炭を、コピペしてから、メソッドを展開。引数を炭をにして、炭素結晶を作り出すと、見事にダイヤモンドが出来上がった。
そして、コレ等らはコピペしてから、全部異空間収納。
散らばったカットした石は、メソッドを展開して粉にすると、風で飛び散るように散らす。
形跡がほとんど無くなったところで撤収。
明日は、また出立だ。
目的地は、技術者街。
カットした宝石の見本を見に行きたい。
カットした宝石をコピペしちゃうと、盗みと見做されかねないからね。
但し、ダイヤモンド。貴様は別だ。
最も美しいとされる、ブリリアントカットをこの場で施す。
コピペを併用して、失敗したら次という風に、記憶の片隅に残るカットを成功するまで繰り返す。
すると、時々、『キラーン☆』という風に輝く面が見えるようになる。
この輝きがどの角度から見ても見えるようにして行くと、ブリリアントカットっぽいカットが出来上がった。
コレは、正解を知らなければ、一生を費やす程の労力が掛かっていた事だろう。
カットした屑クズは、粉末にして──
「えっ?!」
「どうかした?」
「いえ、原石とかは大事に取っておくのに、カットした屑は随分呆気あっけなく始末してしまうのですね………」
「勿体無い、って話?
でも、ホントはコレのコピーさえ1つ確保しておけば、問題無いんだよ」
「でも………」
「欲しかった?」
「──はい」
ならば。
ブリリアントカットを施したダイヤモンドをコピペする。
「はい」
「えっ!?………ええっ!!」
「指輪にして欲しかったら、銀で良かったら作るよ?」
「えええっ!!」
「しぃ~っ!!」
やや声が大きかったので、抑えさせた。
「コレ、見付かったら、タダでは済まないからね?」
「は、はい………」
事の重要さが分かったのか、声は控えてくれる。
「他の宝石のカットの仕方を学ぶ為に、次は技術街を目指すから」
「はい」
とはいえ、大雑把には覚えてるんだよな。
ただ、この場で行うのは躊躇われるからな。
ではこの場を去ろうかと思ったら、ナナさんがダイヤモンドを返してきた。
「あの………奴隷が持つには過ぎたものかと」
「そうか。俺の都合で奴隷紋を入れたのに、申し訳無いね」
「その………魔法を授けて下さっただけで十分です」
「いざとなったら、躊躇わずに回復させてね」
「だ、大丈夫です」
「俺の方では、ソレだけを治さないメソ………魔法の用意はあるからね?」
「えっ!」
「今度、試して上手く行ったら、使えるようにしてあげるよ」
「はいっ!」
「じゃあ、夕飯に行こうか」
「はいっ!」
その日はあとは夕飯を済ますと、部屋に戻って明日の出立の準備をして床に就いた。




