1-54.公共事業とか
神より、鑑定眼の祝福を受けました、カヤネ・ロムダンです♪
うふふふ♪
やったぁ♪
こんなにも詳しいレシピと、製法を教えていただけるなんて♪
お仕事も、がんばらなくちゃ!
「ふぅ」
カヤネ・ロムダン十三歳『神の祝福の鑑定眼持ちの鑑定士』は、つぶやくように、小さなため息をつく。流石に政治的な緊張感ある商談は、疲労感を感じる。
「さて。一息、休息を入れましょう……で、カヤネ鑑定士さん」武良は、カヤネに笑顔で、話しかける。
「はい!な、なんでしょう?」急に勇者様に話かけられて、驚く。
「記念に、これを差し上げましょう」
武良は、ブレスレッド?を、カヤネに渡す。シンプルだが、可愛いデザインだ。鑑定額は……
「おっと。値の鑑定は、禁止だよ。プレゼントなんだから」武良は、いたずら小僧の様に、微笑む。
ちょっと遅かった。値は、約百レンだ。私には高額過ぎる。カヤネの微笑みは、引きつる。
「まぁまぁ。どうぞ、左手首に当てて見て」
とても、かわいい。じつはデザインは、見た瞬間から気に入ってる。
指示どうり、左手首にブレスレッドを当てる。
カシャン
え?ブレスレッドが勝手に私の手首に巻き付いた!?
『カヤネ・ロムダン様。初めまして♪』急にブレスレッドから、自分と同年代の女の子声がする。
「きゃ!」
「大丈夫、『意思を持つ秘宝』だよ。カヤネさんを補佐してくれる……そして……」
『カヤネ様は、スィーツに興味が有られると聞きました。例えば……』
カヤネの意識に、先ほど食べたプチケーキの情報とイメージが、流れ込んで来る。
「まぁ!これは!」
『プチケーキ12種類のレシピです。作る手順も、御説明が可能です♪』
カヤネは、疲れが吹き飛ぶ程、興奮する。
将来の、スイーツ・ロムダンの始まりだった。
◯ ◯ ◯
「さて、これからの打ち合わせも、いたしましょう」武良は、セルガとメルダをうながす。
「「はい」」
「近日中に、『額面上』活用出来る資金は、一億レンです」
「「はい」」
「先ず、復活させる救済制度を教えて下さい」武良は、メルダを見る。
セルガも、メルダを見る。
「はい。先ずは、職員さんや衛兵隊員様方の未払い給与分を御支払いしたいと思います。そして、救護院の無料入院制度を復活させます。そして、孤児の生き別れの親を探します」メルダはキッパリと述べる。
うんうんと、武良とセルガはうなずく。
「同感です。では、私からも提案させて頂きます」
ヴォン
テーブルの上に、メルダの述べた三案が、箇条書きで浮かび上がる。
それぞれの予想支出金額も、提示される。
「先ずは、庶民への経済活動を促進する為に、公共事業を提案します」
四案目が、表示される。
物質流通の動脈として、タイ公爵領内の道路や橋や中継所の整備を行う。作業者は、庶民を中心に募集する。
ヴォン
タイ公爵領の、全体地図が浮かぶ。
「ペルガン」
『はい』
タイ公爵亭制御魔核頭脳のペルガンは、すぐさま答えて来る。
ロムダン親子の目は驚きに泳ぎ、口は微妙に動くが、かろうじて無言をつらぬく。
「公爵領内の、修復要請の箇所は、どこかな」
『こちらです』
公爵領内のあちこちが、赤く塗られる。見れば、黄色い箇所も見受けられる。
『黄色い箇所は、近々に補修が必要と予想される場所です』
「認証する。公共事業に加えておくれ」
公共事業の欄の、予算額が倍に増える。
「庶民生活が安定したら、学校教育制度も普及させたいなぁ」
『はい。検討案があります』
五番目の案が、並ぶ。
計画提案者には、前タイ公爵の署名があった。
「公爵様……」セルガさんは、切ない表情になる。
学習要項内容は、この世の世情に合わせてあった。
「あー。貴族専門学院ねぇ。これは保留だなぁ。最終学院は試験に合格した者が、入学出来る事にする」武良は、渋い表情になる。
五番目の予算額が、あっさり減額される。
◯ ◯ ◯
「うぅーん!」武良は両手を挙げて、背筋を伸ばす。
「やれやれー!事務方の仕事は、とにかく終わりましたね!」武良は、解放された表情になる。
「御疲れ様です。御茶にしましょうか?」セルガさんは、武良に微笑みかける。
「ありがとうございます。さてー。午後は、暴れないと!」再度両手をバンザイし、背筋を伸ばす。
「え?何ですか?」
「はい。衛兵隊鍛錬に参加させて頂きます。デスクワークで固まった身体を、ほぐさせてもらいます」武良は、にやりと笑う。上半身をひねる。
バキバキ
背骨が鳴る。
「「ま、まぁ」」
セルガとメルダは、愛想笑いが出てしまう。内心、衛兵隊の皆様の無事を祈る。
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次回更新は、3月29日(火)を予定しております。
カクヨム始めました。
忘れた男は、恋に落ちた。
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カクヨムオンリーの新作です。
不定期更新です。




