2 付与魔法
今年の収穫が例年よりも少ない事は判った。ある日ロザリアはマリエールを狩りに誘った。付与魔法があればマリエールも魔法が使える。
2 付与魔法
今年の収穫は木の実が採れた事と時々熊が狩れた事以外は平年に比べてかなり落ち込んだ。例年に比べて日照時間が極端に少なかった事と冷夏だった事が響いたのだろう。狩りも思う任せず、森の恵みも少なかった。このままでは飢え死にする者も出るかも知れない。それを避けるため姥捨が行なわれるかも知れない。いずれにしても放っておけない状況だ。
ある夜ロザリアはマリエールに告げた。
「私が一緒にいれば付与魔法が使える。付与魔法で空を飛び攻撃魔法で魔獣を倒し収納すれば、村人が助けられる。アイテムボックスは私と共有だから魔法が消えても問題ない。時間経過がないから何時までも持つ。どう北の草原にオークを狩りに行かない。」
北の草原のオークは狂暴なので有名だ。特に今年は何時も以上に気が荒いらしい。ロザリアは、
「大丈夫よ。空から魔法を当てて収納するだけだから。」
そう言われれば断る選択肢がない。その晩から北の草原にオークを狩りに行った。魔法を使えば視力も上がりオークの姿がはっきり見える。教えられた通り、
「ウィンドウカッター、収納」
順調にオークが狩れる。ロザリアは、
「付与魔法は与えた魔術師に準ずるから同じ力の魔法が使えるんだ。攻撃魔法も収納もあまり実感できかも知れないけど相当強い魔法なんだ。倒しさえすればドラゴンも収納できるよ。」
北の草原のオーク達は大混乱だ。逃げ回る様子も判る。
それから毎晩狩りを続けた。寒さが峠を迎える頃村長は村民を集めて、
「皆も知っての通り、今年の収穫は良くなかった。このままでは餓死者がでるかも知れない。それで止むを得なく姥捨をするしかない。家族も本人も辛い事だが、諦めてくれ。対象者は本人と家族に伝える。」
ロザリアは手を上げ、
「オークを100頭狩りました、時間経過のないアイテムボックスに入れておけば新鮮なので保管してあります。必要な時は何時でも仰って下さい。姨捨は必要ないですよね。」
村長は提案を撤回した。村長はロザリアに、
「狩りはしないのではなかったのではないか。」
と尋ねた。ロザリアは、
「親しい人のためですから。」
と答えた。
それからマリエールとロザリアは狩りを正式に行ない、村の食料にした。お陰で村は誰一人として飢える事なく春を迎えた。春を迎えればマリエールは裁縫、ロザリアは山菜採りをするはずだが、引き続き狩りを行なう事になった。
旅人がやって来たのはそんなある日だった。狩りから帰ると村長から呼び出された。そこで旅人にあった。旅人から2人はケーキというものと紅茶というもの饗された。旅人は、
「長く旅を続けていると珍しい物を沢山見る機会があるが、転生者が姉に付与魔法をかけている例は見たことがなかった。珍しい物を見せてもらったお礼にとっておきの情報を教えよう。時空を越える魔法の事だ。妹さんには心当たりがあるのではないか。世界が終わるその日の記憶が君にはあるはずだ。そして時空の魔法でこの世界が終わるの止めさせたいと思っているはずだ。」
マリエールには何の事か判らなかったがロザリアの顔が青ざめるのは判った。
村長が姨捨の提案を行なった。ロザリアはオーク100頭ある事を伝えて提案を撤回させた。マリエールとロザリアは狩りをする事になった。




