月花大戦のない世界
いつも読んでいただきありがとうございます。
最終話楽しんで貰えると嬉しいです。
神無月は畑仕事に汗を流していた。
先祖から受け継いだ土地で、色んな野菜を作っている。烏骨鶏も数羽育てていたが、卵を売るほどの量はなく、自分達で食べる分だけだった。
この辺りでは一番土地が広く、農業だけで十分に生活していける。
神無月
(先祖から受け継いだ土地と、この力があれば何とかなるな)
月花大戦はないが、神無月は先祖から力を受け継いでいた。
その力を使えば、広大な土地でも一人で畑を管理することができた。
(お兄ちゃーん!!!)
神無月に呼び掛ける少女、彼岸花。
彼岸花
(お兄ちゃん!!ただいま!)
神無月
(お帰りなさい、学校楽しかったか?)
彼岸花
(もぉ、小学生じゃないんだからさ、楽しかった?はないでしょ?)
神無月
(そうだな、もうすぐ学校も卒業だからな)
彼岸花
(そうだよ!卒業したら働くんだし!)
神無月
(働くって、街に行くのか?)
彼岸花
(うん、行くと言うか⋯⋯街に住もうかと⋯)
神無月
(1人で?)
彼岸花
(う、うん⋯)
神無月
(⋯⋯⋯街に行く前に、ちゃんと話しておいた方がいいと思うよ)
彼岸花
(⋯⋯うん)
神無月と彼岸花は一緒に家へ向かった。
家が視界に入ると、
(彼岸花ぁー!)
明るく元気な声が響く。
神無月
(相変わらずだな)
彼岸花
(水華お姉ちゃーーん!)
神無月
(こっちも元気だった⋯⋯)
水華
(2人ともお帰りなさい!)
神無月
(ただいま)
彼岸花
(ただいま!)
水華
(今ご飯作るから、お風呂入っちゃって)
神無月
(判った、彼岸花、先にどうぞ)
彼岸花
(うーん、お兄ちゃん先に入って)
神無月
(うん?⋯⋯判った)
神無月はお風呂に向かった。
彼岸花
(水華お姉ちゃん⋯⋯明日⋯人を連れて来るね)
水華
(やっと連れてくる気になったの?)
彼岸花
(え?知ってたの?)
水華
(相手は知らないけど、恋人がいるくらい判るわよ。お姉ちゃんだからね)
彼岸花
(お姉ちゃん、大好き!)
彼岸花が水華に抱きつく。
水華も彼岸花を強く抱き締めた。
水華
(神無月が出たら、お風呂入ってね)
彼岸花
(はい)
2人がお風呂を上がり、夜飯を食べようとした時、
コンッ!コンッ!
ノックする音が響いた。
神無月の表情が少し暗くなる。
水華
(今日も来たわね)
ドアを開けると、そこには薔薇が立っていた。
薔薇
(水華、こんばんは!神無月いるよね?)
水華
(居るわよ、どうぞ)
薔薇は家に上がり、神無月の隣に座る。
神無月
(今日も来たのか?ご飯が出来た時に)
薔薇
(あら!失礼ね、たまたまよ!それより、そろそろ水華と別れて私と結婚しなさいよ!)
神無月
(またそれか、水華、何とかしてくれ)
水華
(良いんじゃないの。私がいる間は神無月は渡さないから!)
薔薇
(わたくしも諦めませんけどね!)
これが、いつもの神無月邸の夜だった。
翌日。
彼岸花は学校へ、神無月は畑へ向かった。
学校へ向かう彼岸花に、
(おはよ)
挨拶をされた彼岸花は、笑顔で答えた。
彼岸花
(おはよー!文月!)
文月
(彼岸花は元気だね)
彼岸花
(文月⋯)
文月
(⋯どうしたの??)
彼岸花
(今日⋯家に来て欲しい⋯)
文月
(⋯⋯判った。ちゃんと話さないとね)
彼岸花
(うん⋯⋯)
彼岸花と文月は上の空で勉強をし、学校が終わると2人で彼岸花の家へ向かった。
途中で神無月に会わないように時間をずらし、彼岸花の家に到着した。
彼岸花
(行くよ!)
文月
(判りました)
彼岸花が玄関を開ける。
彼岸花
(ただいまー!水華お姉ちゃん、帰って来たよ!)
水華
(彼岸花ぁー!お帰りー!⋯⋯って、どちら様?)
彼岸花
(彼氏⋯)
水華
(初めまして、彼岸花の姉の水華です。よろしくね)
文月
(文月です。よろしくお願いします)
文月は普通に話してはいるが、緊張で心臓が壊れそうだった。
彼岸花と文月はテーブルに座り、神無月が帰って来るまで3人で話していた。
水華
(彼岸花のどこが好きなの?)
文月
(元気な所です)
水華
(私も元気には自信あるんだけど)
彼岸花
(水華お姉ちゃん!!)
水華
(ごめん、ごめん)
文月
(仲良いんですね)
話をしていると、
神無月
(ただいま!)
水華
(お帰りぃー!)
神無月が部屋に入ると、
神無月
(ちゃんと連れてきたな)
文月
(文月です。初めまして、よろしくお願いします!)
神無月
(緊張しなくていいよ。俺は文月の味方だからな)
水華
(え?私は敵なの??)
神無月
(彼岸花の姉だからね)
水華
(神無月だって彼岸花のお兄ちゃんでしょ!)
水華は少し怒りながら、テーブルに料理を並べだした。
料理を並べ終わると、
コンッ!コンッ!
薔薇
(お邪魔しますわよ!)
いつも通り、薔薇が家に上がる。
神無月
(薔薇!今日はダメだ!)
薔薇
(なんで!?)
神無月
(今日は彼岸花の大切な人が来てるから)
薔薇
(なら、わたくしも居ないといけませんわね!)
神無月
(⋯⋯)
水華
(薔薇、いいよ。一緒に話を聞こう)
神無月
(水華!)
水華
(いいの、神無月。怒らないの)
(ごめんね、文月。みんな揃ったから話聞きましょう)
文月
(学校卒業したら、彼岸花と一緒に暮らさせてください!)
文月は深々と頭を下げた。
水華
(⋯⋯⋯)
文月
(⋯⋯⋯)
水華
(判った!彼岸花をお願いね!)
文月
(はい!ありがとうございます!)
神無月
(少しでも無理と思ったら、2人でまずは帰って来い!問題が大きくなる前に、必ず帰って来い!)
文月
(はい!判りました!ありがとうございます!)
薔薇
(話は纏まりましたね。では食べましょう!)
神無月
(薔薇が仕切るな!)
そのまま食事が進み、薔薇と神無月は酒を飲み、水華達は食事を楽しんだ。
いつの間にか、食事も終わっていた。
彼岸花
(私、文月を送ってくるね)
文月
(俺なら大丈夫だよ)
水華
(文月、いいから)
彼岸花と文月が外に出ると、神無月と水華も外に出た。
文月
(ありがとうございました)
水華
(文月!彼岸花をお願いね)
水華の顔は、とても穏やかな笑顔だった。
文月
(はい!任せてください!)
今まで読んでいただきありがとうございました。
月花大戦完全に完結になります、最後まで読んでくださりありがとうございました。




