万世階級 1
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「今のままじゃ絶対に求段へと到達することは不可能だ」
そう言って告げられる現実に、俺は目の前が真っ暗になる。
「――――」
せっかく新しいセカイで、しかも俺好みの素晴らしいセカイなのに。スキルが習得できないってどうゆうことだ……
「だが、落ち込むにはまだ早い。とても面倒くさいんだが……セージ、お前はそれでもやるか?」
そんなの答えるまでもない。求段が使えるようになるんだったら――
「なんだってやるよ。盟友と約束をしたからな……」
「ふっ、そうか。お前ならそういうだろうと思ったよ」
ため息を吐き、呆れたような……だけれども嬉しそうな。凛子からはそう言った感情があふれ出す。
「セージ。お前はこのセカイに生きるための初歩中の初歩すらできていない。ゾンビを殺す才能。いいや、戦う才能は私以上かもしれん。ゆえに――」
紡がれる言葉にドクンと心臓が波を打つ。仮にも凛子は戦闘のプロフェッショナル。そんな奴に戦の才能は自分以上だと言われて平然としていられるわけがない。
凛子から発せられる不思議な重圧に身体が氷のように固まってしまう。だがこれは決して嫌な圧力などではなかった。むしろ、期待しているぞと言った先輩からのエールのように感じられる。
「お前には、まず――"継段"を習得してもらう。……これが出来てもらわないと、話が進まない。セージ、これを死ぬ気で覚えろ」
継段。……なんだか、求段よりもしっくりくる言葉だ。
「ああ。因みにこれはセカイに馴染んだ者なら誰だって使える技法。ゆえに、そう難しいものではないよ。ただまあ、少しばかりコツはいるが」
言って凛子は腰にかける日本刀に目を向けた。
「継段の顕象は求段に比べてハッキリ感じとれるはずだよ。自分にその才能があるのかどうかってことに――」
継段とはすなわち、己の渇望を武器として具現化させたモノ。
この位階は求段と比べて対して差はないのだが。段階的に見てみると、この領域は絶対に突破しなければならない。生きていくために、先ずは己を護るためのイメージが必要なのだということ。
「そして言い忘れていたが……この位階。私は階号と呼んでいるのだが、恐らくこれは四つの段階に分けられていると考えている」
「継段や求段のほかにまだあるのか?」
「ある……と断言してやりたいが、すまない。私はまだ三段階目までしか到達していないんだ。確証はないが、多分その上にも何かがあると思う」
継、求。そしてまだ未知の位階。そんなの想像しただけで――震えが止まらない。その頂に座すればもう。王と言っても過言ではない。
「三段階ってことは。まだほかに……?」
こくんと頷き、言葉を紡ぐ。
「――如段。それは継よりも下の位階。これはセカイに生き残った者たちは自動的に習得させられるものだ。分かり易い例で言えば、ステータスが見れるようになったこと。さらにレベルという概念に縛られてしまった末路だ」
なるほど。つまりはもう、俺たちの知らないうちに自動的に習得させられている、ということか。
「順列でいうと、如段、継段、求段。そしてもう一つ、未知の位階を合わせて――またの名を"万世階級"と、呼ばれている」
ゴクリと生唾を飲み込んだ。着々と人間を止める一歩手前まで足を踏み込んでいる。これはもう、継の段位を習得した時点で――争いは避けられないと感じていた。いついかなる時に、求の段位の上を求めて襲い掛かってくる輩が現れないとも限らない。
現に白哉はそうだった。戦を求めてを彷徨う亡霊。まさにアイツが、歩く巨大喰鬼軍団だったように。襲い掛かる世者たちの猛攻に耐え忍ぶことが出来るのは――同じ格を持つ己だけ。
「それじゃあ、まず私たちは――継段。そして求段。という感じですか?」
ゆえに、なんとしてでも習得しなければならない。
「ああ。もしかしたら、つくねはもう既に、求段突破の条件をクリアしているかもな」
言って告げられる衝撃の真実。
「――えっ?」
にこっと笑う凛子に対し、俺は露骨に顔をしかめていた。
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