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1-38.炊き出し(2)

「ライガです♪」

「サイガです♪」

「「セルガ義姉様に憧れて、タイ・クォーン教会の神官見習に成りました♪」」

「「先年、やっと、第一守護天使ワードマン様の祝福を受けられました♪」」

「「ガンガンと魔族を、折伏して行きまし!!」」


みすぼらしい御揃いのフードコートを被る、夫婦らしきペアは、両手を軽く突き出し、ヨロヨロと幼児達に近付いて来る。


いいい、なななな、あぁああぁ……


かわ、いいぃ、い、なぁあぁあぁぁ……


動きは緩慢だが、視線は幼児達を、ピタリと見据えている。




「みんな。私は御仕事をするから、暫く大人しくして居てね♪」武良は和かに、幼児達に、語り掛ける。


「「「「「は、は〜い……」」」」」急な魔族出現に、幼児達は怯える。


武良はメリーゴーランドの動きの回転を落とし、優しく幼児達を集め、身構える大人達の背後に降ろす。


しかし、何で急に魔族化を? 兆候も何も無かったよな。


タキタル隊長の御話ノ、『魔族種子』ガ、つい今、発芽を始めた様子ですネ。魔族波動が弱いのデ、『半人半魔族』の状態でス。つまり『魔族種子』のままでハ、魔族波動は感知不能でスネ。


そうか。まだ、『半人半魔族』か。それならば……『竜眼』を起動!!


武良の瞳は一瞬、竜の眼に変わる。


魔族に成り掛けの二人に注目する。直ぐにAR表示が立ち上がる。


ふん。夫のロニー・マクソンと、妻のペルカ・マクソン。反公爵運動に参加のロニー・マクソンは、三年前に領軍の『反公爵狩り班』に追われ、夫婦で逃亡。それ以来、反公爵組織や関係者の家を転々として、夫婦で反公爵活動を行って来た。反公爵が、何故『魔族種子』を?。子供は二人。姉弟で、タイ・クォーン教会孤児院の建物入口に『捨てる』 え!? 名は『ハール』と『レイ』


武良は、孤児達を振り返る……ここに『ハール』と『レイ』は居ない。そうか、この集団は、もっと幼いか。

マクソン夫妻に、向き直る。

しかし教会孤児院に、『ハール』と『レイ』が生存の確立は高い。

何とか、夫妻の体内から、『魔族種子』だけ駆除出来ないか。

家族四人、再開させてやりたい!


隼。二人の『魔族種子』の位置を、探れ。先ずは其処(魔族種子)を、叩こう。

了解。


マクソン夫妻は、じりじりと進んでは居る。が、半人半魔族の状態の為なのか、特に周りを攻撃する様子は無い。


隼。二人を拘束しても、大丈夫そうかな?

刺激し過ぎないようニ、注意しましょウ。魔族種子ガ、人間の筋力をフルパワーヲ出させてしまうのデ、筋腱を破壊して仕舞いまス。

了解。


「「魔族!! 浄化する!!」」


そんな繊細な対応を必要とされる場面に、如何にも双子のタイ・クォーン教会の神官服を着た、ティーンエイジャー美少女二人が、六尺棒を構えて、掛け声をハモりながら武良の両隣りに立つ。


「ちょっと待った! 手を出さ無いでくれ!!」

武良は、両手を左右に広げて、両側の美少女を制止する!!。


「「何を言うの! 今少ししたら、皮を破って魔獣化が始まるのよ!!」」双子は、ハモりながら、わめく!


「この二人は、マクソン夫妻! 孤児院の『ハール』と『レイ』の両親だ! まだ『半人半魔族』状態だ!! 必ず戻す!! 助ける!! 手を引け!!!」


「「え!」」


「ライガ! サイガ!! 武良様の指示を受けなさい!!」


「「あ、セルガ義姉様……」」双子は、六尺棒を引く。


隼! 拘束!!

了解!!


マクソン夫妻の動きが、止まる。プシ! 二人の身体の彼方此方から、血が吹き出る!! まずい! 筋腱が全力だ!


『魔族種子』! 特定!

よし。サウザン・ハンズ・テレキネシスを、触手状に絞って、二人の体内に侵入!!

侵入!!


マクソン夫妻は、同時にビクンと、引きつる。


『魔族種子』に侵食開始!!


マクソン夫妻は、ガクガク震え出す。


悪魔素を聖魔素に『転換』!!


マクソン夫妻の身体の内外が、青く光出す。


わわわわわ、わー

はわわわわわわわわわー


シュワー


マクソン夫妻の身体から、紅い靄の様な淡い光が、立ち昇る。


二人の動きは、完全に止まる。


悪魔素は消エ、『魔族種子』ヤ、全身への悪魔触手は消えましタ。マクソン夫妻ハ、測定上『人間』に戻りましタ。

よし。安静にさせ様。


「セルガさん。二人を安静に、寝かせられる場所はありますか?」


「ポーラ。馬車は空いてる?」


「はい!」


「武良様。此方です!」とセルガさんは先頭で、後ろの馬車に向かう。


バサッ


セルガさんは、魔法? で幌馬車の後ろのカバーを上げる。


武良はテレキネシスで、二人を幌馬車の荷台に、そっと搬入する。


武良は、直ぐに荷台に飛び乗り、二人のヴァイタル・チェックを始める。


「……良し、ヴァイタル正常。脳波・脳血流も正常だ……後は、救護院で安静にして貰おう」


「良かった♪ 『ハール』と『レイ』にとっても♪」

セルガさんは、幌馬車の荷台入口の外から、安堵に微笑む。


「はい」武良も、やれやれと、微笑む。


リンゴーン リンゴーン


おう? 『侍』クラウド経由で、『侍』管制室主任岡崎からだ。


『おう。オカ。どうした?』


『おう……ひとつ、報告が有る』岡崎の、何時もの渋い落ち着いた声が、脳内に聞こえて来る。


『お、おう』しかし、岡崎の僅かな緊張を、感じる。


『いいか。あのな……』


『え!』「何だと!!?」武良は、思わず声に出して、叫ぶ。


セルガさんは急に叫んだ俺を、碧眼を真ん丸く見開いて、荷台の外から見詰めていた。


御読み頂き、ありがとうございます。


次回投稿は2月11日(木)を予定して居ります。

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