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3-6 マンションへ

挿絵(By みてみん)


【前回の振り返り】


約束の午後一時を過ぎ、夕方五時になっても遊園地の入り口に美月は現れなかった。


萎れゆく一輪の赤い薔薇を抱え、それでも一雄は「何か来られない理由があるんだ」と彼女の身を案じ、夜空の月を見上げる。



【作品紹介】


本作は、noteで「運命の人〜ストーリー〜」として執筆している小説を、小説を読もう!用に投稿しました。



一人の男がバイト先のハンバーガーショップの店員(実は地下アイドル『UVA48』のセンター・美月)への純愛を暴走させ、周囲を巻き込む大騒動へと発展していく、切なくも狂気的な音楽連動型・現実世界恋愛小説です。


【公式連動楽曲】

iti視点ソング『運命の人〜暴走〜』の歌詞世界と完全シンクロ!!

一雄の脳内で運命の歯車が激しく回り出す瞬間を、ぜひメロディと共にお楽しみください!


【2作連動の仕掛け】


主人公「宇場一雄」は、別作品『フーデリオン』の主人公と同一人物です。あちらの作品に登場する「喉に傷があるバイク屋のオヤッサン」の正体とは? そして店に飾られた「一輪の赤い薔薇」の真相とは……?


二つの世界線が交錯する時、本当の『運命』が紡がれます。



【連動楽曲】

YouTube・noteにて順次公開!

①iti視点「運命の人〜暴走〜」

②UVA48視点「運命の人〜完全拒絶〜」



激しく狂おしい音楽の予感を胸にお楽しみください。


(リンクは後書きの下にあります)

3−6 マンションへ


午後五時を過ぎても、美月は来なかった。

一雄は、薔薇を抱えたまま、遊園地の入口に立っていた。


美月は来られなかった。

でも、来なかった理由は必ずある。

一雄は、そう考えた。


急な用事かもしれない。

体調を崩したのかもしれない。


もしかすると、待ち合わせ場所を間違えたのかもしれない。


しかし、どれだけ考えても、美月からの連絡はなかった。


一雄は、スマートフォンの画面を何度も確認した。新しいメッセージは届いていない。


それでも、一雄は帰らなかった。


「美月さんに、何かあったのかもしれない」

一雄は、遊園地を離れた。


手には、渡せなかった一輪の薔薇が残っていた。

花びらは、少しだけ下を向いている。

それでも一雄は、薔薇を捨てなかった。


「美月さんに、何かあったんだ」


一雄は、そう考えた。


そして、一輪の薔薇を抱えたまま、美月のマンションへ向かった。


駅まで走った。

電車に飛び乗った。


車内でも、落ち着いて座っていられなかった。

スマートフォンを何度も確認する。

美月からの連絡は、まだない。


「きっと、部屋で待っている」

一雄は、そう考えた。


遊園地に来られなかった理由を、美月は自分に説明してくれる。


部屋に着けば、すべて分かる。

そう信じていた。


最寄り駅に到着すると、一雄は改札を抜けた。

そして、マンションまで走り続けた。


薔薇を抱えたまま。

息を切らしながら。


美月の部屋の前に着いたとき、一雄は大きく息を吐いた。


しかし、そこで足が止まった。


玄関の表札がなくなっていた。

郵便受けからも、美月の名前が消えている。

部屋の前に置かれていた小さな鉢植えもない。

いつも置かれていた傘もなかった。


「……美月さん?」


一雄は、ドアの前に立った。

インターホンを押す。

返事はなかった。


もう一度、押す。

それでも、何も聞こえない。


一雄は、ドアの向こうへ呼びかけた。


「美月さん?」

返事はない。


そのとき、廊下の奥から人の気配がした。

マンションの管理人だった。

仕事を終え、帰ろうとしているところだった。


挿絵(By みてみん)


一雄は、すぐに駆け寄った。

「あの、すみません!」


管理人が、一雄を見る。

「はい?」


「この部屋に住んでいた中村美月さんは、今日はお休みでしょうか?」


管理人は、部屋の前に立つ一雄と、手にした花束を見た。

そして、少し困ったような顔をした。


「その部屋なら、今日引っ越したよ」


一雄は、言葉を失った。


「……今日?」


「うん。朝から荷物を運び出していたよ」


「どこへ行ったんですか?」


「そこまでは知らないな」


管理人は、首を横に振った。


「引っ越し先は、聞いていませんか?」


「個人情報だからね。こちらからは教えられないよ」


一雄は、表札の外されたドアを見つめた。


今日。


美月は、今日、引っ越した。


遊園地の約束の日に。


「でも……昨日まで、普通に店にいたんです」

一雄の声が震えた。


管理人は、何も答えなかった。


一雄は、薔薇を見下ろした。


花びらが、さらに下を向いている。


「美月さん……」


その名前を呼んでも、返事はなかった。


一雄は、マンションを飛び出した。

次に向かう場所は、一つしかなかった。

美月が、いつも働いていたハンバーガーショップ。


一雄は、息を切らしながら、再び走り始めた。


遊園地からマンションへ。

マンションから、店へ。


美月がいるかもしれない場所を、順番に追いかけるために。

第13話をお読みいただきありがとうございました!


【次回の見どころ 毎日18時頃更新予定】


第14話 3-7「店に残された手紙」


夜逃げの現実から逃れるように、一雄が命がけで滑り込んだハンバーガーショップ。


しかしそこに彼女の姿はなく、代わりに手渡されたのは『一雄さんへ』と書かれた美月からの最後の手紙。


壊れそうな現実を前に、一雄の脳はパニックを起こしながら、必死に都合のいい理由を組み立てようと狂おしく混乱し始める――。

次回の怒涛の展開、絶対にお見逃しなく!


少しでも面白いと思ってくださったら、ページ下部の【☆☆☆☆☆】でのポイント応援や、ブックマーク登録をぜひよろしくお願いいたします!


【主題歌のお知らせ!!】

主題歌は2つ 別々の視点から作詞しました!

①iti「運命の人〜暴走〜」

②UVA48「運命の人〜完全拒絶〜」


アプリから閲覧している方はお手数ですが

YouTube・noteから「なおパパ」で検索をお願いします!!


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挿絵(By みてみん)


サイトから閲覧している方は

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