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【特別編】これぞまさしく"デスイズザヒーロー!" の裏話-後編

~『ネットの海の放火犯、命の灯消え海原に没す!』~


・藤徳モンハンアンチのトド怪獣。

 みんななんとな~く察しがついてると思うけど、

 こいつもまたYouTube動画のコメント欄に居た荒らしユーザがモデルになってる。

 と言ってもそいつのハンドルネームは忘れたし、

 発言内容が発言内容だったからもうBANされてるかもしれんが。

 そいつはひたすらに熱心な藤徳モンハンアンチで、

 シリーズ作品の一つ『モンスターハンター3G』に対する

『3流G』なんて蔑称もそいつが実際に使っていたものだし、

 続く『バグだらけのウイルスソフト』ってのもそいつの言い草だ。

 今回は敵キャラにするにあたって、より言動を極端かつ過激に仕上げてある。


・トド怪獣は言う。


『あんなバグだらけのウイルスソフトなんてなぁ、

 ゲーム史に残る宇宙最悪の黒歴史よ!

 寧ろあんなもんを褒め称える奴には人権も要らねえ!

 義務教育すら受けてねえ境界知能どもなぞ生かしておいて何になる!

 近頃出た"悪イズ"にしたってそうだ!

 あんなもんが商品として出回ってんのが世の中のバグなんだ!

 俺ぁ親切だからそれをネットでみんなに警告してやったんだ!

 藤徳は悪党だ! ホイル―は害悪だ!

 あんなのを放置してたらいずれゲーム業界は終わっちまうってな!』


 自分を正しいと思い込み、

 攻撃的な振る舞いの全てを正当化、

 遂にはやたらとスケールをでかくし始める……

 エコーチェンバー効果に脳を支配された

 哀れなネットユーザの"成れの果て"感が出せていてばと思う。

 まあヤツ自身がどう思っていようと結局、

 ユウトの指摘通り荒らし行為・カスハラに過ぎないその蛮行が許されるハズもなく、

 かつて人間だった頃のトド怪獣は開示請求を喰らい破滅する。


 トド怪獣自身の口から明かされた経歴も中々散々だった。

 嘗てヤツは推定四十路前後のヒキニートで、

 上記の件から開示請求を喰らった挙句賠償金支払いの為に

 自分自身の全てとも言えるあらゆる私物を売却された。

 両親は最後の警告として家を出て働くよう息子に命じた。

 だが息子は聞き入れず……

 止むを得ず夫妻は我が子をヴィラン組織に売り渡した。

 賠償金の為か、はたまた家計の為か、

 夫妻はここでほぼ唯一の過ちを犯す。


 ただこれは息子のやらかしに比べれば相対的には些細なもので、

――自分達が育て方を間違えたのが遠因とは言え――

 情状酌量の余地はあるし、

 ユウトの指摘通り正直に自首すれば軽い罰で済む可能性もある。


 現実のネット上にも、

 家族を苦しめていたニートを業者に回収させたとか、

 はたまた旅先に放逐した、

 逆にニートだけを残して夜逃げしたなんて逸話が散見される。

 中には生活に耐えられずニートである我が子を殺してしまった親が、

 出所後に当時から現在に至るまでの出来事や心情を語ったとされる内容もあった。

 それらが果たして事実なのか、それとも虚構なのかは分からない。


 だが本作『デスイズザヒーロー!』世界には、

 確かに"そういう事例"があって、

 しかもファンタジーやSFやオカルトがより身近なだけに

 ニートやそれに近い身内の迷惑者を単純に"そういった力"で始末する

――単に殺害するのみならず、地球外に放逐するとか、

 はたまた人間でないものに変えてしまうとか――ヤツは普通にいるし、

 自分達で直接手を下すのを躊躇う奴らは大抵、

 ヴィランに始末を依頼するし、

 死体などの"成れの果て"を見たくない奴らは

 ヴィラン組織に売り飛ばしたりもする。


 夫妻の本音も恐らくは金に困ってたというよりは

 犯罪者に成り下がった我が子の面倒はこれ以上見きれないが、

 さりとて自分達で手を下したくはないし死体も見たくない。

 何なら存在そのものを記憶からも、

 自分達の歴史からも根本的に消し去りたいと思った結果の判断が、

 ヴィラン組織への売り渡しだったんだろう。


・同胞の亡骸を吸収し巨大化するトド怪獣。

 その姿はさながら獣人化したナバルデウス亜種のよう。

 かつて人間だった頃のトド怪獣が何より忌み嫌った

『モンスターハンター3G』にのみ登場する、

 しかも奴が取り分け忌み嫌う"水中戦"専用の超大型モンスター……

 力を求めた結果の行く末が

 何より忌み嫌った作品の、

 それもヤツ個人にとって嫌な部分の寄せ集めみたいなモンスターに似た姿なんだから

 尊厳破壊も甚だしい屈辱に他ならない。


・そのままあっさり殺されるトド怪獣。

 巨体が災いして突き出した腕から首元まで上り詰められ、

 あっさり首を刎ねられ即死……

 しかも断末魔の叫び


『も゛っがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』


 は『モンスターハンター3』とその続編『3G』での

 主な舞台(主人公の居住地)になる『モガの村』を意識してあって、

 更にユウトの


『負け組の素材なんぞいらねえッ、てめえで持ってろ!』

『精々地獄で極限化してろィ……』


 といった台詞もモンハン意識。

 詳しく見て行けばユウトはトド怪獣を一撃で始末しているが、

 こと『モンスターハンター』シリーズでは

 単に敵モンスターを倒すだけじゃなく、

 角や尻尾など特定の部位を攻撃し破壊する部位破壊ってシステムがある。

 そして大抵の場合、部位破壊をするとその部位に応じた報酬素材が出る。

 モンスターの種類にもよるが角は大抵破壊の難しい部位で、

 だからこそレアものの上質な素材が出やすい。

 それすらも要らないはつまり、価値の徹底的否定。


 続く台詞に出て来る"極限化"は

 同じくファンからの賛否が分かれる

『モンスターハンター4G』で実装されたシステム。

 シリーズでも屈指の嫌われぶりで悪名高いシステム(現象)で、

 要するに死病を克服して手に負えない程狂暴化した状態のこと。

 劇中世界的に脅威なのは言う迄もなく、

 メタ的にも顧客からは極めて不評で

 開発陣もそれを重く受け止め反省していたらしい。

 よってユウトの発言も『お前の居場所なんて精々地獄しかない』ぐらいのニュアンスだったのは想像に難くないだろう。

 普通の犯罪者ならともかくヴィランってのは大体そういうもんだ。

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