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いち国の女子大生達と女子留学生達の対話集  作者: 星埜梓


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資本金のハードル

アン:最近、エスニック料理店が次々閉店しているね。


ホウ:いち国の外国人に対するビザの発給要件が変わったからじゃないかな。


アン:それって、今までずっとお店を開いていた人にも影響するの?


ホウ:資本金のハードルとか、誰かを雇うというハードルとかで、一人で商売をしていて一応黒字経営していたお店の店主が、ビザを更新できなくて退去するみたいね。


アン:私は学生だから、まだあまり外食には行かないけど、外食に行く人は、お気に入りのお店が閉店してしまって寂しいかもね。


ホウ:本物の外国料理が食べられなくなるのは、いち国の文化にとって残念な事態かもね。


アン:街のお店が減ったら困るのはみんななのに、どうしてそんなことになったのだろう?


ホウ:外国人の店主は選挙権を持たないから、議員の人達があまり配慮しないから、なのかなぁ?


アン:忙しすぎて外食に行く暇のない役人の人達が規制案を作ったからかも?


ホウ:現場が分からないと、どう配慮すればみんなにとって良い結果になるか、考えが及ばないかもね。


アン:もし、影響を見越した上で、敢えてそうしたのだったら、街づくりへの配慮が欠けているというか、定住していた外国人に帰化を求めているみたいというか。


ホウ:確かに、かなり長くやっている人にとっては、帰化という手段もあることはあるよね。


アン:新規の出店を拒む意図なのかなぁ?


ホウ:どうしても人を雇ってほしいみたいね。


アン:外国人は、一人で商売してはいけないのかなぁ?


ホウ:およそ外国人が増えることを規制しようとしている、とも言えるけど、さん国の人達が、保険的にビザを取る事例が散見されるからなのかもね。


アン:さん国の人達を規制することにばかり頭が行って、他の、長く商売している外国人のことが抜け落ちたのかなぁ?


ホウ:どうだろう?大繁盛店以外は要らない、という示唆なのかも?


アン:外国人オーナーのチェーン店がたくさんできるのも、何となく微妙だなぁ。要件を満たすために、いち国人が経営しているお店を買収する動きが活発化する危険性もある。


ホウ:いち国の人がやっている分には特に影響は無いんじゃないの?


アン:どうなんだろう?安く提供している街のお店を買収して、単価を上げて店長を雇う、という流れも理論上はありうるのかも?


ホウ:料理の店に限定して考えると、無理かもしれない案に見えるけど、他の業種であれば、ひょっとするとありうるのかもね。太陽光発電とか。


アン:太陽光発電事業を外国人に主導されると、何か国際的なトラブルがあったときに、発電を急に止めるという脅しをされる危険があるからやっかいね。


ホウ:さん国は、いち国とときどき懸案を抱えているから、危険性も、無いとは言えないかもね。


アン:資本金がたくさんある業種って、何だろう?


ホウ:マンションを買って部屋貸しするとか?


アン:それって、単に家賃と経費の差額が国外に流出するだけで、外国人のビザを厳しくする目的とはかけ離れている気がする。


ホウ:人口が減少するトレンドだから、場所によってはあまり儲からないかもしれないけど、理論上はありうるビジネスかもね。


アン:そもそも、儲かりそうな商売なら、規制の壁でもないかぎり、自国で立ち上げるよね。業種が何かはあいまいだけど、とにかく国際的なチェーン店が来ることを期待している、みたいな感じなのかなぁ?


ホウ:規制を考えた人は、あまりビジネスの現場の金銭感覚が無いのかもね。どれ位の規模の資本金があれば、どんなビジネスができるか、みたいな。


アン:ひょっとして、エスニック料理店が乱立する事態を止めたかったのかなぁ。不衛生な店が増えると困るとか。


ホウ:それは、食品提供にまつわる法規制で対応すれば、解決できるんじゃないかなぁ。エスニック料理店だからと言って何でもありでは困る、衛生的に調理しないとダメって。


アン:それもそうか。店主一人でやるビジネスがダメなのかな。


ホウ:いち国に経済的な価値をもたらすことが求められるのかもね。外国人の店主一人だと、儲けが外国に流出してしまうから。


アン:外国人がビジネスするって、いろいろな配慮が必要なのね。

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