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今宵月 月花大戦 スピンオフ  作者: アル治


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7/8

スピンオフ  宵うさぎ

いつも読んでいただきありがとうございます。

宵うさぎは、月狼と離れてから酒の量が増えていた。


宵うさぎ

(月狼さん〜。月狼さんが守った人類は、自分達の意思で生きて、選んでるよ〜)


宵うさぎが酒を煽ると、


宵うさぎ

(はぁ〜、またか〜)


宵うさぎの周りを数人の男が囲む。


宵うさぎ

(もう月花大戦は終わったよ〜)

(恨みも判るけどさ〜、一応、人類を守ったのは私達だよ〜)


宵うさぎが言い終わるのとほぼ同時に、ナイフが宵うさぎに向かって飛んでくる。


宵うさぎは上半身だけを少し動かし、軽くかわす。


宵うさぎ

(まだ続ける〜?)

(やるなら、ちょっと本気出すよ⋯)


宵うさぎの口調が変わる。


しかし、男達も引かない。


刀、槍、ナイフ、鉄グローブ。それぞれ武器を出し、宵うさぎとの距離を詰める。


宵うさぎ

(やるなら、ちゃんと殺す気で来い!こっちも殺す気でやる!)


(あ〜、最初から殺す気か⋯)


宵うさぎが言い終わると、地面を蹴り、刀の男の目の前に立つ。


宵うさぎ

(弱いな⋯)


宵うさぎの右手は、すでに男の腹にめり込んでいた。


宵うさぎ

(あの子達なら、防げてるよ)


宵うさぎの動きが止まっているのを見た他の男達が、一斉に宵うさぎに斬りかかる。


宵うさぎは怯むこともなく、男達に突き進む。


槍を持つ男の横に立つ男は、宵うさぎが横に来たことすら気付かない。


その瞬間、男の顔面に宵うさぎの足が当たり、男は派手に吹っ飛ぶ。


宵うさぎ

(もうやめれば?半分も力出してないから)


ナイフの男と、その後ろにいた鉄グローブの男が少し下がる。


宵うさぎ

(今なら逃がしてやるよ)


その言葉を聞いて逃げればいいものを、男達は宵うさぎに突進してくる。


宵うさぎ

(はぁ、バカが⋯)


宵うさぎは軽く体を捻り、ナイフの男を蹴り、鉄グローブの男に回し蹴りを食らわせた。


宵うさぎ

(⋯つまんない、向日葵だったら⋯⋯)


宵うさぎは少し寂しそうに、その場を後にした。


その場は血の海と化していた。



宵うさぎ

(もう何年経ったのかな〜)

(前に向日葵達に会ったのは何時だったかな〜)


宵うさぎは酒を煽りながら、独り言を言っていると、


???

(宵うさぎ)


宵うさぎ

(また〜?もうさ、狙うの辞めたら〜?)

(勝てないよ〜。人間で勝とうと思うなら、あの子達位強いの連れてこないと〜)


???

(宵うさぎ)

(もう忘れたのか?)


宵うさぎの顔色が変わり、持っていた酒を落として割ってしまう。


宵うさぎ

(⋯⋯⋯この声⋯⋯⋯月狼さん!!!)


宵うさぎは振り返りながら声の方に走り出し、声の主に抱き付いた。


月狼

(宵うさぎ、待たせたな)

(50年、長かったな)


宵うさぎ

(月狼さんだ!月狼さんだよ!月狼さん!)


月狼

(すまんな)


宵うさぎ

(うっう、月狼さん⋯うっ)


月狼が宵うさぎの頭を撫でながら、


月狼

(宵うさぎ、一緒に来るか?)


宵うさぎ

(行く!行くよ!月狼さんと一緒に!)


月狼

(判った、一緒に行こう)


宵うさぎ

(うん!うん!行くよ!)


宵うさぎは月狼と共に月に向かった。


宵うさぎは今までの事を、涙を流しながら笑顔で話した。


向日葵の事、神無月、薔薇、彼岸花の事。


金木犀、秋桜、弥生、鈴蘭、師走、百合。


みんなのことを話しながら、二人は楽しそうに月へと向かっていった。

やがて、二人は月にたどり着く。


宵うさぎ「……ここが、月……」


月狼「……ああ」


宵うさぎ「……綺麗ですね」


月狼「……そうだな」


宵うさぎは、月狼の手をぎゅっと握った。


宵うさぎ「……これからは、ずっと一緒ですね」


月狼「……ああ。もう、離れることはない」


宵うさぎ「……えへへ」


月狼「……どうした?」


宵うさぎ「……幸せだなぁって」


月狼「……そうか」


二人は、静かに空を見上げた。


もう、二人が離れることはない。


今後もよろしくお願い致します。

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