誘導
更新が遅れてすみません。
コロナのせいで色々と仕事上の手続きがあり、バタバタしておりました。
「父上!」
「おう! 氏顕、無事か!」
「当然でございますれば、父上はあまり御無理なさらず、後は某にお任せ下され!」
「抜かしおるわ! まだまだお主に心配される程老いておらぬわ!」
「全く、父上といい祖父上といいこの親子は⋯⋯」
「何か申したか!」
思わず口をついて出た呟きが聞こえていた事に驚き、
「何でもございませぬ! それよりさっさと終わらせてしまいましょう!」
慌てて誤魔化した。
そんなやり取りをしながら隆顕と氏顕の親子が敵軍を散々に引っ掻き回していると、そこに新たに一軍が突っ込んで来た。
「隆顕、氏顕、生きとるか─?」
「父上!」 「祖父上!」
「無事であったか! ちょっとこちらへ参れ!」
左右から攻められ、更にこれから退却しようとする後方からも敵軍が来た事で、二階堂、大内連合軍は絶望感に包まれた。
「もうお終いだ─! 儂等はみんなここで死んじまうんじゃ─!」
「待て! あそこに包囲の穴があるぞ! みんなあそこを目指すんじゃ─!」
「こっ、こら! お主等勝手に隊列を離れるな!」
連合軍の指揮を取る将が兵達に怒声を上げるが、最早それは誰の耳にも届かなかった。
まんまと誘導された農民兵は、我先に逃げ出して行く。
烏合の衆と成り果てた軍から、二名の兵が田村軍に向かって行く。
「義顕様、どうやら流言は成功したようにございます」
「良くやってくれた。 此度の功一等は其方等じゃ」
「ありがたき幸せにございます」
「父上、これはどう言う事でございますか?」
隆顕がそう聞くと、策の全貌が伝えられた。




