5-3 新たな暮らし
「それではようこそミル商業都市へ」
門番がそう言うと、都市へ続く扉を開いた。
青年が扉を潜ろうとした時兵士が何かを思い出したかのように振り返り青年に声を掛けた。
「おい!後でいいからホワイトスパイダーのことについてギルドに聞いておけ!」
「分かった!」
青年がそう言うとギルドがある所へ向かった。
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(上手くいったー)
ミル商業都市に入ったアルクは途中の裏路地で大きな息を吐いた。
(あの質問は正直ビビったがこいつのおかげだな)
アルクはそう思いバッグを下ろし、眠っている白蜘蛛の頭を撫でた。
(良し!ギルドに向かうか)
するとアルクは収納魔法から口無しの仮面を取り出し装着した。
(後は……髪色だな)
アルクはミル商業都市に入る為偽装していた髪を元の白髪に戻した。
「白蜘蛛。済まないがもう少しここにいてくれ」
アルクは白蜘蛛にそう言うとバッグを閉じ背負い冒険者ギルドに向かった。
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冒険者ギルドに入ったアルクは冒険者カードを引き出すために受付へ向かう。
冒険者ギルドに入るとある一定の冒険者は物珍しそうに仮面を被ったアルクを見つめていた。
「こんにちは!見ない顔ですね。新規登録ですか?」
「いや。前にここに預けた冒険者カードを引き出しに来た」
「分かりました。それではこの書類に必要事項を書いて下さい」
アルクは受付嬢から渡された書類を書き、受付嬢に渡した。
「あ、ありがとうございます。それでは確認するので少し待ってください……え!?」
受付嬢はアルクの書いた書類を見ると、驚いた声を上げた。
「あの~。これは流石に嘘ですよね?」
「いえ。正直に書いたつもりなんだが」
「えっと……ギルト長を呼んでくるのでお待ちください」
受付嬢はアルクにそう言うとギルドの奥に消えていった。
しばらく待っているとギルドの奥から消えた受付嬢が出てきた。
「えっと。私に付いてきてください」
受付嬢がアルクにそう言うとアルクは大人しく受付嬢の後に続いた。
「ガアラ様。お連れしました」
「入れ」
受付嬢が扉をノックすると扉の奥から低い声が聞こえ、受付嬢が扉を開けるとそこには白い髭を生やした男性がいた。
「ヒイロは業務に戻って良い」
「分かりました」
ヒイロとやばれた受付嬢は部屋から出た。
「お前は俺の前に座れ」
ガアラがアルクにそういうと、アルクは指示通りにガアラの前に座った。
「久しぶりだな。白」
「あんたもまだ生きてたんだな」
アルクがそう言うとガアラは冒険者カードをアルクに渡した。
「お前の冒険者カードだ。ランクも前と同じSのままだ」
「そうか。ありがとよ」
アルクはガアラから渡された冒険者カードを受け取り部屋を出ようとした。
「ところでなんで冒険者カードを引き出そうと思ったんだ?まさか……何かやらかしたのか?」
ガアラはそう言うアルクを威圧した。
「いや。こっちの方がいろいろとメリットが高いから引き出したんだ」
「そうか。それで?」
「何が?」
「しばらくはここで暮らすのか?」
「そうだな。今は金がないから適当に依頼をこなして、金が貯まったら旅に出る予定だ。」
「そうか」
「後、従魔の登録をしたいんだが」
「いいぞ。何を登録するんだ?」
ガアラがアルクに聞くと、アルクをバッグを下ろし開ける。
「宝石のような赤い目で白い蜘蛛……もしかして!」
「ああ。ホワイトスパイダーだ」
「こりゃあたまげた。売るのか?」
「……さっきの話聞いてなかったか?」
「そうだったな。こいつは俺がやっておく。また明日取りに来てくれ」
「わかった」
ガアラの返答にアルクは適当に手を振り、ギルド長部屋を出た。
「あ!えっと……」
アルクを見かけたヒイロはアルクに声を掛けようとしたが、「白」と言えば良いのか迷った。
「白でいいよ」
アルクがそう言うと冒険者ギルドに居る冒険者は驚いた声を上げた。
「白ってこのミル商業都市を救った英雄か!?」
「俺の知ってる限り白はそいつしかいねぇよ!」
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白とはアルクの前の冒険者の名前であり、別名「白血鬼」と言われていた。
理由は様々あるが一番の理由は五年前ミル商業都市を襲った魔物大侵攻の時、大半の魔物を殺し、その返り血が白い髪の毛を赤く染めた事が理由だ。そして、その功績からBランクからSランクに上がった事も有名だ。
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「それで依頼を受けたいんだが」
「わ、分かりました。どのような依頼を?」
「出来れば報酬金が高い奴がいい」
「分かりました。少々お待ち下さい」
ヒイロはそう言うと依頼を探しに受付に戻る。
「これはどうでしょう?2週間前からあったのですが、受け付けてくれる人がいなくて……」
アルクはヒイロから渡された依頼を見た。
「グラウンドベアの討伐か。これでいい」
アルクはそう言うとギルドを出て、グラウンドベアが最後に確認された所へ向かった。
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一人の学生服を着た少年が校庭でボールを蹴っていた。
すると頭を丸めた少年がやって来た。
「翔太!この後カラオケ行こうぜ」
頭を丸めた少年がボールを蹴っている少年に話しかける。
「いいぜ。他は誰が来るんだ?蓮司」
「ほかに梨花と雪が来るぞ。」
「それじゃあ待ち合わせは校門前でいいぞ」
「了解であります。それじゃあ次も授業があるから教室に戻ろうぜ」
蓮司がそう言うと翔太もボールを拾い教室に帰って行った。
日が少し傾き始めたころ学生達は家に帰る者や遊びに行く者もいた。
「やべッ!もう梨花と雪いるぞ」
蓮司は腕を組みながら校門前で待っている梨花と携帯をいじっている雪が居た。
「あっ!蓮司、翔太遅い」
するとポニーテールの少女が蓮司と翔太に文句を言った。
「ちげぇよ梨花。お前たちが早いんだよ」
蓮司がそう言うとショートカットの少女が携帯をしまい翔太の方へ駆け寄った。
「雪。待たせて悪いな」
「大丈夫だよ。みんな集まったし行こ」
雪は翔太の手を握り翔太と歩いた。
「あの二人仲いいよな」
「付き合ってるから普通じゃない?」
雪と翔太は付き合っており、二人は学年で一位二位を争うほどの容姿と顔を持っている。
「じゃあ俺たちも……」
「絶対無理」
蓮司の提案に梨花は即拒否をした。




