第14話
仮にだ。
仮に、俺の旅が楽しいものになるのだとしたら、どういった物になるのだろうか。
とりあえず、下手な商売はしない。
上手く商売するのだったら、どうしたら良いだろうか?
ソレについて一案あり、鉱山街に向かった。
何度か宿場町に寄って、コピペした金貨で凌いだ。ついでに、金貨より安い銅貨や、金貨より安く銅貨より高い銀貨もコピペしておいた。異空間に収納しておいたから、変に勘繰られる事は無いだろう。
金貨・銀貨・銅貨のレートは、決まっていない。
大体は、お釣りも込みのトレードをして売買するからだ。
そういえば、ナナさんの奴隷紋が見えるのが、お互いに気になってきた為、肘の上から、手首位までを覆い、手の甲も三角に覆って中指に指輪を嵌める形で固定する、特殊な衣料を作っておいた。
一応、奴隷紋はそれで隠れる。人によっては、奴隷紋が入っているだけで、人間扱いをしない酷い者も居る。一見して見えないだけでも、重畳だろう。
鉱山街に着くと、泊まるトコをまず確保して、馬車も預け、宝石の原石を買い求めに向かった。
宿の人に、宝石の原石を扱う、評判の良い店を紹介してもらい、お昼をいただいてから、そのお店に向かった。
その店は、評判が良い割には混んでいなかったが、店員のオバサンに質問をして、その理由が分かった。
「宝石の原石はありませんか?」
「もう、クズみたいなのしか残ってないよ!」
成程、粗方売れた後だったのか。
「そのクズみたいなので良いので、見せていただけますか?」
「ちょいと待ちな」
店の奥から持ってきたのは、辛うじて宝石の原石が含まれている石ばかりだった。
「成程、小さ過ぎて、取り出しても商品にならない、と」
「見るだけなら、多少綺麗に見える品ばかりだがね。
………っと、嬢ちゃんのネックレス、まさか、真珠かい?」
「………?
はい。恐らく」
ナナさんが、要領を得ず、無難な返事をした。
「見せておくれ。高く買い取らせて貰えないかい?」
「待って、ナナさん。俺が見せる」
そうナナさんを制して、紫色の箱を2つ取り出す。
「彼女の着けている物と同等のものと、もう少し大玉のもありますが………」
「幾らだい?」
「一つにつき、金貨100枚で」
「持たせて貰っても良いのかい?」
「お待ちを!
お手に取られた場合、お買い上げと判断し、お支払いをお願い致します」
「手に触れただけでかい………。随分と用心深いねぇ」
「これまで、何度か商売で騙されて損をしてきましたので」
「なら、何かい?このクズ原石全部と交換でも構わないかい?」
「御冗談を。半額にもならないでしょう?」
「アタシが金貨100枚の価値があると言えば、あるんだよ!」
「………まぁ、そう言うなら良いでしょう。
他の店を当たります」
「待ちな!」
どうやら、この真珠に魅入られたようだ。まぁ、ここまで揃っている物は、滅多にあるまい。
「ハァーッ。
クズ原石全部と、金貨70枚。
ソッチも、多少は吹っ掛けてるんだろう?
ソレで2つと言うのは飲めないかい?」
「………構わないでしょう」
正直、ココは多少損をしても成り立たせたいトレードだったのだ。それだけ引き出せれば良かろう。
金貨の枚数だけチェックして、後はネックレスを2つを渡し、クズ原石を引き取り、俺たちは宿へと戻った。




