06.ゴーストタウン
街に出るといつも以上に人通りがない。
すこし辺りを見回り適当な店を覗いてみたが誰もおらず、交番に行ってみたがここにも誰もいない。
「いくら田舎だからって言っても夜中じゃあるまいし普通この時間ならそこそこ人いるよなあ?」
「……おかしいですね。どういうことでしょうか?」
一応交番にあった電話から警察署に掛けてみようとするもなぜか通じない。
「人はいないし電話は通じず……これじゃあまるでゴーストタウンってやつじゃないか」
「……」
今の街はなんだか不気味だ。
これは明らかに異常だと思い、とりあえず状況が気になるため委員長に電話を掛けようとしたらメッセージが届いていた。
『あの人はやっぱり怪しい人じゃ無かった!戻ってきて大丈夫!』
このタイミングでメッセージが入ることに少し違和感を感じる。
「……たしか以前狙いの人物の友人から携帯電話を盗んで、本人になりすましてメッセージを送って呼び出しやってきたその人物を殺害する――っていう事件が何年か前にありませんでした?」
「そういえば前にニュースで見たかもしれない」
「委員長があの怪しい男に携帯電話を奪われたかメッセージを送るように指示された、という可能性があります……」
「それを確認してみるから念のため電話掛けてみる。なんともなければ電話に出るだろうし」
――そう思い再び携帯電話を取り出したところ突然、停電と共に携帯電話の電源が切れてしまった。
「……えっ、電源入らないんだけど?!」
「……私のも電源入らなくなりました」
どうやら何らかの影響で二台とも壊れてしまったらしい。あぁ、俺のデータが……
(後に知り合った人の話によると、恐らく小規模な電磁パルス攻撃が行われて電動自動車等での移動を妨害するための可能性が高いそうだ)
――――
学校に戻り、窓が会議室内を覗いてみると今までいた皆が消えていた。
ただ一人、先程の怪しい男が椅子に座ってこっちを見ていた。
「……てめえ、”過去の記憶”を持つガキだな?」
「な、なんのことやら……?」
「とぼけても無駄だ……顔を見た後に思い出したぜ。前世の記憶だかを持っているっていうのが調査書に顔写真と一緒に書いてあってな。上からの指示でここやってきたわけだ」
「……」
(まずいな。一体どこでバレたんだ……?このことは妹にすら話してないのに……)
「上がおまえを欲しがってるんだよ。なんでも過去の栄光を取り戻すためだとか。なに、ここでいい子にしていてくれれば痛い思いをせずに運んでやるぜ?」
「い、痛いのはかんべんしてほしいけど連れて行かれるのは困る。ほら、有名な噂とかあるじゃん?」
「行った先の待遇は知らんが、住めば都という言葉もあるんだが知ってるか?」
「そんな言葉で行く気になるわけ無いだろう!そんなことより他のみんなはどこにやったんだ?!」
「おれの連れが別の場所に連れて行ってお前さんに関して事情聴取をしていたところだ。たぶん危害は加えてねえから安心しろ」
だまし討ちで侵入してきて安心できるわけ無いだろう……
あれ、そういえば隣りにいたはずのレイカがいない?
「……時間がもったいねぇ。実力行使でさっさと終わらせて上に引き渡してやる」
ポケットから取り出した折りたたみナイフをパチン、と展開し、男が口の端を歪めてニヤリと笑いながらゆっくりこっちに近づいてくる。
膝が震え身体がすくみ、全身から脂汗が吹き出しべったりと濡れる感触がした。
自身の心臓がどくん、どくん、と大きく鳴り、目が回りそうになりながら打開策はないかと思考する。
▷たたかう
にげる
あきらめる
……絶体絶命のピンチである。