第二話:リュイスの日記、ちきう
悲鳴が辺りに響き渡る。
その中心に立っているのは白い少年。
尖った耳にアホ毛の可愛いリュイス・フィリスだ。
手にはコールで採れるトゲのお花(大嘘)、地球の言葉でモーニングスターとかフレイルと呼ばれる鉄球を持っていた。
【大変です!澁谷109前に謎の子どもの集団が!】
黒い箱の前で喋っている個体が、こちらを見て何かいっている。
アレクロミシアたちは各々好き勝手暴れていた。
周囲には、えるえる軍用スライム(兵士が少ないときにかさ増しするための簡易複製装置)の破片が散らばっている。
「ていヤー。」
気の抜けた声で人間さんにトゲトゲボールを投げつけてみた。
真っ赤なお花が飛び散る。
ここの現地住民は案外脆いようだった。
【こ、このー!出て行けー!】
人間個体がピンクの石を投げつけてくる。
初めての「ちきう」からのプレゼントは岩塩だった。
リュイスは地面に落ちたお塩を眺めて固まる。
「ニンゲンって野蛮。」
コールにも人間は暮らしているが、もっと従順で大人しい生き物だと教育されていた。
でも、プレゼントを貰ったしリュイスも何か返さなければならない。
リュイスはズボンのポケットから、えるえる七つ道具「がま口財布」を取り出すと、中から花火の玉を取り出した。
これはきっと喜ぶぞと思いながら、空に玉を打ち上げる。
どかーん!
【本部!爆発です!これは花火ではありません!!】
火薬の匂いと共に、光が空に満ちた。
ビルの窓ガラスが割れる音がする。
人間たちから甲高い声が上がり、場はお祭り状態となった。
いわゆるフィーバーである。
結果にリュイスは満足し、彼は澁谷109の前でダンスを披露する。
これは友好の証である。
【く、くそ!煽ってやがる!】
見事な昆布ダンスを見た人間は、あまりの可愛さに悔し涙を流した。
これがリュイス・フィリス含むELFの、現地住民との初めての接触である。
なお、友好は成立していない。




