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いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


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背の順

スイ:子どもを背の順に並ばせるのが差別だと主張している人がいるみたい。


アン:そうなんだ。背の高い人の後ろに並ばされたら、前が見えなくて困るのに。


スイ:合理的な理由があるのにね。


アン:差別だと主張している人は、背が普通か高めの人なんじゃないかな。


スイ:なるほど、背が低いから見えないという事態に困ったことがない人なのかな。


アン:もしかすると、背が高くていつも後ろの方に並ばされているのを不満に思っているのかも。


スイ:背が低くて前に並ばされるのが嫌だと思っている人だとすれば、少し考えが足りないかもね。


アン:後ろに並ばされてみて初めて、前に並べていたのは配慮されていたことに気付く。


スイ:差別だという主張をしてしまうと、差別が解消されたのでしょう?と、再度配慮することは否定されるおそれがある。


アン:背の高い人や中くらいの人が前にも並べる権利を手にしたら、差別が解消されたと大きく主張して、配慮を否定する方向に働くかもね。


スイ:そうやって、背の不自由な人が不利益をこうむることになる。


アン:背の不自由な人、か。確かに、背が低くて届かなかったり見えなかったりするのは、不自由、よね。


スイ:問題なのは、背の順否定論者の中に、教員がいるらしいこと。


アン:そうなんだ。合理的な配慮と差別の違いも分からないような頭の悪い人が教員になれているなんて、心配ね。


スイ:単に、効果を感じにくい人が多そうだから、といった理由だったりして。


アン:恩恵を得られない人が多いからといって配慮を止めてしまうと、本当に困っている人を置き去りにしてしまうのに。


スイ:背が低いことをみんなに晒していると感じているのかな?


アン:本人が開示しないと分からないテストの点数や眼鏡をかけていなければ気付かれない視力とは違って、背の高さは見たら分かることなのに。まぁ、背の高さが近い人が多いと、結果的にあまり効果が無いこともあるだろうけど、背の高い人と低い人では、やっぱり、顔1つ分位の差はある。


スイ:そういえば、視力も配慮することがあるよね。


アン:あまりに眼鏡率の高い集団だと、席順で配慮することが適わないから、平等にくじ引きで決めたりするみたいだけどね。


スイ:言われてみれば、小学校では視力に配慮した席順だったけど、高校はくじ引きだった。というか、小学校でも、視力に配慮して欲しい人が自己申告する形だった。


アン:大学では自由席だから早い者勝ちだよね。


スイ:確かに。前の授業が何だったかによって、移動距離が変わるから、前に座るのが難しかったりする。


アン:そういえば、大学ではあまり、背の順に並ぶ機会は無いよね。


スイ:手本を見て一斉に何かする、という機会がスポーツ身体運動位しかないし、しかも、スポ身だと手本を見ることが多いのってトレーニング位じゃない?スポーツを選ぶと、準備運動と練習と試合で、手本を見てその通りにする機会って少ないような。


アン:そうかも。人数制限があるから、列に並んで見る程じゃないし。わーっと集まって見る。


スイ:研究室は人数が少ないから、並ばなくても間近に手本を見られる。


アン:保健センターの健康診断は来た人順だし。


スイ:小学校の健康診断は、名前の順じゃなかった?


アン:そう言えばそうね。名字の順って言われてた気がする。


スイ:背の順を否定したがる教員も、名前の順は変えないのかな。


アン:バラバラになると、記録する側が面倒だから止めないんじゃない?


スイ:実は生徒を背の順に並べるのが面倒くさいだけだったりしたら、単なる手抜きでビックリだよね。


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