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「灰の跡地〜結晶溜まりの街」その4

 女の子は自分の名前を答えられず灰となった場所を慌てて探すも手を覆うのはサラサラになった灰のみ。


 女の子は自分の事を何も覚えておらず、パニックになって無意味な行動をする。


「・・・いた」


 落ち着かせるために脳天チョップを食らわせると正気に戻ってくれた。


「思い出せないならいつか思い出した時にお願い出来る?」


 震える手を両手で包み笑顔を見せると女の子は申し訳なく頷く。


 その後、シイナちゃんとカイト君が駆け付け、ちゃんと事情を話した。


 傍から見ると女の子を脱がした変態だと思われそうだから。


☆★☆★ キャンプ地にて


「ねぇカイト君、今日はここで寝るんだよね?」


 蝋燭を点けて暗くなってきた周囲を照らしながら返事する。


「そ~だよ」


「でもここさ、平地だしモンスターの狩り場から近くない?」


 本来なら高い所や凸凹した場所や雨風凌げる場所が適任だけどここには守れるものが何も無い。


「この辺りは裁きによって全焼して灰になってるから近くの村に行くまで四時間は歩きっぱなしだよ?足元も見えないから早目に休んで早朝出発しようかなって」


 カイト君の言い分に私は反論しなかった。準備を済ませて皆で食事になる。


 暗いから皆くっつきながら談笑してるのを見て微笑ましくカップに注いだ私特製栄養ドリンクを飲む。


「くそまずい・・・」


☆★☆★ 


 最初は皆ピンク髪の女の子に対して気を使ったり優しくしたりしてたのにあっという間に仲間として扱うようになっていた。


 ピンク髪の女の子は警戒して頷くだけだったのがいつの間にか打ち解けていた。


 もしかしたら心の何処かで一人ぼっちが寂しかったのかな。


 私は皆の輪には入らずカイト君と相談する。


「二時間置きに交代しようね」


 ああは言ったけど危険性が解消された訳じゃない、皆は私が守らないと。


「届け人・・・君も女の子なんだから休みなよ」


 カイト君は光の方を向けながら休むように言った。


「ううん、私は平気。一週間寝なくても問題ない」


「駄目だよ、肌も荒れるし体調も悪くなる、筋肉も弛緩するし集中力も下がるんだよ?」


「大丈夫・・・私は平気」


 絶対に聞かないと意思を見せるとカイト君は溜息吐きながら食い下がった。


「私の我儘聞いてくれてありがとう」


「二時間置きね?」


 私は頷くと皆が寝静まりカイト君が先に見回りすることになった。


 私も今日は少し疲れちゃった。明日の事は明日決めよう、私は近くにあるボロボロの壁を背にして少しだけ休む。


 だが私は後になって気付いた、カイト君って無理する女の子に対して強引だから私を起こす気なんかないのではとしみじみ思う。

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