3 時空を越える魔法
ロザリアが青ざめている事を心配してマリエールは御暇しようかと尋ねる。ロザリアはもっと詳細が知りたくて旅人に続きを聞いた。
3 時空を越える魔法
マリエールはロザリアが青ざめているのに気付いて、ロザリアに声をかけた。
「気分が悪いの。御暇しようか。」
ロザリアは首を振って、
「時空を越える魔法と聞いて驚いただけよ。大丈夫、続きを聞かせて下さい。」
旅人は、
「詳細には知らないんだ。此処から1000km南の街を旅している時、街のオマールの言う人が時空を越える魔法を取得したと聞いて訪ねてみたが留守だった。何時戻るか。家の人に尋ねたけど判らないと答えられたから私は諦めたが知りたい人には諦め切れない魔法だと思うよ。時空を越えてやり遂げたい事がある人ならばだがね。」
ロザリアは、
「何故私達を呼び出して、時空を越える魔法について教えて頂けのか理由を教えて頂くことはできますか。」
旅人は苦笑いしながら、
「君が転生者だからさ。異世界で死んでこの世界で君になったなら
もう一度自分の住んでいた異世界に戻ってやり直したいと思っているのではないかと思っただけだよ。」
マリエールには2人の話しが良く判らない。
「ロザリアって違う世界から来たの。」
ロザリアはマリエールに変に思われたくない。
「そんなことないよ。私はあなたの妹だよ。去年の秋から魔法が使えるようになってちょっと変わったかも知れないけれど。」
こんな言い訳で通用するのか。マリエールは、
「ロザリアがその時空を越える魔法が必要なら私も付いて行くわ。どうせ、ロザリアに救ってもらった命だもの。惜しくわないわ。」
マリエールほどの美少女、今世でも前世でもあった事がない。美少女で性格がいい。前世で新石器時代の人間は猿のような人間だと思っていたがこの世界は違うらしい。猿のように見える人はいるがマリエールは違う。まるで天使のようだ。こんな事言われて心が動かないわけがない。
「そんな魔法があったら、色々なところに行けていいなと思うくらいなものさ。1000kmも離れていてはおいそれとはいけないし何かの都合があれば行ってみたいなと思う程度さ。行く時はお姉さんも誘うよ。」
ある意味正直な思いだ。あの世界が終わった日私は恋をしていた。この世界に転生した時そのことは覚えていたが詳細な記憶がない。恋人の顔さえうる覚えだ。死んで即座に転生したのではないのだろう。恋人への不明瞭な思いよりもマリエールへの明瞭な思いの方が大切なような気がする。あの世界のあの日を戻りたいのか自分でもはっきりしない。
「今直ぐじゃなくていいのね。少し安心したわ。この村も心配だし家族のこともあるでしょう。でもロザリア次第よ。あなたが行くと決めればそれが最優先よ。」
なんていい姉がロザリアにはいるのだろう。ロザリアには自分がロザリアかどうか半信半疑だ。普通の転生者なら転生者である事がはっきり自覚できるのだろう。しかしロザリアは通常はロザリアだと思っている。今のように転生者だと思い知らされる時だけ転生者なのだ。
とにかく旅人にできるだけ細かい情報をもらって、いざという時困らないように準備した。
ロザリアにはあの世界の最後の日、恋人がいた。その事は転生しても覚えていたが曖昧だ。きっと死んで直ぐに転生したわけではないのだろう。




