「癒し手の力」
明日この村を出発する為に身支度を整える私達、この日はユイちゃんの服を購入する為に服屋に入る。
「届け人!届け人!」
怪我の完治はしてないけど軽い歩き程度には動けるようになった。
ユイちゃんの声で私は疑問に思った。
「届け人、杖ってこれよね?」
何故、彼女は武器を手に取っているのか。
ここでお別れする筈なのに、ユイちゃんは付いてくる気なのだろうか?
「要らないでしょ?」
「なんでも買ってくれるって約束は?」
耳が痛い程聞いた約束の言葉、私は首を傾げる。
「ユイちゃん、ここでお別れなのに物騒な物選ばないの」
ユイちゃんは無視した。
「ユイちゃん?」
声を掛けるとユイちゃんはカイト君に声を掛けた。
「私、癒し手みたいなの」
その言葉にカイト君は驚く。
「ほ、本当に?」
そして彼女は私の身体に触診して傷痕の回数を全部バラしやがった。
この話を聞いて皆は複雑な気持ちになる。
女の子からはにこにこしながら不敵な笑みを浮かべる。
男の子からは私が黙ってた事を知り失望する。
「・・・届け人様?」
「はい」
「今のが真なら・・・帰ってきた時に無事だったと言ってたのは嘘ということになりますよ?」
「・・・」
「届け人・・・皆に嘘吐いたんですか?」
「あ、いや・・・うぅ・・・」
シイナちゃんの怖い顔にヤエ君の不安な顔のダブルパンチは肝が冷える。
「ボク、初心者ですしこんなこと言うのは変だと思いますが・・・やっぱり隠すのはちょっとモヤモヤします」
ぐは!?
「あはは、やっぱり無理してたんだね?」
カイト君だけは中立でいてくれた。やっぱり流石大人!
「届け人、二人に謝るのは当然として、ユイちゃんも仲間に入れてあげない?」
・・・・ん?
「二人はいいけど・・・やっぱり癒し手が欲しい?」
カイト君はにこやかに告げた。
「届け人は無茶することが多いからビッグシスターには釘が刺されてるからね」
・・・つまりはそれを確認する為に泳がされてた!?
「ユイちゃん!是非仲間に!」
「貴女みたいな逸材な女の子、私からも頼みます」
二人を仲間にしたユイちゃんは私の目の前に立つ。
「でも決めるのは届け人よ」
その言葉に信頼を失った私を二人は睨んでくる、痛々しいな。
「届け人、ユイちゃんを仲間にすれば【癒し手】として活躍出来るし、君の信頼も少しは良くなるよ」
「勿論仲間にしますよね?届け人様?約束しましたもんね?」
「何があっても怪我は報告するって、ボク達だけの約束じゃやいですよね?ね?」
皆の痛々しい言葉の暴力により、私は膝から崩れ落ちる。
「皆、ごめんなさい!ユイちゃんも・・・心配してくれてありがとう」
私は止めることが出来ず、ユイちゃんを旅の仲間にすることを契約した。




