第9話 近くにあったレアアイテム
第9話|近くにあったレアアイテム
森の入口。
シロネの前に、レオとカイルが並んでいた。
村の手伝いを続け、二人とも《村人》Lv.10。第二職業枠も解放されている。
そして今日から――ようやく本格的な戦闘訓練だった。
シロネ:「じゃあ、予定どおり《アサシン》を取るよ」
レオ:「やっと狩りか!」
カイル:「何を倒せばいいんだ?」
シロネ:「短剣で五体。それが《アサシン》の解放条件」
シロネは腰の短剣を抜いた。
一本しかないので、二人には交代で使わせる。
レオ:「五体ならすぐだな」
シロネ:「……そう思う?」
レオ:「なんだよ、その顔」
シロネ:「別に?」
ちょっとだけ笑っている。
◇
最初の獲物はホーンラビット。
額から一本の角を生やした小型魔物が、草を食べている。
レオ:「俺から行く」
シロネ:「正面から近づかない。ちゃんと《隠密》使って」
レオ:「分かってるって」
レオは姿勢を低くし、木を挟んで回り込む。
《隠密》。
ホーンラビットの耳がぴくりと動いた。
レオは止まる。
獲物が再び草を食べ始める。
一歩。
もう一歩。
十分に近づいたところで――。
ダッ!
レオ:「はっ!」
ホーンラビットが振り返る。
レオの短剣が先に届いた。
ザクッ!
ホーンラビットが倒れる。
レオ:「よっしゃ!」
得意げに振り返る。
シロネ:「一体目」
レオ:「そこは褒めろよ!」
シロネ:「まだ一体だから」
レオ:「くっそー!」
カイル:「次、俺!」
短剣を交代する。
シロネ:「カイルは追いかけないで」
カイル:「じゃあどうする?」
シロネ:「逃げる方向を考えて。獲物がどっちに動くか予想するの」
カイル:「……分かった」
二人は同じように育てない。
レオは近づくのが得意。
カイルは獲物を見るのが得意。
シロネは少しずつ、二人に合ったやり方を探していった。
◇
相手も一種類だけにはしなかった。
ホーンラビット。
ヴェノムバイパー。
小型のボア。
ウインドバード。
そして、時にはゴブリン。
勝てる相手だけをシロネが選ぶ。
レオは敵の懐へ飛び込む。
カイルは石を使った。
ヒュッ!
投げた石がウインドバードの左側を通過する。
驚いたウインドバードが右へ飛んだ。
その先には――。
レオ:「こっちだ!」
ザッ!
短剣が入る。
レオ:「よし!」
カイル:「今の俺が追い込んだからな!」
レオ:「最後に倒したのは俺だろ!」
カイル:「逃がしたら倒せなかっただろ!」
レオ:「なんだと!?」
シロネ:「はいはい。次行くよ」
シロネ:(前よりは、だいぶマシになったかな)
数日かけて。
レオ――五体。
カイル――五体。
条件達成。
シロネ:「《鑑定》」
二人を確認する。
**解放職業:《アサシン》**
シロネ:「二人とも出てる」
レオ:「おっ!」
カイル:「どうすればいい?」
シロネ:「《アサシン》を第一職業に設定するって念じて」
レオが目を閉じる。
レオ:「……《アサシン》を第一職業に設定」
カイルも続く。
カイル:「俺も、《アサシン》」
二人が自分の意思で職業を設定する。
**第一職業:《アサシン》Lv.1**
シロネ:「よし。もう一回《鑑定》」
アサシンの初期スキルは《隠密》。
二人は既に持っていた。
その結果――。
**レオ:《隠密》Lv.2**
**カイル:《隠密》Lv.2**
シロネ:「……上がってる」
レオ:「何が?」
シロネ:「二人とも《隠密》がLv.2になってる」
シロネ:(同じスキルを取得したから……?)
少なくとも、既に持っているスキルが無駄になるわけではないらしい。
シロネ:(これは覚えておこう)
レオ:「で、次は?」
シロネ:「第二職業」
レオには《拳闘師》。
カイルには《狩人》。
二人とも既に解放条件を満たしている。
シロネ:「レオは《拳闘師》、カイルは《狩人》。第二職業に設定してみて」
レオ:「《拳闘師》を第二職業に設定」
カイル:「《狩人》を第二職業に設定」
**レオ
第一職業:《アサシン》Lv.1
第二職業:《拳闘師》Lv.1**
**カイル
第一職業:《アサシン》Lv.1
第二職業:《狩人》Lv.1**
シロネ:(ここからだね)
同じ《アサシン》でも、同じ戦い方をさせる必要はない。
得意なものを伸ばす。
足りないものは、別の職業で補う。
シロネの頭の中で、二人の育成ルートが少しずつ組み上がっていった。
◇
その日の夕方。
家へ戻ると、ミアが待っていた。
ミア:「おねーちゃん!」
シロネ:「どうしたの?」
ミア:「ミアもやる!」
シロネ:「何を?」
ミア:「レオたちといっしょ!」
嫌な予感。
ミア:「ミアも、かりする!」
シロネ:「なっ!?」
シロネは即座にしゃがみ、ミアの両肩を掴んだ。
シロネ:「ダメ」
ミア:「なんで?」
シロネ:「ミアには狩りは危ないからね」
ミア:「レオはしてる」
シロネ:「レオはお兄ちゃんだから」
ミア:「おねーちゃんもしてる」
シロネ:「私は……」
止まる。
シロネ:(それ言われると弱い)
ミア:「ミアもやりたい……」
しょんぼり。
戦わせるのはまだ早い。
でも、仲間外れにしたいわけでもない。
シロネ:「……じゃあ、薬作ってみる?」
ミア:「くすり?」
シロネ:「うん。狩りじゃないけど、大事な仕事だよ」
ミア:「やる!」
立ち直りが早い。
◇
薬草を並べる。
容器を用意する。
シロネ:「まず、これを潰してみて」
ミア:「こう?」
シロネ:「そうそう」
ごり、ごり。
ミアは小さな手で薬草を潰していく。
シロネ:「次は――」
ミア:「まって。ミアやる」
シロネ:「……うん」
ごりごりごり。
妙に真剣。
シロネ:(すごい集中してる……)
しばらくして。
ミア:「できた!」
シロネ:「じゃあ、次はこっち」
ミア:「これ?」
シロネ:「それは違う」
ミア:「こっち?」
シロネ:「そう」
また、ごりごり。
ミア:「もういっかい!」
シロネ:「まだやるの?」
ミア:「やる!」
シロネ:「……」
どうやら――。
**思った以上に、ハマった。**
◇
それからの日々は忙しくなった。
朝は村の仕事。
昼は狩り。
夕方は調合。
時間があれば釣り。
そして自分たちの訓練。
レオには、敵の攻撃をよく見る訓練を増やした。
《拳闘師》の初期スキル――《予知》。
ヴェノムバイパーが飛びかかる。
レオ:「――右!」
牙が届く直前。
レオが身体をずらした。
シュッ!
攻撃が空を切る。
レオ:「見えた!」
そのまま懐へ入る。
シロネ:「今!」
レオが仕留める。
一方、カイルは獲物を追う。
地面の足跡。
折れた草。
木についた傷。
カイル:「……こっちだ」
シロネ:「なんで?」
カイル:「こっちだけ草が倒れてる」
シロネ:「正解」
さらに投擲。
倒すためだけじゃない。
右へ追いたければ左へ。
左へ追いたければ右へ。
石を使って獲物の進路を変える。
カイル:「レオ! そっち行ったぞ!」
レオ:「来い!」
獲物が飛び出す。
レオが待ち構える。
ザッ!
シロネ:(うん。二人とも違う形になってきた)
◇
三人が狩りに慣れるにつれて、持ち帰る獲物も増えていった。
ホーンラビット。
ウインドバード。
小型のボア。
食べられる肉は家族で食べる。
それでも余れば――近所へ。
猫族の女:「またいいの?」
リナ:「ええ。今日もあの子たちが獲ってきたの」
猫族の女:「本当に? あんな小さいのに……」
一軒。
また一軒。
少しずつ、肉が村の家々へ回る。
やがて大人たちの間でも噂になり始めた。
猫族の男:「最近、森の獲物がよく入ってくるな」
猫族の女:「シロネちゃんたちよ」
猫族の男:「族長んとこのカイルと、レオも一緒なんだろ?」
猫族の女:「三人で毎日のように森へ行ってるみたい」
以前より少しだけ。
猫族の食卓に、肉が並ぶ日が増えていた。
そして――。
猫族の少年:「すげぇ!」
獲物を担いで帰ってきた三人を、村の子供たちが取り囲む。
猫族の少女:「これ、ウインドバード!?」
猫族の少年:「カイルが倒したの!?」
カイル:「これは俺が追い込んで、レオが倒した!」
レオ:「最後に仕留めたのは俺だからな!」
周囲から「おおー!」と声が上がる。
シロネ:「……?」
自分も獲物を持っているのに、なぜか注目されている。
猫族の少年:「シロネもすげぇ……」
猫族の少女:「私より小さいのに……」
羨望の眼差し。
シロネ:(……なんか見られてる)
その影響は、子供たちだけではなかった。
若い猫族の男:「……あの歳で、あれだけ狩れるのか」
若い猫族の女:「私たち、何してるんだろ……」
ちょっと焦る青年たち。
さらに――。
猫族の大人男:「よーし! 子供に負けてられんぞ!」
猫族の大人男:「明日はもう少し網を増やすか!」
猫族の大人女:「魚ならこっちの本業だよ!」
漁へ出る大人たちにも、妙な火がついた。
その横。
猫族の老人:「ほほほ。ワシの若い頃のようじゃな」
猫族の老婆:「……ボケが始まりましたかな?」
猫族の老人:「まだボケとらんわ!」
どっと笑いが起きる。
シロネ:「……?」
本人は、まだよく分かっていなかった。
自分たちは、ただ強くなるために狩っているだけ。
けれど――。
その変化は少しずつ、猫族全体へ波紋のように広がり始めていた。
◇
もちろん、何でも狩ったわけではない。
ある日。
森の奥で、大きな爪痕を見つけた。
カイル:「……でかくないか、これ」
レオ:「何の跡だ?」
シロネが周囲を警戒する。
やがて、木々の向こうに巨大な影が見えた。
**グリズベア。**
レオ:「……でか」
カイル:「あれも狩る?」
シロネ:「狩らない」
即答。
レオ:「でも三人なら――」
シロネ:「無理」
レオ:「早っ!」
シロネ:「《隠密》。離れるよ」
三人の気配が薄くなる。
静かに後退。
グリズベアには近づかない。
別の日。
森の奥から重い足音。
大きな牙。
分厚い皮膚。
**グリーンボア。**
レオ:「あれは?」
シロネ:「回避」
カイル:「戦わないのか?」
シロネ:「今の私たちじゃ危ない」
三人は再び《隠密》で距離を取る。
レオ:「強くなるなら、強いやつと戦った方が早くないか?」
シロネ:「死んだら育成終わりだよ」
レオ:「……それはそうだけど」
シロネ:「倒せる相手で強くなって、倒せるようになってから戦うの」
勝てない相手から逃げる。
それもシロネにとっては、当たり前の選択だった。
◇
一か月。
二か月。
三か月――。
狩る。
調合する。
釣る。
村の仕事をする。
訓練する。
さらに狩る。
そうして、約10ヶ月経過。
三人の戦い方は大きく変わっていた。
レオ。
**《村人》Lv.10
《アサシン》Lv.12
《拳闘師》Lv.10**
**《隠密》Lv.5
《俊足》Lv.4
《予知》Lv.4**
《アサシン》Lv.10で《気配察知》。
《拳闘師》Lv.10で《ハードラッシュ》も取得。
敵の攻撃を見て避ける。
一気に距離を詰める。
近距離から連撃を叩き込む。
レオらしい戦い方ができ始めていた。
カイル。
**《村人》Lv.10
《アサシン》Lv.10
《狩人》Lv.12**
**《隠密》Lv.5
《俊足》Lv.3
《追跡》Lv.4**
《気配察知》も取得。
獲物を見つける。
追う。
動きを読む。
投擲で進路を変える。
カイルは、敵を自分で仕留めるだけではなく――仲間が仕留めやすい場所へ追い込めるようになっていた。
そして。
シロネも止まってはいなかった。
◇
一人で裏山へ入る。
シロネ:「ふっ!」
《俊足》。
地面を蹴り、木々の間を駆け抜ける。
速度を落とす。
そのまま《隠密》。
気配を薄くしながら森を進む。
シロネは足を止めた。
**《索敵》Lv.1。**
シロネ:(……二体)
少し離れた場所に反応。
正面から行かない。
迂回。
獲物が通る場所を確認する。
手早く罠を設置。
**《罠設置》Lv.1。**
シロネ:(よし)
この半年で《罠士》と《斥候》も解放した。
まだLv.1。
でも、それでいい。
シロネが欲しいのは、一つの攻撃だけじゃない。
見つける。
隠れる。
逃げる。
罠にかける。
毒を使う。
そして最後に仕留める。
シロネ:「《鑑定》」
自分自身を確認する。
**《村人》Lv.10以上
《調合師》Lv.10
《釣師》Lv.10
《アサシン》Lv.20
《罠士》Lv.1
《斥候》Lv.1**
続いてスキル。
**《隠密》Lv.6
《俊足》Lv.4
《幻惑》Lv.4
《鑑定》Lv.3
《罠設置》Lv.1
《索敵》Lv.1**
さらに。
《調合師》Lv.6――《毒薬(中)》。
《調合師》Lv.10――《眠り薬》。
《アサシン》Lv.10――《気配察知》。
そして、《アサシン》Lv.20。
**《致命撃》**
シロネ:「……ふふ」
尻尾が、ぶんっと揺れた。
急所へ攻撃を通した時、威力を大きく引き上げる。
ただ振れば強いわけじゃない。
相手を観察して。
動きを読んで。
一撃を通せる状況を作る必要がある。
シロネ:(こういうのでいいんだよ)
かなり好みだった。
◇
訓練を終えたシロネは、大きな木の根元に腰を下ろした。
シロネ:「つかれた……」
水を飲む。
少し休もう。
そう思って木にもたれた時――。
視界の端に、何かが入った。
シロネ:「……ん?」
木の実。
珍しいものではない。
この辺りでは昔から見かける。
シロネ:「……」
なぜか引っかかった。
何気なく一つ手に取る。
シロネ:「《鑑定》」
表示された情報を見る。
**《隠密》のスキルの実**
シロネ:「……」
もう一度。
**《隠密》のスキルの実**
シロネ:「…………」
理解した瞬間。
シロネ:「なななななっ!?」
ガバッ!
勢いよく立ち上がる。
シロネ:「スキルの実じゃん!!」
木を見る。
一個じゃない。
枝にも。
その隣にも。
さらに奥にも。
大量。
シロネ:「なんでこんなにあるの!?」
前世のゲーム知識が一気に蘇る。
**スキルの実。**
対応するスキルを持っていない者なら、低確率でそのスキルを取得できる。
既に持っている者でも、再取得に成功すれば熟練度を大きく伸ばせる。
ただし、必ず成功するわけではない。
それでもゲーム時代なら――見つけただけで大騒ぎになるレアアイテム。
シロネ:(これ、何人が探し回ってたと思ってるの……!?)
それが。
村の裏山に。
いっぱいある。
シロネ:「……」
口元が緩む。
尻尾もぶんぶん揺れる。
シロネ:「持って帰ろ」
ゲーマーとして、放置できるはずがなかった。
◇
翌日。
シロネはレオとカイルを呼び出した。
シロネ:「二人とも。これ、知ってる?」
手のひらには、昨日見つけた木の実。
レオ:「……?」
カイル:「それがどうした?」
シロネ:「ふふん」
知らないらしい。
ちょっと嬉しい。
シロネ:「これはね――」
レオ:「それ、小さい頃から食ってるじゃん」
シロネ:「なっ!?」
カイル:「裏山行った時、いつも取ってたぞ」
シロネ:「……え?」
レオ:「忘れたのか?」
カイル:「普通にうまいだろ、それ」
シロネ:「……」
記憶を探る。
前世ではない。
もっと昔。
この世界で育った、自分自身の記憶。
まだ前世を思い出すより前。
幼いレオ。
幼いカイル。
もっと小さなシロネ。
三人で裏山へ行って――。
木の実を取る。
ぱくっ。
シロネ:「…………食べてた」
レオ:「だから言ってるだろ」
カイル:「俺、今でもたまに食うぞ」
シロネ:「……」
自分。
レオ。
カイル。
三人とも、最初から持っていたスキル。
**《隠密》。**
シロネ:「これかぁぁぁ……!」
頭を抱えた。
シロネ:(そりゃ持ってるよ!)
前世の記憶が戻るより前から、何度も食べていた。
シロネ:(ずっと近くにレアアイテムあったじゃん……!)
ゲーム時代なら必死で探したものを、幼い自分はおやつとして食べていた。
シロネ:「……なんて贅沢な」
レオ:「木の実だぞ?」
シロネ:「レアアイテムなの!」
カイル:「れあ……?」
シロネ:「とにかく、すっごく貴重なの!」
二人は顔を見合わせる。
まったく伝わっていない。
◇
さらに数日後。
シロネは再び裏山へ向かった。
先日、実を採った木。
シロネ:「……」
枝を見る。
シロネ:「……またなってる」
採った場所に、新しい実。
シロネ:「…………」
にやぁ。
一緒に来たレオが一歩引く。
レオ:「また変な顔してるぞ」
シロネ:「決めた」
カイル:「何を?」
シロネは二人を指差した。
シロネ:「今日から一日一個」
レオ:「は?」
シロネ:「三人とも食べるよ」
カイル:「別にいいけど」
シロネ:「《隠密》がカンストするまで」
レオ:「かんすと?」
シロネ:「最大まで!」
レオ:「毎日これ食うのか?」
シロネ:「毎日」
カイル:「俺は好きだからいいぞ」
シロネ:「もっとありがたがって食べて!」
二人にとっては、昔から食べてきた木の実。
シロネにとっては――ゲーム時代なら探し回っていたレアアイテム。
しかも、それが。
**村のすぐ裏山に、大量になっている。**
シロネは木いっぱいの《隠密》のスキルの実を見上げる。
シロネ:(この世界……まだ絶対、何かある)
ゲームでは知らなかったもの。
ゲームとは違うもの。
そして、こんなふうに身近すぎて見落としていたもの。
全部、これから確かめればいい。
シロネ:「よし。明日も一個ね」
レオ:「まだ言ってる」
カイル:「二個じゃダメなのか?」
シロネ:「一日一個! 無駄遣い禁止!」
レオ:「いっぱいあるじゃん」
シロネ:「レアアイテムなの!」
裏山にシロネの声が響く。
その横で。
尻尾だけは、隠しきれないほど嬉しそうに揺れていた。
**第9話 終**




