↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/77

悪魔

紅葉の後頭部を、凄まじい衝撃が襲った。

何が起こったのかわからず、紅葉はそのままぶっ飛ばされた。


「悪いわね狂犬君、この戦い私も混ぜてもらっていいかしら?」

透き通るような気品ある声が紅葉に問いかける。

その声の主、それは先刻までリリムとワカバをもてはやしていたローブを羽織った女。


「…誰だてめえ、人の喧嘩に茶々を入れやがって。…死ぬ覚悟は、できてんだろうなァ!!」

突如現れた謎の女。

そんなものもろともせず地面を蹴り、突撃する。


近くにあった大木を掴む紅葉。

大木は、メキメキと悲鳴を上げ、まるで雑草でも抜かれるかのごとく、いともたやすく地面から引っこ抜かれる。

そして、槍投げの要領で2トンはゆうにあろうかと思われる大木を投てきする紅葉。

大木の速度は、当然常人の目で追える代物ではない。



「はわわわわ! こっちに飛んでくるー!!」

慌てふためくちっちゃい方のローブ女。

大木との距離は既に百メートルもないだろう。

「この距離でその速度の回避は不可能だぜ」

紅葉はそう言った。

それを聞いて、もう一人の女は不敵に笑った。

「フフッ、回避できないのなら『相殺(そうさい)』してしまえばいいじゃない」

「ああ?」


女は高速で飛んでくる大木に対し拳を突き出す。

拳と大木の接触面でバチバチと力がぶつかり合い、力の対立が衝撃波を生み出す。

しかしながら、その力は決して対等な物ではない。

一方の力がもう一方を上回り、破壊しまた破壊される。

「あら? 意外と大した威力じゃないわね。これなら、相殺する必要もなかったわ」

女の一撃は、大木を木っ端微塵に破壊した。

女は辺りを見渡す。

しかし…。

「………!?」

紅葉の姿はどこにもなかった。


大木を破壊した刹那、紅葉はすでに女の背後を取っていた。

投げつけた大木はフェイク、本命は直接的な近接戦闘へ持ち込むことである。

「やるじゃんお前、じゃあ…これならどうかなぁ!?」

ズドンッと、紅葉の拳が女の腰元にめり込んだ。

「グフッッ!!」

「おおおおらああああ!!」

殴った、そして最初のお返しだと言わんばかりにぶっ飛ばした。

数々の敵を葬ってきた、必殺ともいえる紅葉の一撃が完璧に決まった。

死にはしないにしても、身体はまず無事では済まないだろう。

もはや、勝負は決したかのように思われた…。



「…フフ、アハハハハハハハハハハハハヒャハハハハハハハァ!!」

不気味ささえ感じるほどの、気色の悪い笑い声だった。

背筋が凍るような悪寒が走る。



女は、まるで何事もなかったかのようにスッと立ち上がった。

女にはこれと言った外傷は見られず、変化があるとすれば、ローブが少し土ぼこりをかぶった程度だ。

「…はあ…はあ、フフ…なかなか良い一撃ね、全く大したものだわ。生身でその腕力と脚力、流石はカラビアを倒した勇者モミジ」

「ッッッ!?」

(コイツ…俺を知ってんのか? それにカラビアの事も)


カラビア、その名を紅葉はよく知っている。

それは、以前紅葉が倒した上級悪魔カラビアの事に相違ないだろう。

「お前、俺を知ってるのか!? それにカラビアも」

「…ええ、私の仲間内ではあなたは有名人よ。カラビアも、小さい頃からよく知ってるわ」

(仲間内で俺が有名人だと? それにカラビアを知っているってことは…コイツら)


「お前ら…『悪魔』か」


「…ご名答、私たちは悪魔。私もこの子も、それぞれソロモン72柱を任せられている柱支団長の一人…」

女の自己紹介に言葉をかぶせる紅葉。

「お前らが悪魔だということなら、さしずめそっちのチビは『風の悪魔ヴィネ』とかか?」

「「ッッッッ!!」」

二人は驚きの表情を浮かべる。

それもそうだろう。

たったこれだけの、ただ自分たちが悪魔だという情報だけで存在を特定されたのだ。

冷静ではいられない。

(もしかして、この金髪君意外と博学?)














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。