第四鋼
俺はウサギだかネコだかよくわからない見た目をしている。
人間に見つかれば珍獣として扱われることになるだろう。
女の子たちからチヤホヤされるかもしれないが、
それはあくまでも珍しい動物としてだ。
そんなの悔しいし、虚しいし、きっと面倒臭い。
だから俺は人間界で活動する時は魔法で姿を消している。
この姿を知っている人間は鋼音ちゃんだけだ。
案の定、初対面の時は突然抱きつかれて締め殺されそうになった。
おそらくこの体はウサギよりも弱い。野生環境では生きられないだろう。
種族を尋ねられたが、妖精としか答えられなかった。
その質問があるまで俺は気にしていなかった。
妖精界の住民は皆、違う姿で生活しているのだ。
基本的にモフモフしてる奴が多いが、元となる動物がほぼ被らない。
動物といえば最近やたらとネコに絡まれる。
人間からは身を隠せても、動物には効果が無いようだ。
仲間だと思われているのか、昆虫の死骸を持ってきてくれて扱いに困る。
無下にするのも失礼なので一度受け取り、後で捨てるしかない。
そして今回の怪人は前回に引き続きクリーチャータイプだ。
手と足が2本ずつ増え、それはまるで蜘蛛のような印象を受けた。
驚くべきはその見た目だけではない、なんと初の特殊能力持ちだ。
尻から白い糸を吐き出し、地面に積み上がっている。
言ってしまえばただ垂れ流しているだけだが、人間には不可能な行動だ。
今はまだ脅威ではないだけで、敵は確実に進化している。
「──オジー・オズボーン!!」
8000度の熱光線が怪人を襲い、跡形も無く消え去った。
今回も楽勝だったが、次も上手く行くとは限らない。
炎上する商店を背に、俺たちはその場を立ち去った。




