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開戦

街から数キロ離れた山間を、魔獣ベヒモスは街に向かい進んでいた。


一歩歩くたびにその巨体の重さから大地が沈み込み、揺れる。


この魔獣が街に到達すれば間違いなく壊滅してしまうだろう。


それを防ぐために2人の勇者が今、魔獣と相見える。


「こうして2人で戦うのは3年ぶりやねワカちゃん」


腕組みをしたクロトラは笑みを見せながら、隣のワカバに言った。


「こんな時だというのに、あなたは全く動じないのですねクロトラ」


少し呆れた様子でそう返すワカバ。


「当然、こちとらくぐってきた修羅場の数が違う。この程度ピンチでもなんでもあらへん」


「頼もしい限りですよ。これからレートS級モンスターと闘うというのに、全く負ける気がしない!!」


2人のが話している間にも、魔獣ベヒモスは一歩一歩歩みを進める。


魔獣との距離が300メートルとなり、2人の位置は既に魔獣の攻撃範囲内の位置である。


ゴアアァァァアアァァァ!!


魔獣は奇声をあげ2人に突進する。


ワカバは腰に刺した剣を抜き、臨戦態勢をとる。


クロトラも組んでいた腕を外し剣を手にした。


「まあちゃちゃっと終わらそうや、これが終われば美味しい酒と料理が待っとる」


「手は抜かない。初めから全力でいかせてもらう!!」




〜同時刻〜


紅葉、リリムの両者は悪魔と対峙していた。


「よお、会いたかったぜお2人さん。傷の具合はもういいのかい?」


「そちらこそ、2日前の傷はもう塞がったかな、致命傷だったはずだが?」


「おかげさまで、そんじゃあ決着つけようぜ」


「待て、そちらのお嬢ちゃんに話がある」


悪魔はリリムを指差し言った。


「私たちソロモン柱支団にはむかう、あなたはそれでいいのですか!?」


一瞬、リリムの顔が歪む。


リリムは紅葉に悟られまいと気丈な態度をとる。


「はあ…どういうことか全くッスね。人間が悪魔に刃向かうのは当然ッス」


「…そうですか………とても…残念です」


サリエルは魔力を身に纏い刀を抜いた。


強大な魔力でサリエルの周りの空気が黒ずむ。


「じゃあ死んでください。お〜嬢〜様ッ!!」


サリエルは地面を強く蹴って、弾丸の如きスピードでリリムに体当たりをする。


「ッッッッッグハ!!」


リリムの体は体当たりの衝撃で後方に弾き飛ばされ、サリエルはそれを追って走る。


「リリム!!」


すかさずリリムのサポートに入ろうとする紅葉。


しかし、それをウィネが遮る。


「行かせないよ、お前の相手は私だ!!」


ウィネは紅葉の背後から右脇腹を蹴り飛ばした。


蹴りをもろに受けた紅葉は木々をなぎ倒しながら数十メートルほど転がる。


「そーれもう一丁!!」


ウィネは倒れこんだ紅葉をもう一度蹴り飛ばそうとするが、紅葉はそれを間一髪かわす。


「あ…あぶねえ」


(まじかよ…コイツ2日前とはパワーが段違いじゃねえか)


「お腹いっぱい食べたからね、長時間の移動で疲弊していたこの前とは違うよ!!」


ウィネは近くにある折れた大きな樹をまるで棍棒のように振り回し紅葉に襲いかかる。


「ほらほらどうするの勇者モミジ!!」


「…ハハッいいねえ、この一筋縄じゃいかない感じ。面白くなってきたじゃねえか!!」


グシャッ!!


紅葉は、ウィネの振り回す大木を殴り粉砕する。


「魔力強化スキル発動!!」


刹那、スキルが紅葉の魔力が数段跳ね上げウィネを衝撃が弾き飛ばした。


その魔力はあくまであるウィネを軽々と凌駕する


「…クッこの魔力、お前は本当に人間か勇者モミジ!!」


苦笑いを浮かべるウィネ。


「…さあな、そんなことどうでもいいだろうが。それより…さっさとやろうぜ、楽しい殺し合いだ!!」


(待ってろよリリム、今すぐに行く!!)













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