「触診」
触診を終えると今にも殺されそうなくらいの激怒の眼差しに私は萎縮する。
「助けてくれた事は本当に感謝してる、ありがとう」
「う、うん」
何故怒ってるのかそれは触診の結果と私の行動によって引き起こされたものだ。
「・・・三十箇所」
「え?」
「三十箇所にて怪我をしてる・・・」
・・・・怪我?
「怪我は治ってるよ?」
「治ってなんかない、時間が経過して和らいでるに過ぎない」
そう言ってユイちゃんは私の肋骨を差す。
「二本回復しきってない」
私の怪我を間髪入れず指摘するこの力に私は確信した。
手を握られた時に回復され、触れただけで傷痕が見えているだろうこの仕草、彼女は【癒し手】だ。
「守ってくれたのは嬉しかった、けどそれとこれは別」
長く説教されてると不意に足を掴まれる。
「ぐっ!!」
この前捻って腫れた足の付け根が痛む。やっぱりバレてた。
「届け人・・・馬車で移動中言ったよね?“怪我とかしたらすぐに報告しようね”って・・・」
「痛っ!!」
化膿した部分が酷く痛む、無理矢理動かせるたら失神しそう。
「じー・・・・」
やめて、哀れんだ顔で見つめないで!
「わ、私は別に・・・いだだだだ!!ごめんなさい白状します!怪我しました!面倒くさいから後回しにしたら化膿して歩くだけでも辛い!お願いだから許して〜!!」
その後の触診は観念して怪我の状況を白状するしか無かったから。




