「出発」
朝、やはり起こしてくれなかった!
「届け人・・・騙してごめんって!」
「つーん、ハナから私を休ませる気だったんだ〜へ〜?」
私の体調を気遣ってくれるのは嬉しいけど、平地での休憩は危ないから交代制にした方が絶対良いはずなのにな〜と頬をつんつんする。
「カイト君、私を子供扱いしちゃ駄目だよ?一応ベテランなんだぞ?」
もう十四歳なんだからいつまでも子供じゃいられない。
でもカイト君はそんな私の発言を否定した。
「齢十四歳は全然子供だよ、本当なら沢山学んで遊んで幸せに生きてるのが普通なんだ、それなのに届け人は娯楽の一つも知らないじゃないか」
痛いとこ突かれた、十歳の時から既に戦闘と薬剤の調合、私の体質の研究や【届け人】としての役目を果たす日々を過ごしていた。
それはカイト君にとって子供らしくないと伝えたかったのかな。
「届け人は今の生活は楽しい?」
不意の質問に応えてた。
「気にしてなかった・・・かな?これが私の役目であり使命なんだよ、それに私は・・・」
皆の記憶には・・・ 残 ら
な い。
私と関わりを持ったところでいつかは皆忘れる。
皆私より先に逝っちゃうから。
「・・・届け人様?」
しんみりとした空気になっているとシイナちゃんとヤエ君が起きてきた。
「どうかされました?」
二人の空気に察して申し訳無さそうに聞いてきた。
「ううん、なんでもない・・・ね?」
「うん、ちょっとした昔話みたいなもんさ」
それなら良かったと察してくれて感謝する。朝食を終えて顔を水魔法で洗う。
私だからそんなに綺麗じゃないけど純粋の魔法使いならきっと気持ち良く顔を洗えるだろう。
ピンク髪の女の子も目覚め悪そうに起き上がり私達は颯爽と立ち去ろうとしたその時、騎士団らしき防具を着た者たちが此方に向かってくる。
「あの防具、別の国の騎士団だね」
「確かあの肩の犬のトレードマークはプロキオン兵かな?」
国一番の防衛力を誇るプロキオン帝国。その中の【王女フリードリヒ・ヴィルヘルム】は天真爛漫で非常に明るい性格。
私も何度か会ってみたけど本当に明るくてプロキオン帝国で一番愛されていて大人気な女性だ。
その代わり騎士団団長の【アルトゥル】は非常に厳しく裏切る行為や王女を汚す物を皆殺しにする冷酷な男性。
王女と謁見する時は必ず【最高級のお茶菓子を持って来る】と知らない者を蹴り飛ばしてるのを発見した時は顔が青くなった。
幸いその時私はペテルギウス国の一番人気のケーキ【プトレマイオス】を持ってたから、大喜びされて仲良くなった。
本当は自分が旅路で食べようとしてたけど彼女の幸せそうな笑顔が見れて満足だったし、アルトゥルさんは見たこと無いくらい大泣きしてた。
意外と面白い人かもと耽ってると・・・一番後ろの方で見たことあるドレスを着た女性が馬車に引かれていた。
王女フリードリヒだ。




