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Bat Apple  作者: みすま
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第11話 恋は盲目、攻撃されたら吊り橋効果

ギルド職員のフィルさんと、冒険者が盗品売買に関わっている可能性が出てきたため、一軒一軒地道に卸業者を回っていた。

一か所は、バンスク村の村長の幼馴染が経営している店で、3ケ月前にも納品があったらしく、納品量は1年前と比べると少なくなっているらしい。村の事情も分かっているみたいだった。


4,5件ほど回って、探し求めていた業者を見つけた。

しかも、出荷元と本人の名前を偽ることなく、あいつは見た目通り馬鹿な人間だった。


「…確定ね。ユウ君はこれからどうするの?」 


「村に戻ります。フィルさん、状況によっては討伐して良いんですよね?」


「依頼主が望むのであれば、犯罪者だし問題はないわ。依頼自体が無くなれば違約金が発生するし、村にとっては、どちらを取ってもデメリットでしょうけど」


「…わかりました。ありがとうございます、明日になると思いますが報告し行きます」


フィルさんと別れ、町を出ようと歩いていたら、今にも潰れそうな店から、聞きなじみのある声が聞こえた。まさかとは思った。


5分位前 【古本屋】にて遥は『魔法の本初級』を立ち読みしていた。


「おじいちゃん、これいくら?」  「3万だ…やっと買う気になったのか?嬢ちゃん」


「こんな効率の悪い事ばかり書いてある本が、3万?『魔法の本中級』はいくら?」


「8万だ…効率悪い?…嬢ちゃん、本の内容…頭に入っているのか?数分立ち読みして、理解したのか?」


遥はとぼけた。内容は解ったし、理解もした。その上で本の内容に、効率が悪いと発言した。

しかも本を買わないで。買わされる、この無意味な本を。でも気になる、『魔法の本中級』。


「嬢ちゃん…立ち読みして、買わないで本を内容を理解したのか?」


小娘相手に圧をかけるじじい。そんなタイミングで遥と合流した。


「遥?こんなところで何やっているんだ?」  「あっやべぇ。…ゆう君探したよ」


こいつ今、やべぇって言った?事情を聴いた俺は、3万の本を買ってこの場を収めようとした。じじいはそんな事はしなくて良いといって、俺の支払いを拒否。

代わりに遥にある提案をしてきた。


「その本見て、どの部分が効率が悪いと思ったのか、教えてくれないか?」


「どの部分がって全体的にかな?うーん具体的に言うと魔力を無駄に使っているところかな?」


遥の話を要約すると

遥が魔法を1で発動できるところ、本の内容では同じ魔法を5で発動させていることになる。

加えて魔法の持続時間、例えるなら同じの荷物(大きさ、重さ一緒)を持つとき、腕を伸ばして持つのと、体にくっつけ荷物を包むように持つ、どちらが疲れやすい?とのこと。


「そうか…その本書いたのは、ハーゲン=グロウ。わし本人だ」


遥…本の著者を前にしてそんな暴言を…。でもじじいは怒っていない。


「わしが得意なのは、攻撃魔法でも支援魔法でもない、刻印魔法じゃ。効率は悪いかもしれないがな。嬢ちゃんが効率を提供、わしが刻印魔法の技術を提供で手を打とうじゃないか?それで本の代金もチャラでどうだ?」


遥を見ると嬉しそう。この取引に俺の出る幕はないと思った。今日は時間が無いため、後日改めて伺うことを約束した。魔法の本2冊を頂いて、バンスク村に向かった。

村に向かう途中、そもそも何でバレッタの町にいるのか、マーカスはどうしたのか聞いた。



遡ること1時間前 バンスク村


なかなかマーカスに、見つけてもらえない遥は、ゆうと別れたベンチがある場所に戻った

ベンチの付近で待機していた遥、しばらくして遥のことを村中探し回って、息を切らしたマーカスが誘い込まれる。こんな狭い村で何やっているんだよ?地元だろ?早く見つけろよ?などと思ったとか、ないとか。


「遥!!何かあったのか?」


・後に遥はこの時の事を語った。(口調はイメージで実際には発言していません)

おめーに名乗った覚えないんだけど?あれだろ?どうせゆう君が、私の名前呼んだから、知ったんだろ?彼氏みたいな口調で話しかけるな。


「遥…泣いているのか?俺、力になれるか?遥の力になりたいんだ。遥のためだったら、何だってする」


・後に遥はこの時の事を語った。(口調はイメージで実際には発言していません)

遥、遥ってうるさいんだよ。何?呼び捨てに呼んで大丈夫かどうか確認してるの?

答えはノーだよ。

偶然を装っていますけど?私たちのお芝居を見ていたお前も、私たちから見られていたんだよ?

力になる?なんでもする?あ~言ったな?今言ったな?じゃあ口を閉じろ!!できないんだったら…素っ裸で村中を走りながら、俺が畑泥棒ですよ~って自白しろ。


その時、私は思った。相手をゆう君だと思えばいいんだ。魔法はイメージ、私の得意分野。そう、そう思い私はマーカスの方へ振り返った。


「ごめんなさい…わた…」


「やっぱり……。あいつかあの自己中やろうが…。おのれ~俺の遥を傷つけやがって」


・後に遥はこの時の事を語った。(口調はイメージで実際には発言していません)

ダメだ~自己暗示していたのに、目の前の汚物を見たら、爆散のイメージしちゃった~魔力込めなくて良かった~あっぶねぇ~。

それに今、私喋ろうとした~それなのに被せられた~。もうやだ~こいつやだ~。

あと、何?自己中?今すぐ家に帰ってこう唱えろ。鏡に向かってこう唱えろ。寿命が尽きるまでこう唱えろ。自己中な人間ってどんな人間?と。

俺の遥って…ふふっ…俺のって……。もう…シンプルに死ねよ。



そして現在 バンスク村へ向かう道中 怯える男子と、女子を呼び捨てにする男子に圧をかける女子



「ごめん遥…さん。その…遥…さんの気持ちも考えず。本当にごめん…なさい」


「遥さん?ゆう君は良いんだよ?マーカスじゃないんだから、ゆう君は良いんだよ?汗すごいよ?」


「うん…。すみません」


怖いよ、この子怖いよ。マーカスって名前のイントネーションが強いよ~。


「それでマーカスは大丈夫なの?その…生きているの?」


「何で私が攻撃した前提で話すの?…ふうっ…ちゃんと誘導したわよ」



バンスク村 自己陶酔マーカスと内なる悪魔を抑える女子


「私もうダメみたい…あの人が分からないの」


「遥、何があったか話してくれるかい?」


「えっ…えー。あの人が、今日もし畑泥棒が出て、取り逃したらでもしたら俺たちはパーティー解散だって…」


「なっなんだってー。どうしてそんな?」


マーカスは遥の肩に手をけようとした。瞬間…遥は、自分の肩へと伸びる腕を片手でひっぱり、もう片手で襟ををつかみ、振り返り、その勢いで相手を投げ飛ばした。有識者は語る…背負い投げと。



「投げ飛ばしたの?攻撃してるじゃん」


「危なくなったら攻撃していいって言われました。ゆう君に…」


「…反論できねえ」



マーカスを地面に叩きつけて、遥は何事もなかったように語る。


「仕事失敗したら、お前はここに残って、村の人と結婚でもしろ。相手はそうだな村の中で権力があって、長男?あたりが…お前にお似合いだ。高級腕時計を身に着けていたら尚良しって…。わたし…」


俺は顔を手で覆っていた。犯罪に偽名使わない馬鹿だけど、さすがにそれは…。


地面に倒れていて、仰向けのまま遥の話を聞いていた。

誰が見てもその男は興奮していた。世界中探しても俺しかいないと、確信している笑みだった。


「…そんな…ふふっ…村にいるのかな?どっどんな人なのかな。名前にマって付いてそうだよね?」


「………そっそうね。とにかく今日、畑泥棒が来て野菜を、全部丁寧に盗んでいったら、私はここに残って結婚。今日、丁寧に盗まれたらよ」


「わかった。遥、待っていてくれるかい?」


俺は覆った顔を天に向けていた。犯行予告を手紙じゃなく、口頭で…。マーカスよ…。


仕事を終えて宿に戻って、一人はつまんないなって思って、ゆう君のもとにはせ参じました。


遥、古本屋に居なかったっけ?

遥は頭がいい、視野も広い、だから…だからこのクオリティで大丈夫と思ったんだろう。


でも、この感じ今日犯行を起こすはずだ。

今までの畑泥棒がマーカスじゃなくても、彼が犯行に及んだらすべて彼の責任になる。

まぁ、その証拠もこっちが持っているんだけども。


俺がいた世界だと、俺と遥は【教唆犯】にあたる。

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