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私は入る会社を間違えたかもしれない。 2社目  作者: オツタロ


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第6話 女性に優しく

管理部の女性事務員の仕事は限られている。

そんな中こんなことがあった。


台車編

保管室から荷物を移動させる時のことである。

女性に荷物を持たせるわけにはいかないので男性が一緒についていき荷物を台車に載せなければならない。

台車の操作は女性が行うという役割分担ができていた。

ある日女性事務員(田中さん)が台車を押していた。

ゴツンと何かが当たる音が事務所に響いた。

大きな音ではなかったので大したものではないだろうと思っていたら

田中さんの泣き声が聞こえてきた。

音がした方を見ると田中さんが事務所の扉の所にうずくまって泣いているではないか。

みんな慌てて田中さんに駆け寄った。

「どうしたの?」

と課長が問いかけた。

泣いてばかりで要領を得ない田中さんにお局社員が背中をさすって慰めている。

少しして落ち着いてきたのか田中さんは何があったのか話し始めた。

「台車を押していたら事務所の扉に当たってしまったんです。」

(でしょうね。そういう音だったからね)と私は内心思った。

「私はじめて台車でぶつけちゃって、そしたらなんか涙が止まらなくなって。

こんな危険な作業だったんだって思ったら怖くなって。」

そう言って田中さんは再び泣き始めた。

それを聞いた課長がみんなに向かって言った。

「これから台車を押す仕事はすべて男性でやろう。

こんな危険な作業今まで女性にやらせていたなんて間違っている。」

「田中さん、ごめんね。課長でありながら危険な作業をさせてしまって申し訳ない。

これからは台車には触らなくていい。男性社員にやらせるからね。」

女性から仕事が奪われてしまった瞬間である。


用紙補充編

ある時田中さんがプリンターに用紙の補充をしていた。

用紙の補充は決まった担当がいるわけではなくプリンターを使う人が気が付いたら行うというものである。

おそらくどこの会社でもそういう風にやっているだろう。

たまたま田中さんが用紙を補充していた時事件は起きた。

「キャー」

という田中さんの叫び声が事務所中に響いた。

大きな声だった為みんなびっくりしてプリンターの方を見た。

次に田中さんの泣き声が聞こえてきた。

(またかよ。)と私は内心思っていた。


課長が急いで田中さんに駆け寄って状況を確認する。

どうやら用紙を補充する際に紙で指を切ったようだ。

血が出てしまった驚きなのか痛みからなのか彼女は泣いてしまったらしい。

「ごめんよ。田中さん。

辛かったよね。

用紙の補充は危険な作業なんだね。今までよく耐えて頑張ってくれたね。」

課長は立ち上がりみんなの方を向くと

「これからは用紙の補充は男性社員の仕事とする。

女性の方は用紙がなくなっていたら男性社員に補充するように言ってほしい。

そして男性社員は持ち回りでプリンターの用紙が不足していないか確認すること。

これから当番表を作ります。」

また一つ女性から仕事が奪われた瞬間であった。

(これは仕事なんか?)と私は内心思った。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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