1-63.鬼
鬼だ!鬼が居る!
いや、現れた!
ああっ!こっちにも!!
「演習へ、ようこそ」
武良は刺客達に、にこやかに話しかける。
東郷と光子は、いきなり性能差を見せ付けられた衝撃に、言葉が出ない。
ラルフは、武良の多彩な戦闘方法に驚き、言葉が出ない。
キャシーは、バトル・アーマーのステルス消音性能に驚き、言葉が出ない。
マイクとハリーは、武良にしてやられた気分に成り、憤慨して返事を拒否する。
「今日は、皆に紹介したい。私の師匠の、海良 真殿だ」武良は、刺客達の気分など、カケラも気にせず話し出す。
ヴゥン
武良の右側に、急に、にこやかな笑顔の男が現れる。
武良と同様に黒髪黒目だ。
で、武良勇者様の世界の人間の年齢は、分かりにくい。
が、彼の髪には、ちらほら白いモノが見て取れるので、そこそこ年配なのだろう。
しかし青系統の迷彩服に包まれた彼の身体は、鍛え上げて居る者の特徴を表す、肉厚である。
自然体だが、姿勢良く立つ隙の無い所作は、只者では無い雰囲気をまとって居る。
そう。武良勇者様と、同んなじだ。
「初めまして。海良真と、申します。『侍』を組織しました。現在は、『侍』の後方支援をや、見習生の指導を受け持って居ます。今日も、皆さんの参考に成ればと、武良の要請を受けました」
『かいら しん』と名乗った、元勇者レベルの武人は、にこりと笑う。
その爽やかな笑顔に、背筋に寒気を感じるのは、何故だ?
(……逆らっちゃ、イケ無い相手じゃん!!)
タムは、彼からの威圧感を感じ、背筋のゾクゾクが止まらない。
「本日は人数も多いので、演習の御手伝いを御願いした。
あー、彼は、『侍』の開祖なので、開祖シンとか、開祖とか呼ばれて居る。
彼には、見習生時代の私『も』鍛えて頂いた……ので、皆の健闘を期待する」
武良は、微妙な苦笑を、浮かべる。
え?それって。
衛兵隊達は、アーマーのヘルメットの中で、嫌な予感に襲われる。
「師匠は代々の『侍』見習生から、『鬼』とも呼ばれてるんだ……」
武良は、苦笑する。
えー!
衛兵隊は、愕然とする。しかしバトル・アーマーを装着して居る現在、勝手には、逃げられない。
おい武良。ちょっと待て。
急に開祖シンから、念話が入る。
つまり、誰にも聴かれない話をしたい訳だ。
何でしょう?
俺が、その強化服の男女に、稽古を付けて良いか?
訳ありですか?
あぁ。その男女の強化服は……俺が遥か昔に設計した、『Rシリーズ』に酷似して居る。
げ!?すると!
……俺の過去の知り合いが、此処に召喚されてしまったかも知れん。
それを、確かめたい。
わかりました。二人はお任せします。強化服装着後の抜刀術も、御指導願えますか?
うけたまり〜♪
武良は久々の、開祖シンのマリア語に、少し肩を落とす。
マリア語とは、愛妻マリアが結婚前に、来日した時の英語舌の日本語がウケて、一時『マリア語』として『侍』うちわで流行って居た。
いかん。無言で師匠と見つめ合う状況が長すぎる。
「強化服の御二人さん」
開祖シンは、俺が何か言う前に、二人に声をかける。
「「はい!」」
「その強化服に、興味がある。君らの指導は、私がしよう」
「……は、はぁ」
『鬼』と紹介された男に声をかけられ、東郷と光子の、愛想笑いが引きつる。
「え……じゃぁ、そちらは開祖に、お任せしましょう。あ、そっちの二組にも、それぞれに話があるんだ」
武良は、芝生の広場を見渡す。
「障壁を張るから、それぞれに分かれてもらおう」
武良は、右手を芝生の広場に向ける。
ヴォン
広場に、一瞬で、淡いグリーンの半透明壁が出来る。
(えーと。障壁を2スタッド(1スタッド=1.2m)張るのに、中級魔法以上の魔力が居るぞ。……この広場は、1000人の中隊が入るから、2000千スタッドをグルリと張らなければいけないから……)
今更だが、どんだけの魔力を、武良様は御持ちなんだよ。
タイ・クォーン教会衛兵隊の感想は、一つに成った。
「強化服組。近接殺法組。スナイパー組は、障壁の向こうに向かってくれ。では、開祖。御願い致します」
「うん。では、行きましょう」
開祖シンに促され、刺客達は、障壁に向かい歩き出す。
ああっ!!
改稿扱いだから、予約投稿出来ないのでうね!
ので。申し訳ありません。
4/25ですが、今夜中で再投稿させて頂きます。
御読み頂き、ありがとうございます。
えーと。
近々に、初回から3話分位、書き直しを目論んで居ります。
まとまったら、改稿致します。
次回投稿は、4月28日(木)を予定して居ります。
御意見御感想頂けたら、幸いです。
よろしくお願い致します。




