表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/87

1-49.公認両替商親子

ロムダン公都公認両替商のマク・ロムダンです。


素晴らしい宝珠・宝物・貴金属には、何かしらの王侯貴族達の栄枯盛衰の逸話が、まとわりついて居るモノです。


いつの間にやら、数多くの逸話に、詳しく成ってしまいました。


しかし、宝珠・宝物・貴金属達は、何も悪くないのですよ。


人生の出逢いに、似ていますね。

カポカポカポカポカポ


四頭だての質実剛健な箱馬車が、公都中央部からタイ・クォーン教会への道を、早足で向かう。


「御父様。それで、真の勇者様の御用件は何でしょう?褒章の宝物に、何か不都合がありましたのでしょうか?」


タイ・クォーン公都公認両替商マク・ロムダンの娘、カヤネ・ロムダン十三歳は、右眼は碧眼で左眼は紅眼のオッド・アイを、不安気に父親に向ける。


彼女は、あつらえたばかりの乗馬服風の公認両替商の制服で、艶めく黒髪をキチンとまとめ、身なりを整えて居る。


つつましい姿の美少女の美貌は、二割マシマシである……いささか制服に『着られている』感は御愛嬌(ごあいきょう)だが。



「いや。副司祭メルダ様からは、『お陰様で褒章宝物(ほうしょうほうもつ)は、今世一級品を揃えられました。勇者様も感心しきりです。今回はその一級の『鑑定眼』で、『勇者様の世界』の貴金属を鑑定して頂きたいのです』と、具体的な要請を頂いた」


父親のマク・ロムダンは、初々しい制服姿の娘に、上機嫌で答える。彼も長年着慣れた制服姿だ。流石に威風堂々(いふうどうどう)と、着こなして居る。


「まぁ♪あの『聖なる光の剣』の真の勇者様の世界の、貴金属!!どんな宝珠宝物(ほうじゅほうもつ)を、拝見出来るのでしょう♪」


カヤネの美貌は、パッと明るい笑顔に成る。なかなか初々しく可愛い♪


「本当だな。こんなに心が踊り、名誉に思う鑑定依頼は、なかなか無いなぁ」マク・ロムダンは、にこにこ顔で娘に同意する。


親子は、心底の驚愕に巻き込まれてしまう事を、知る(よし)もない。



◯ ◯ ◯




カポカポカポカポカポ


馬車は教会神殿の敷地内に入る。


ぞくり


え?なに?


カヤネ・ロムダンの感覚に何かが触れ、背筋に走るものがある。


彼女は美しいオッド・アイを、見えて来た神殿に向ける。


何故だろう。以前の来訪時より……新しくなって無いかしら?!


さらに、周囲を見渡す。


そして……教会敷地内が……いかにも『神域』にふさわしい、清々しい神気が増してない?!


箱馬車は、教会神殿の迎賓館ロータリーに侵入する。


ロムダン両替商親子は、教会神殿迎賓館の玄関前に降り立つ。


え?なに?


カヤネの足は、その場にすくみ上がり、一歩が踏み出せなく成る。


恐怖では無い。


迎賓館の多分奥から感じられる、余りにも神々しい神気に触れて、恐れ多くてすくんでしまったのだ。


「御父様……」彼女は、父親に向けて、情け無い声を出す。


マク・ロムダン、は笑わない。娘の鋭い感性を知っているから。


「だいじょうぶ。さぁ、拝見しに行こう」父は優しく、大きな手を、娘に差し出す。


「はい」カヤネは、大好きな父の手を取る。手の温もりにはげまされ、一歩を踏み出す。


御読みいただき、ありがとうございます。




次回更新投稿は、3月17日(木)を予定して居ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ