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DSaC  作者: げど☆はぐ
家出娘と場外乱闘
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第十話

 例のビルに着いた時には既に夜の十二時を回っていた。このビルは打ち捨てられた区画にあるマンションの一つで、今は入居者率が過激派ドーン人百パーセント。家賃も敷金礼金もすべて無料の素晴らしい物件だ。入居者が全員新入りに向かって銃を撃って来るという点を除けばだが。建物内に持ち込んだ蒸気機関発電機で水や照明をまかなっている。

 私は窓から射線が入らない位置に車を停め、ピッキングツール、ペンライト、拘束用のロープ、リボルバーではなくサイレンサー付きのハンドガン、そしてサブマシンガンを持って車を降りた。街灯は一つしか無い。当然私はそこは避けて建物に近付いた。

 しかし武装して来てなんだがいきなり喧嘩腰というのは良くない。会話ができればレイチェルの部屋を教えてくれる人もいるかもしれないではないか。

 私は玄関ロビーに着けてある来客用ベルを試しに押してみた。ジリリリと鳴った後、五秒程すると左の詰め所のような部屋から拳銃を持った男が出て来た。その腰に提げているサブマシンガン、私のと同じ銃じゃないか、気が合うね。

「夜分にすみません、こちらに……」

 男は私の頭に銃を向け、銃口が火を吹くと私は強制的に車の中に死に戻った。


 ――こんばんはくらい言ってくれたっていいじゃん。

 今度はベルを押さずに玄関ロビーに入った。先程の男がいた部屋をしゃがんでやり過ごし、ロビーを抜けると中央は天井まで吹き抜けになっていて、一階は奥に、二階からは手前と奥に階段がある。落下防止の手すりが中央を囲むように付けられ、部屋は左右に三部屋ずつ配置されている。五階建てで部屋は二階からだ。私は玄関から見て、左の部屋から見ていく事にした。奥の階段を上がり、右に回って最初の部屋の扉の前まで来ると、三階の反対側にいた男に見つかった。

「敵だ! 敵がいるぞ!」

 男が喚きながら銃を撃って来る。私はとっさに階段に戻ったが、あちこちから銃を持った男達が出て来て、私は上の階の反対側の階段の近くにいた男に撃たれ、階段を落ちながら絶命した。


 ――死に戻った車内で私はハンドルを指でトントンと叩いた。中央が吹き抜けになっている建物というのは意外と厄介だ。反対側から丸見えになってしまう。アルベルトに他の拠点を潰されているせいで警戒レベルは最大らしい。

 今度は建物の周囲を回ってみた。右側に非常階段があったが、ボロボロで欠けて途中から無くなっている。とても使えそうになかった。火災が起きたらどうするんだ? 試してみたい欲求に駆られたが我慢した。レイチェルがいたら連れ出せない。

 ここで強引でもいいからレイチェルを確保すれば依頼達成、簡単な話だ。

 私はこの場面でもう少し粘ってみる事にした。

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