1-53.覚悟は
開戦前から、戦争は開始されている。
開戦時に、準備不足が露呈する様なら、その戦は負ける可能性が高くなる。
そういう理由で、タイ・クォーン教会神殿の防衛力を強化し、運営資金の増額を行った。
次は、衛兵隊員の武具武器の増強や、格闘技の鍛錬だ。
楽しみだなぁ♪
ちい
「たけよし様が、悪い笑顔をされてる!!」
ハム獣神テツーが、武良の頭上で、わたわた慌てる。
現れたワードマンさんの表情は、不機嫌だ。
あれ?ワードマンさん、怒ってる?
「そして、必ず勝ちを取る!気合を、御持ちです。強敵の魔族魔王に対抗し、更に勇者系譜をあやつる王侯貴族にも対抗する。そのために、十分な武装に十分な軍資金を準備する。この行為は『真の勇者』として当たり前の責任と、心構えかと思います。そこを、庶民を守る責任者二人が、勇者様を信じられなくてどうするのですか?ゆらいでどうするのですか!?この世を魔王に開け渡すのですか?」
第一守護天使ワードマンは、動揺するセルガとメルダに、鋭く意見を述べる。
「「第一守護天使様……申し訳御座いません」」セルガとメルダは、しゅんと、しぼむ。
「「だ、第一守護天使様!?」」ロムダン親子は、びっくりして立ち上がる。
「あぁ。現在は『真の勇者』様に使役されています。無礼講に願いますよ」ワードマンは、なごやかに二人を座らせる。
「た、確かに『聖なる光の剣』の勇者様なら、第一守護天使様を使役出来るのは、納得です」
マク・ロムダンは、焦る表情だが、うんうんとうなずく。
「そうです。この埒外な『軍資金』も『真の勇者様の実力の一つ』と認識されたし。御二人にも、勇者様の『打倒魔王』の御手伝いを、御願いいたしたい」第一守護天使は、ロムダン親子に首を下げる。
ロムダン親子は、再度驚き、恐縮して再度立ち上がる!
「滅相もない!!我らヴォーグ教の一信徒に過ぎません!天使様!頭をお上げ下さいませ!!」
「私からも、御願い致します。公都公認両替商殿に、協力していただければ、こんなに心強い事はありません」武良も立ち上がり、ワードマンと同様に、頭を下げる。
「ひやぁあぁ!勘弁して下さい!もちろんです!協力させて頂きます!御願いです!御二人様!頭を上げて下さいませ!!」
マク・ロムダンは、恐れ多いやら、いたたまらないやらで、顔を真っ赤にして、二人に手を振る。いつもの貫禄は、どこかに吹き飛んでいる。
「ありがとうございます」
頭を上げた武良は、にこりと笑う。
カヤネは、武良の笑顔に、多くの神仙の笑顔が重なるのを、見た。
「笹木武良様。貴方様の微笑みに、神仙が集まっております。貴方の笑顔は、御日様と、同じなのですね」
カヤネは、微笑む。
ちい
急に、武良の頭の上に、神獣ハムスターのテツーが顕現する。
「そうです。たけよし様の御頭の上は、気持ち良いのです」ちい
武良とカヤネは、くすりと笑う。
「では、話をまとめましょう。私はこのまま『原石』達と『150億レン』を、宝物の間に秘蔵します。公認両替商様には、守秘義務を願います。表向きは、真の勇者様が持ち込んだ『金剛石原石』で、一億レンを両替し、教会に寄付した、と。また『癒しの金剛石原石』も、寄贈した、と」武良は、確認を取る。
「守秘義務を誓います」
ロムダン両替商親子は、同時に右手をあげて、宣誓する。
「純金も原石と同様に『価格破壊』を起こさぬ様に、毎月の運営財源の不足分のみ、両替を御願いしましょう。セルガさん、メルダさん。勇者の『秘密の遺産』として、将来の神官長と副司祭さんに、代々申し送りして下さいね。ケルシーとファルもよろしく。公認両替商様も、代々の申し送りを御願いいたします」
セルガ×ケルシーと、メルダ×ファルに、ロムダン両替商に確認する。
「「『『うけたまわりました』』」」
セルガ×ケルシーと、メルダ×ファルが、答える。
「うけたまわりました。公都公認両替商として、代々引き継いで行きます。末長く、よろしくお願い致します」
ロムダン公認両替商で鑑定士親子は、うやうやしく一礼する。
「それで、セルガさん、メルダさん。この純金のケースの、この部分に左右どちらかの手を置いて、必要な金額をAIに伝えれば、ここから必要量の砂金か小さな金塊として出て来ます。両替商さんと相談して、使いやすい方で両替してください。ので、勇者の手持ち金庫として宝物の間で、御使いください。このケースは地震雷火事親父から、自己防衛しますよ」武良は、微笑みながら説明する。
「わかりましたは」セルガは、うなずく。
「責任重大ですね」メルダは、表情を引き締める。
御読み頂き、ありがとうございます。
次回は3月27日に更新です。
カクヨムオンリーの新作です。
忘れた男は、恋に落ちた。
第2話、更新しました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880636815/episodes/1177354054880657416
宜しく御願いいたします。




