ドキドキ☆大浴場に副団長と二人っきりで大ピンチ!
(ギャーーー!!)
「そのうち誰か来るだろうから、それまで風呂つかっとこう、
ミカも風呂入っちゃえば?」
「ま、窓、窓から出られませんか?!助け呼ぶとか!」
大浴場の窓に走り寄り、窓を開けるが、
騎士団の宿舎の大浴場の外は、林であるため、人の気配は無い。
窓から出ようとしたが、人が通るには狭い。
(つ、詰んでる〜〜)
「良いからミカも風呂入れって〜、」
ペタペタとエヴァンが歩いてくる。
(寄るな!全裸色ボケ副団長!)
私は大浴場の端っこにいき、乾いた浴室イスに座った。
(しゃーない、誰かくるまで待つか・・・)
エヴァンが風呂に浸かりながら、
フンフン〜♪と鼻歌を唄っている。
(呑気な野郎だなぁ)
エヴァン副団長といると、何かトラブル発生してばかりだな。
トラブルメーカーってやつか。
(そもそもエヴァン副団長に風呂に連れ込まれたせいで、こんなことになっている)
(はぁ・・・今まで色んな依頼はこなしてきたけど、
大浴場に、全裸の色ボケ男と閉じ込められたことは無い。)
(今頃みんなは何してるのかなあ)
「なぁミカ〜、せっかくだし、誰か来るまでお喋りしようぜ、」
エヴァンに呼ばれたので、渋々エヴァンの傍に行くミカ。
「ミカは、休日は何してるの?」
「休日は、イシスと稽古したり・・・最近は皆んなで、勉強したり稽古したり、たまに街に出かけてます」
「へぇ〜、楽しく過ごしてんだね、」
「はい、まぁ・・・」
(楽しく・・・楽しくか。)
そういえば、騎士団に来たのは、現王派からの依頼でギルロイド団長を失脚させるか暗殺するかだから、
こんなふうに人と過ごすことになるとは思わなかったな。
(人と他愛のない話しをしたり、皆んなで勉強して、稽古して、ご飯を食べて。
学校に通うってこんな感じなのかな)
学校に通ったことはないが、
まるで、自分が普通の子供になったような、不思議な感じだ。
「ミカは趣味とかあるの?」
「趣味・・・趣味は、うーん、・・動物に触るのとか、好きかもです。」
「ああ、だから王都の見回りしてる時、大きい犬を見てソワソワしてたんだ、」
バレてたのか。
「動物とか故郷で飼ってたの?」
「いや、飼ってはいなかったです」
組織の中には、動物を飼う人もいるが、飼うのは大体、任務で使役する猟犬とかだしな。
個人で、羊がいる牧場とかにはたまに行っている。
「なら騎士団の馬とかも好き?」
「あ〜ですね、」
役職ある騎士と違い、新入り騎士には自分専用の馬がいないが、ミカエラは、馬の世話の当番が回ってくるとルンルンで世話をする。
「事務の女の子たちがさ、『ミカ君は馬の世話を楽しそうにする』って、微笑ましそうに話してたよ。」
「ああ、馬の当番の時、事務の女の子と一緒にやる時ありますからね。」
そんな他愛のない話しをしていたからか、
最初はゲンナリしてたミカエラも、
段々とエヴァンとの会話の中で口数が増えてきた。
「街の6番地に新しいケーキ屋が出来てさ、女の子と言ったんだ。焼き菓子がうまくてね〜」
「焼き菓子ですか・・・食べてみたいですがね。
あ、事務の女の子が差し入れにくれたクッキーも美味しかったです。ドライフルーツが入ってて、」
(ハッ!いつの間にか普通に色ボケ男と会話してた、)
モテ男のトーク力、恐るべし。
気付けば、エヴァンが浸かる浴槽に、膝から下だけ浸かる足湯をしていた。足湯気持ちい〜。
「いつも貰ってばかりも申し訳ないんですけど、断るのも申し訳ないしなあって思ってて。何かお返しとかした方が良いかなあと」
「あー、じゃあ、6番地のケーキ屋さんの焼き菓子を買って渡したら?」
エヴァンの提案に、「それ良いですね、」と賛同するミカエラ。
そうしてる内に、閉じ込められてから30分以上は経っただろうか。
脱衣場に人が入ってきて、扉が開けられ、 私とエヴァン副団長は無事に大浴場を出られた。




