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私は入る会社を間違えたかもしれない。 2社目  作者: オツタロ


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10/18

第10話 システム開発 契約編

会社に情報部門はあるがなぜかしら情報部門で社内のITシステムをすべて管理していなかった。

別の部門が新規のITシステムの開発に着手するという話が部長から来た。


「AIを使ったシステムを開発しようとしているんだが2か月システム会社と話し合っても進展がないらしい。

情報部門のメンバーとしてどうなっているか確認してほしい。」

※10年前の話であり当時のAIは2026年時点でのAIとは能力に雲泥の差がありました。


システム開発の打ち合わせ日

システム開発の発起人である他部署の副部長、システム会社の営業マン、情報部門代表として私が参加した。

「このシステムではAIを使用して過去の御社内にあるデータから情報を読み取り最適な答えを出します。」

営業マンは立て板に水を流すように説明していた。

「んー、具体的なような具体的じゃないような。

今のAIでそこまでできるのですか。先日AI製品の見本市に参加しましたがこれほど高度なものはありませんでしたよ。」

「これはですね。まだ一般販売されていない独自開発のAIになります。

AI見本市には出典されていなくて当然です。

では本日こそこちらの契約書にサインいただいてシステム開発をスタートさせましょう。」


「待ってください。今日は契約書にサインする日ではないはずです。

もっと精査をした方がいいです。

このシステムを利用する人たちにも話を聞いた方がいい。

そもそもこのシステムはサーバやストレージなどのハードウェアをどれほど使って動く想定なんですか。」

「そういうのは企業秘密になるので契約いただいた後は話せるのですが今はまだ話せないですね。

実はですね、他の会社様でこのシステムはすでに動いているんですよ。

なので御社が業界初というわけではないのですが今はまだその一社だけなのでまだ追い上げるチャンスがあります。」

「なんと、すでに実績があるシステムということか。それならそうと言ってくれればよかったのに。

すぐにでもサインをして開発をスタートさせないといかん。」

「副部長待ってください。話が出来すぎています。

契約はいったん保留にするのが賢明です。

他社で動いているという話は私たちでは確認のしようがありません。

それにたとえ他社で稼動していたとしてもわが社の業務フローにそれが当てはまるかどうかは別の話です。

ここは話を持ち帰り利用予定の社員の話を聞きましょう。

この話はまだ副部長と一部の人しか知らない話ですよね。」

「俺はこの会社で30年近いキャリアがある。

その俺が長年の業務の中で改善が必要と思い、これは従業員個人でできる小手先の努力ではどうにもならんと思っていた。

システムを導入し業務フローを抜本的に変える必要があると、それによって生産性を飛躍的に向上させることができる、そう判断したからこそ長年温めていたアイディアをこうして具体化しようとしているんだ。」

「副部長は実務を離れて年数が経っていると思います。

副部長が実務をされていた時と現在とで同じ業務内容なのでしょうか。

作成する書類が同じであってもそれを作成する際の手順が変わっているということはありえます。

急いで契約する必要はないと思います。」

「実務を離れていても俺はその書類に承認印のハンコを押している。

その俺とまったく実務をしたことがない情報部門がなぜ口をはさむのか。」

「実務をしたことがないのは確かにそうです。

ならば素人目線で言ってもAIを使ってもこれは実現することができないです。

情報部門としてはAIにこれほどの処理能力はないと思われます。

時期尚早です。」

「何か、システム会社の人が嘘を言っていると言うのか。

人を嘘つき呼ばわりか。

俺はこの人と2か月にわたって話し合いをしてきた。

今日初めて出席しただけの人間になるがわかるか。

この人はな、君のような素人に毛が生えたようなレベルじゃないんだよ。

プロフェッショナルなんだよ。

素人と大して変わらん君が口を挟むなど失礼だ。」

「営業さんは契約や進捗報告などで私たちと会話する窓口の係です。

実際にシステムを開発するのは別の方です。

営業さんが作成できると言ってもそれは何の保証にもなりません。」

「あー、お話しされているところ申し訳ないんですが、このシステムなんですが実は別の会社さんでも提案中なんですよ。

もしそちらが先に契約されますとですね、御社とは契約できない可能性が高いです。

社内でも開発できるメンバーが限られているので早い者勝ちなんですね。」

「それはいかん、今日契約だ。」

「落ち着いてください。わが社は別に業界トップの会社ではありません。

むしろ他の会社が成功してその話が業界内で広まるのを待ってから開発に着手しても遅くありません。」

「なんてことを言うんだ。

俺が長年温めていたアイディアをよそに取られていいだと?

すでによそでも稼動中なのにこれ以上遅れろと言うのか。

もう待っていられん。今日この場で契約する。

契約書をください。」

そういって副部長は営業から契約書の書類一式を受け取った。


その後システム開発の為私は部署を異動することになった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


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