1-65.魔式弾丸(マギ・ブリッド)
「ここらで良いかな」
障壁を、無い物の様に通り抜けた開祖シンは、立ち止まる。
開祖シンに、促されて来た刺客達も、立ち止まる。
「武良から、隠密近接静殺傷方の二人と、狙撃の二人に、これを渡す様に頼まれてな」
マイクとキャシー、ハリーとラルフに、いつの間にか開祖シンの右手に現れた、小降りの金属製ケースを差し出す。
開祖シンは、左手をケースにのせる。
ピピッ
プシュ
カチャリ
ケースの蓋が、勝手に開く。
刺客の四人は、思わずケースの中を覗き込む。
「弾丸?にしては……中途半端な大きさな弾丸の様な?」
スポッターのハリーは、疑問系で、開祖シンに問う。
見れば、衝撃吸収スポンジの上に、数発分の弾丸らしき金属片が、整然と並んでいる。
「これは、『魔式弾丸』とでも言えば良いかな。君達自身の魔力を込めれば、通常の弾丸以上の性能を発揮する」
開祖シンは、一つずつ『魔式弾丸』を、四人の右手の手の平にのせる。
「ふぅん……弾丸っぽい金属片にしか、見えないけど?」
スナイパーのハリーは、訝しげに、弾丸っぽい金属片に、目を近付けて疑問を述べる。
「そうだ。まだ、未調整だからな。君達それぞれの魔力を『魔式弾丸』に込めて、君達の愛用の銃に装着すれば、銃は魔式仕様に変わる。スポッター君は、ハンドガンに使えば良かろう」
「……スペックは?」マイクは、ボソリとつぶやく。
「!保守的なお兄が、興味をしめした!!」マリアが、少し驚く。
「可能発射数は、それぞれの魔力次第だが、数千発は打てる。切り替えれば散弾にも変わるし、魔力凝縮させれば追尾式ミサイルにも成る」
「……こちらのイメージ次第と言う訳だ」再度マイクは、ボソリとつぶやく。
「お兄が、喰いついた!!」キャシーは、再度驚く。
「その通り。魔式銃を構えた者のイメージが、発射される。あぁ。通常の弾丸に切り替えれば、通常に撃てるよ」
「ふぅん……試してみるか」スナイパーのラルフは、『魔式弾丸』を弄ぶ。
「じゃぁ、それぞれの『里』に別れよう。隠密近接静殺とスナイパーは、『彼』らに付いて行ってくれ。射撃場を用意する」
開祖シンの横に、青系迷彩のと緑系迷彩の、中性的な如何にもアンドロイドが現れた。
『『ホーク・アイ』の方々は、此方へどうぞ』青系迷彩のアンドロイドは、ハリーとマイクを、恭しく促す。
『『ストレイ・シープ』の方々は、此方へ』マイクとキャシーとは、微妙に異なる緑系迷彩のアンドロイドは、二人を恭しく促す。
「はぁ。タケヨシ勇者様の世界は、本当に何でもアリなんだな」
テクノロジーの圧倒的な差を見せ付けられたハリーは、何かと疲れた声でボヤく。
「本当ね!。ウチの惣領が、このアンドロイドを見たら、喉から手を出すわよ」キャシーも、ボヤく。
とにかく、今更ゴネても仕方が無いので、それぞれのアンドロイドに付いて行く。程なく、障壁の向こうに消える。
後には開祖シンと、強化服の二人が残された。
「では……先ずは、田畑光子さんに、確認して置きたい事がある」
開祖シンは、いきなり光子に向かって、話し掛ける。
「え?あ、はい。何でしょう?」光子は、いきなり名刺しの問いに驚いて、問い返す。
「……田畑三郎は、現在どんな様子かな?」
開祖シンは、ほろ苦い表情で、光子に問う。
光子はその名を聞いて、仰け反る様に、驚く!!
御読み頂き、ありがとうございます。
前回投稿「1-64.演習開始」が中途半端で申し訳ありません。
改稿致しました。
次回投稿は、しばし御時間を下さい。
5月8日に、投稿させて頂きます。
よろしくお願い致します。




