表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/36

第九話 銃撃

 そのとき、二人のほうに一人の男が歩いてきた。身長百八十センチメートルほどの容姿端麗な青年だ。右腰に自動式拳銃、左腰にソードオフのショットガン、背中にスナイパーライフル、右足首に小型リボルバー、背中側の腰にナイフを所持している。ジゴロウはその男を見るとすぐに警戒をやめた。

「やぁ、ミル」

「お久しぶりです。ジゴロウさん」

「もう何年ぶりだ」

「‥六年ぶりですね」

「妹はどうしている?」

「隣の国の男と結婚してそっちに行っています。たまに会いに行きます」

「そうか」

「ヒロ君は‥‥お元気そうですね」

ヒロはこの会話についていけずただ茫然と立っていた。ジゴロウの知り合いであることは確かだが‥‥‥

「初めまして、ヒロ君。俺はミル・ナイパー、戦士官だ。君の噂はかねがね聞いているよ」

「あぁ、初めまして。ナイパーさん」

「ミルでいいよ」

「ミルさん」

聞くところ、ミルはジゴロウの元部下らしい。そこでジゴロウに鍛え上げられたそうだ。だがヒロと同じくジゴロウが消息を絶っていた期間はジゴロウと会っていないらしい。

「ところで、なぜここがわかった?」

「そう、そのことで俺は警告しに来ました」

 ミルによると、国軍はついにジゴロウの家を特定したらしい。そしてミルが所属している外務局の暗殺部隊へジゴロウ暗殺命令がでるらしい。ミルは、そのことをウェズから聞き先に暗殺部隊全員を気絶させここへ来たそうだ。

「全員気絶したのはあなたのせいにしておきました。もちろん俺も気絶しています」

ミルは笑顔でジゴロウに言った。ジゴロウは苦笑して頭をかいた。

「そして、イヴァイア大戦士が雇った殺し屋たちがここへ来ます」

「なんだと」

ジゴロウがそういった刹那、ミルが二人を地面へ押し倒した。銃弾が飛んでいく音と銃撃音が聞こえた。ヒロは今なにが起きたのか理解するのに少し時間を要した。

「いったん家に入りましょう」

三人はほふく前進して家の中へ入った。ジゴロウは立ち上がると玄関のドアに鍵をかけた。ミルとヒロの二人で棚を動かし玄関に立てかけた。

「やつらは全員皆殺しにします。俺の顔を見られたかもしれませんから」

「分かった」

ヒロはふとあることが頭に浮かんだ。自分はほんとうに敵を殺せるかと。国軍の戦士たちは基本的に殺すべきではない。なぜなら革命が成功した後その戦士たちを従えないといけないからだ。もし殺してしまえばその人の友人や家族から恨みを買ってしまう。そうなればいずれレジスタンス運動の火種になってしまうだろう。

 だが今回は国軍にやとわれている殺し屋なのだ。そしてもし誰か一人でも逃してしまえばおそらくミルの偽装がばれミルは殺されてしまう。しかし、たとえそうだとしても自分はほんとうに人を殺せるだろうか。

「ぼさっとするな、頭を下げろ!」

ジゴロウはヒロに言った。ヒロはそこで正気を取り戻し慌てて机を蹴り倒しそこへ隠れた。ジゴロウとミルは壁によりかかってしゃがんでいる。そこへ無数の銃弾が雨のように降りそそいだ。機関銃の類だろう。ミルはその攻撃がいったんやむと拳銃を取り出し撃った。再び敵の銃撃がはじまるとミルはまた身を隠した。

「俺が目視したのは右の茂みに十一、左の茂みに八、計十九人です。ジゴロウさんとヒロ君で十人殺してください。俺が九人殺します」

「一人で大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。何とかする」

「でも…」

「ミルなら大丈夫だ。行くぞ」

ジゴロウとヒロは裏口から出て行った。ミルはスナイパーライフルを肩からおろし二階へ移動して構えた。まず、一人目の頭を撃ちぬいた。すぐさま二人目、三人目と頭を一発で仕留められていく。彼らはまるで鳥に狙われるねずみのようだった。五人を撃った時点でそのライフルの弾は尽きる。だがミルの銃弾をいくらでも生成できる能力で、ライフルのマガジン内に弾を生成し残り一人の喉笛を撃ちぬいた。

__エアスナイプ

突然ミルの持っているスナイパーライフルが吹き飛ばされ外に落ちた。ミルは急いで窓から離れソードオフのショットガンを持ち、一階へ降りた。家へ入ってきた二人のうち一人を後ろからソードオフのショットガンで撃った。もう一人が小型マシンガンを連射してきたのでいったん隠れた。撃つのをやめて警戒しながら歩いてきた男を壁際で待ち伏せ、男をとらえた瞬間手首をつかんで腹に蹴りを入れ、マシンガンを落としたところで拳銃を抜き男に三発撃った。男は血を流して倒れた。ミルはソードオフのショットガンを拾った。するとミルは後ろから気味の悪い笑い声が聞こえた。ミルは後ろ振り返った。そこには男が一人ドアに寄り掛かって腕を組んでいた。

「どちら様かな?」

「俺はトーン・リーズ。アサシンだ」

「奇遇だね。俺もそうだ」

「お前はミル・ナイパーだな」

ミルは眉を細めた。

(なぜ俺のことを知っている)

「お前は暗殺界では有名だ」

「…そんな世界は知らないよ」

「そこでお前に提案がある。一対一で決闘だ」

「撃ちあい?」

「あぁ」

「俺にそれを挑むとは、いいよ。のった」

ミルは拳銃をホルスターにしまい、リーズと向かい合った。リーズはコインを投げた。それが刻一刻と地面に落ちていく。リーズはミルに向け、指でっぽうの形をつくった。

__エアバレット

そして落ちた瞬間、ミルは拳銃を抜き、机の後ろに隠れた。すると、何かがとてつもないスピードで通り過ぎ、ミルの向こうにある壁に穴が開いた。

(空気砲のようなものかな)

「おい、こそこそ隠れるなよ! 卑怯者が」

「相手の能力も知らないのにそう易々と提案に乗ると思ったのかい?」

ミルは机から出て右側にある棚まで走りながら拳銃を発砲した。リーズもまた壁に隠れた。ミルは棚に体を隠しながら拳銃でリーズのいる壁を狙う。次出てきたときに確実に仕留めるためだ。

__エアショット

リーズがいる壁が突然壊れた。それに気づいたミルは急いでしゃがんだ。さっきまでミルがいたところの棚が吹き飛んだ。ミルは再度身を乗り出し撃った。壁に何発もの穴があいた。ミルはまた動き、さっきの机へ隠れた。そして、タイミングを見計らいもう一度身を乗り出した。

__エアスナイプ

ミルの拳銃が弾き飛ばされた。ミルは隠れ、ソードオフのショットガンを抜いた。ミルは机から動き、リーズのいると思われる壁のほうへ行った。壁を撃った。何発か撃ったあと、ミルは壁の反対側へ行った。だがそこにはリーズはおらず、奥の壁に穴が開いていた。

(外へ逃げたか)

ミルは階段をのぼって上から奴を探そうと考えた。ミルが階段を上ろうとしたとき

__エアショット

ミルの持っていたソードオフのショットガンが吹き飛んだ。ミルはその拍子に階段から足を踏み外して一階へ転げ落ちた。

「ざまぁねぇな、ミル」

リーズがミルの正面へ歩いてきた。

「俺はさっき外へ逃げたあと反対側の壁にも穴をあけてお前のことを見ていたのだよ」

「‥してやられたわけだな」

ミルは左手を後ろに回してナイフを取り出した。

「だけど、俺には勝てない」

ミルは直後ナイフをリーズに向かって投げた。リーズは両手を飛んでくるナイフに向けた。

__エアハンド

ナイフがリーズの両手に飛んできたとき、両手に空気の塊ができそれによってナイフの推進力がなくなり止まった。リーズはナイフを持った。

「こんなこともできるぜ、俺を見くびったなぁミル」

リーズはナイフを投げ返した。ミルは頭を右に傾けてナイフをかわした。階段にナイフが突き刺さった。

「これでお前の武器はすべてなくなったな。潔く死ね」

リーズが右手で人差し指意外を折り、指鉄砲をつくった。それに対しミルはおかしそうに笑った。

「なにが面白い? 死を前にして気が狂ったのか?」

「いやぁ、俺の言ったことは間違ってなかったよ」

「は?」

「君は俺に勝てない」

ミルは右太もも裏に隠していたリボルバーを取り出しリーズの右手に撃った。さっき階段から落ちたときにさりげなく足にあるホルスターから抜いていたのだ。リーズは左手で血がでている右手を押さえた。その隙を見てミルは左腕と右わき腹、左肩にも銃弾を浴びせた。リーズは叫び声をあげながら倒れた。ミルは立ち上がりナイフを回収してリーズの元へ歩いた。

「頼む、殺さないでくれ」

「君は俺のことを知っているからね。潔く死んでくれ」

ミルはリーズの頭に二発撃った。

次回は12月17日21時に公開です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ