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禁書はすべてを語る

とりあえず……


ひとっ走りしてハルカとの距離をとった。


ハルカとの距離は5・6kmってところか。


つーか……


範囲がキロ単位のかくれんぼなんて聞いたことねーぞ。


ハルカの奴ちゃんと俺を見つけれるんだろうな。


………。


あいつはもう俺のこと探し始めてるのかな。


まあそう簡単に見つかりそうもねえし…


ゆっくり散歩でもしてるかな。



〜三分後〜


町を散歩していると後ろからポンっと肩を叩かれた。


「紅葉くんみーーっけ!!」


「………は?」


振り返り見ると笑顔でハルカが立っていた。



おいおい冗談だろ?


それこそ町まるまる使ってかくれんぼしてるっていうのに……


見つかるのがあまりに早すぎるだろ。


まだかくれんぼ開始から十分も経ってねえぞ。


「……これが魔力探知の力か」


「そうだよ、だからこそ君にも使えるようになって欲しい」


確かにこれは強力だ。


これをうまく応用すれば六km先の敵を奇襲することもできる。


他にもいろいろと応用は効くだろう。


「………ッフハッ、スゲえ…スゲえ!!」


ヤバイ、にやけるのが抑えらんねえよ。


なんでもあり過ぎるだろこの世界。


「それじゃあ今度は紅葉くんが鬼ね」


「オーケー…コツを掴んでお前のことなんてソッコー見つけてやるよ」


「ふふ…期待してるよ」



〜三十分経過〜


さてと…ハルカのやつを探すとするか。


でもこんなに広いとどっから探せばいいのやら。


魔力を感じるって…そもそもどうやるんだ?


俺こっちの世界にきてまだそんな経ってないしなあ。


魔力の方はめんどくさいし、初めはハルカの容姿から考えるとするか。


ハルカの容姿を思い浮かべる。


あいつは赤髪のショートヘア、胸は全くなくて身長も低い、クリッと大きい二重まぶたの瞳、顔は結構可愛くて…とても綺麗だ。


…よしこんなもんだろう。


次は魔力だ。


頭の中でハルカの魔力を再現する。


なんだ結構順調だな。


これならもしかして、案外簡単にハルカのこと見つけちゃうんじゃ………



〜さらに三十分経過〜


ヤバイ…全然コツが掴めん。


魔力…まりょく…魔力…町全体で魔力の数が多すぎる。


魔力は十人十色だ。


一人ひとり魔力の特徴、強さは違う。


だからこそめんどうなのである。


町には沢山の人間がいる。


その数はおそらす数十万ほどはいるだろう。


数万の人間の魔力が町には溢れかえる。


そんな中の一つの魔力を特定する。


今の俺ではそんな芸当、到底無理だ。


宝クジ当てるようなもんだ。


でもハルカは、この中からあの短時間で俺を見つけ出したんだよな。


…やっぱハルカはスゲえな。



〜午後五時〜


地平線に日が沈む。


制限時間だ。


「やあやあ紅葉くん。どうやら僕の勝ちのようだねぇ」


道の向こう側からハルカが歩いてきた。


あの後俺は、闇雲に町中を探し回ったが、ハルカを見つけることは出来なかった。


「うるせーよハルカ…ほっといてくれ」


「まあ気を落とさないで紅葉くん。修行は明日もあるんだからさ」


…明日もあんのかこの修行。


明日はちゃんとハルカを見つけられるかな…


………ハァ……





〜東の国国境付近上空四千メートル〜


私チルは、超級勇者のお二方とマリリアナ区に向かって空の旅をしておりました。


「あのーハルカさん、二つほど質問してもいいですか」


私がそうハルカに問いかけた。


「うーん…いいよどうぞ」


「どうして禁書なんて盗んだんですかー?」


「…そこに禁書があったから」


ウソなのです!!


そんな軽いノリで禁書なんて盗むとは思えないのです。


「…そうですか、じゃあ二つ目の質問…いいですか?」


「いいよ…はいどーぞ」


私にとって、一つ目の質問はそこまで重要ではありません。


だからウソだとわかっていても聞き直すようなことはしなかったのです。


重要なのは次の質問なのです。


「その禁書には、何が書いてあるのです?」


「……知りたいかい?」


「…はい、是非教えてほしいのです」


「…聞いてしまったら…もう戻れないよ」


「え…………?」


聞いてしまったら…戻れない。


それがどういう意味なのか私にはわからなかったけど……


そう言ったハルカさんの顔は、真剣で、またどこか哀しそうで……。


始めてなのですよ…こんな顔のハルカさんを見るのは。


「…き、聞かせて欲しいのです」


「……この禁書に書かれていることは『伝説の勇者』について。紅葉くんについての事が書かれている」


伝説の勇者について…


どうしてそんな書物が禁書なんかに?


「変だと思わないかいチルちゃん。異世界から来たはずの紅葉くんに強力な力が有るのか、なぜ紅葉くんが悪魔に匹敵するほどの魔力を内に秘めているのか………」



…言われてみれば確かにそうなのですよ。


人間とは到底思えない剛力に脚力。


異世界から来たはずの紅葉さんがどうしてあんなに強力な魔力を…。


「彼のチカラにはちゃんと裏がある。神様の気まぐれとかでは決してない。まあそのことを当の本人は知らないんだけどね…」


「…それはつまりどういう?」


「うーん…これについては説明してもらうより自分の目で確かめる方がいいと思うよ」


ハルカさんが懐から禁書を差し出してきた。


『人と魔と血族』


タイトルにはそう書かれていました。







































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