1-28.接待
「ねーえ。カルナぁ♪」
セルガが、カクテル・グラスを片手に、カルナに近付く。
「な、なんですか?」
しらふのカルナは、酒の香りを発散させた御機嫌なセルガに、警戒心を抱く。
「この酒場で、『文豪になろう』の『うぇぶさいと』を、見せてもらったのよねー♪」
「はぁ」
「どぇー。カルナの『小説』はー、何処まで書き上がったかしらん?」
ぼん!とカルナは、音が聞こえそうな程、一瞬で真っ赤に茹で上がる 。
「んー。この際、匿名で『投稿』して見たら♪異世界での新たなハッテン、いや『発見』が出来るかもよー♪」
(殺す。コイツ、いつか殺す)カルナはセルガを、細めた目で見詰める。
ぐいー
竜神は、ピッチャーに並々と継がれたバーボンのストレートを、一気に飲み干す。
「これも、テルメン!」
竜神は、ものの30分で6種で6杯目のピッチャーを開けたが、全くの平素で、満面の笑みを浮かべて居る。
次の樽の注ぎ口に、向かう。
樽で用意しといて、良かったな(汗)
はイ(汗)追加を発注して置きまス。
宜しく。
武良は中央の丸テーブルに、スモークしたサーモン・牛肉・豚肉・鳥肉・マトン・ソーセージ・チーズ等を、ズラリと並べて見た。
「この、チーズの『すもーく』は、良い『アテ』だの♪」
並々と注がれたピッチャーを片手に笑みを浮かべながら、竜神の口はモシャモシャ可愛く動いて居る。
「本当ですね♪この赤『わいん』に、合いますね♪」副司祭メルダも、満面の笑みで、ワインを嗜んで居る。
「ほくほく♪熱つつ♪ちいず、美味し♪」
「母さん。この『たばすこ』を、少し垂らすと、辛旨いわよ♪」
女性警護人のラナとカルナは、流石に勤務中なので酒無しだが、ピザをいたく気に入り、既に一人が丸々3枚を胃に収めた。
無論、勤務後に飲む為の、バーボンとワインと日本酒を、それぞれにニ瓶ずつ進呈済みだ。
しかし、コッチの方々は、基本で蟒蛇だね!
はイ。発注単位ヲ、増やしまス!
横でセルガさんは、既に5杯目のカクテル・グラスを左手に、スモーク・サーモンを右手に摘まんで、にこにこと嗜んで居る。
『まー♪こんなに美味しいなんて♪』
セルガさんの『味覚』に便乗して居る聖魔核の頭脳が、感嘆の声を、セルガさんの胸元であげる。
「でしょう♪ でも、『まんどぅりん・ばー』の雰囲気も好き♪いずれまた、御邪魔したいですは♪」セルガさんは、幸せそうな、遠い目をする。
『どれどれ♪!?何と言う大都市!!』ケルシーは、セルガさんの記憶の映像を認識したのか、感嘆の声を、再度あげる。
「ケルシー。その立体映像を、この空間に投影出来るだろう♪映して見ておくれ♪」武良は、微笑みながら、提案する。
『え?実行した前例が、ありませんは』ケルシーは、戸惑う。
『こうでス』隼が、進言?する。
『ま、まぁ。こ、こうですの?』
室内が、マンドゥリン・バーに変わる。
「「「おおっ!」」」
静止画だが、窓の外には摩天楼の夜景が、景勝地の様に展望出来る。
「本当だ、建物の林が、水平線まで続いて居ますね」女性警護人ラナは、感嘆する。
「!アレが、『すかいたわー』ですね!!」若い女性警護人カルナは、嬉しそうに叫ぶ。
視線の先に、水平線に一際高い『スカイタワー』が、聳えて居る。
「……これが、笹木武良の暮らす世界か……」竜神様は、感心した様に、つぶやく。
「……繁栄されておるな。しかし、『血の紛争』は、ほぼ無いのだと?」竜神は、巨大なピッチャーを片手に、武良に問う。
「はい。あの建物の明かり一つひとつの中で、庶民は一人ひとり、『自ら選んだ仕事』に、邁進して居ります」武良は、にこやかに答える。
「ほう。御主の世界は、仕事は自らが選択出来るのか」
「はい。例えば、召し上がられて居られる御酒ですが。数多くの『旨い酒を造りたい人族』の集団が有ります。彼らは集団毎に、自由に競い合い、切磋琢磨し、酒の味を競い合います。自ずと、酒の味は、向上します。結果、最上に旨い酒に、庶民達は自ら稼いだ金で、購入します。もちろん、不味ければ、売れません」
「むぅ。そうか。農作物を、庶民達が『自らの判断』で、丹精込めて育て、より旨い『農作物』として収穫し、商売で競う……事か」
「御意。正しく『より良いモノを』と言う精神は、世界や種族が違えど、同様かと」
「しかり、しかり」ぐびりと、酒を飲む。
「この酒は『良い仕事』を、しておる♪」琥珀色の液体を、眺める。
「『良い仕事』を継続するには、庶民が安心して仕事を日々継続出来る、『弛まぬ平和』の継続が、必要です。我々『侍』は、彼方の世界でも『弛まぬ平和』を、日々維持することに務めて来ました」
「………」竜神ニーズヘッグは、静かに、武良を見詰める。
「ワードマンさんや、セルガさんには話しましたが、こちらの世も、庶民が安心して『明日の約束を、叶えられる』世界に致したいと、願います。そうなれば庶民は自ずから仕事を編み出し、日々仕事に邁進し、産業革命が起こり……所得は向上します……自然と貧困は、治まります」
「……笹木武良。我は、御主に合力したい。御前と共に働ける事は、楽しそうだ♪何時でも我を、呼び出すが良い」竜神ニーズヘッグは、楽しそうに述べる。
「ありがとうございます」武良は素直に、竜神に首を下げる。
「うぇ!竜神様自ら、召喚権を御許しに成るなんて!」
「そりゃぁ、そうでしょ。紛争無しで、私達庶民の力を高めようと言うんだから」
「……笹木武良様の御活躍に、私も合力させていただきたいなぁ……」
「本当ね」
メイド達の囁きが、止まらない。
『……笹木武良様』ケルシーも、武良に声を掛けて来る。
「うん?何だい、ケルシー」
『ごめんなさい。私が浅はかでしたは。そんなに先まで、庶民の事を考えて居られる何て。私は、王侯貴族に拘り過ぎました』
「あぁ。大丈夫。王侯貴族にも、勇者系譜にも、キチンと喧嘩を売るよ♪」
「「『えっ!』」」
「特権階級にも、一度痛い目に合って貰わないとね。死線を覚えれば、考え方も変わるでしょ。そして庶民の人権を認めさせ、権利を拡大して貰わないとね♪」武良は、満面の笑みで、宣言する。
「ふむ。笹木武良。御主に、刺客や軍勢が差し向けられるぞ」竜神は、心配そうに訝しむ。
『そうですは!一流の刺客達が、集まりますは!』ケルシーも、武良を、心配そうに述べる。
「あぁ。召喚されたその日に、刺客集団が来ましたよ♪」武良は、事も無げに言う。
「「「『えっ!』」」」
「丁度良く捕らえられたので、勇者系譜の事を、諸々教えて貰いました。また、もう『不問だよ』と、それぞれの里に『刺客達』を引き取る様に伝えたのですが……未だ返事無いのですよねー。引き取って欲しいのに」武良は、やれやれ、な表情をする。
「「『………』」」事情を知ってる、ワードマンとセルガ以外は、皆、某然として仕舞う。
ガッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ♪
急に竜神ニーズヘッグは、腹をかかえて、高笑いを始める。
「くっくっく♪イイぞ、笹木武良!自慢の刺客達が、笹木武良ひとりに傷一つ付けられず、逆に簡単に捕らえられたのだ♪今世の一流の刺客達がだぞ!それぞれの里の、海千山千の爺達の、驚き茫然とした顔を、眺めてみたいの♪!!。おう、そうだ。御主は、魔人も一撃したの!王侯貴族が、どれだけ多くの軍勢を御主に差し向け様とも、無駄だと証明したわ♪ガッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ♪」竜神は、わるい笑顔で、悦んで居る。案外『腹黒い』ね。
「はい♪それで、私が他業中に、魔族や軍勢が教会に来られても困りますので、聖魔核を調整・増強させて頂こうとした次第です」武良は、にこりと笑う。
「しかり、しかり。笹木武良の理は、正しい。納得したぞ♪何か手伝うか?」竜神は、にこやかに、武良に伺う。
「ありがたい申し出、いただきます。あー。他意はありませんよ。『セルガさん×ケルシー』の組み合わせは……」セルガさんを、横目で見ながら、述べる。
「デメヌ!『いけいけ×どんどん』ではないか!それは想像ダケでも、デカンタ!!」竜神は、ガチ焦る表情に成る。
「『えー』」
いけいけ×どんどんの、不満声が、ピタリとハモる。
「何か、暴走対策は有るかの?」竜神は、真剣な声音で、問う。
「はい。副司祭メルダさん」武良は、メルダに声を掛ける。
「は、ひゃい!!?」にこにこと、話を拝聴して居たメルダは、飛び上がる。
「現実の組合せを、取り込もうかと」武良は、ニヤリと笑う。
「サイデン!『副司祭×副人工脳』を、『いけいけ×どんどん』に添えるか!それは、良い制御装置だの♪」竜神は、にこりと笑う。
「わかった。副魔核は、我が都合しよう♪」にっこり請け負う。
「はい。竜神様の御知恵を御借りして、増強計画を再設計したいと思います」
御読み頂き、ありがとうございます。
登場人物達は、なかなか「描写したい方向」に、動いてくれません。
御意見・御感想を、下さいませ〜御願い致します。
次回は……1月19日を、投稿予定にして居ります、んが。
話が、まとまらなければ、20日に投稿させていただきます。
宜しく御願い致します。




