大ピンチ、男同士の裸の付き合い!
新入り騎士ミカ・マグノリアこと、
うら若き暗殺者の少女、ミカエラ。
ボスの命令により男装し、この騎士団に潜入してからの、1番のピンチである。
(マズイマズイマズイ!!!)
「大浴場ってさ、役職持ちの騎士やベテラン騎士から順々に入浴するから、新入り騎士と風呂に入る機会あんまりないからさ、
だから、せっかくだし裸の付き合いしようぜミカ!」
エヴァンに体を担がれて、大浴場へ引っ張られていく。
「いやいや、新入りの僕が、副団長とご一緒するなんて恐れ多いんで!僕は後で入りますよ!!」
「固いこと言うなって〜、それにさ、あんなに飛んだり跳ねたり素晴らしい身のこなしが出来るなんて、
一体どんな筋肉の付き方してるのか、見てみたいんだよ、」
(ぎぃやああああ!!!イシスーー!助けてくれーーー!!)
ルンルン気分で私を運んでいくエヴァン。
(クソ、何とか逃げ出すしかない)
「エヴァン副団長!僕、人と入浴するの苦手なんす!なので!」
「騎士団に入っといて何言ってんだよ〜、そんな人に見せられないような、たるんだ体って訳じゃねぇだろ?」
(理由は違うけど、人に見せられないのはその通りなんだよ!)
大浴場に到着し、脱衣場に入って降ろされた私は、
「新入りの自分は後で良いんで!じゃ!」と、逃げ出そうとしたが、
「お前そんな遠慮するキャラじゃないだろよお〜、いいから入るぞ!」
エヴァンに捕まり、スポーン、と制服の上着をはぎ取られる。
「いやホント、人に見せるような大した体じゃないんで!」
「あ、もしかして、お前チ〇コが小さいのか?
大丈夫だって、気にしねぇよ俺は、」
(小さいどころか持ってねぇよんなもん!!)
逃げ出そうとジタバタする私のシャツにエヴァンが手をかける。
(ギャーーー!!)
「エヴァン副団長!!僕が副団長のお背中お流しします!なので!ご勘弁を!」
「う〜ん、しゃーない、そこまで言うなら、」
エヴァンの手がパッと離される。
(た、助かった・・・)
私はシャツの袖をまくり、ズボンの裾を上げる。
エヴァンが制服や下着を脱ぎ、腰にタオルを巻き付ける間、目線をそらしていると、
「ミカ〜、おいで〜、」と呼ばれ、浴場に入る。
まだ昼間だからか、浴場には誰もいない。
椅子に座ったエヴァンの後ろにしゃがみ、
お湯をかける。
(さすが副団長、体の筋肉すげぇ)
ギルロイド団長のガチムチ筋肉ボディと並ぶほどでは無いが、エヴァンの体も、筋骨隆々で引き締まっていて、ところどころに傷痕がある。
(ん?)
何だこの、赤い印のようなものは。
エヴァンの首の後ろに、赤い点のようなものがある。
「副団長、お湯しみます?」
「ううん、しみないよ?」
「そうですか、首の後ろに、虫刺されみたいな赤くなってるとこあったので。しみないなら、普通に石鹸つけますね」
「虫刺され??・・・・・あ、一昨日女の子につけられたキスマークか、」
「はい?」
「知らないの?キスマーク」
「キスマークって、口紅つけられた跡じゃないんですか?」
「あー、口紅の跡じゃない方のキスマークもあるんだけど、こうやって、肌を唇で吸うと出来るの。
一昨日、女の子とワンナイトを過ごした時につけられたんだわ」
(へ〜、なるほど)
お盛んなことで、と、何とも言えない顔をするミカエラ。
「ミカって女性と寝たことないの?」
「僕は女性経験はないですね、」
何なんだこの質問は。
イシスは女性経験あるけれど、あいにく私は女だから無い。
「ミカみたいな美少年ならモテそうなのに、恋人いないの?」
「う〜ん、昔からあんまり恋愛には興味なくて」
「ふーん。俺女の子紹介出来るから、恋人欲しかったら言ってねぇ、」
「あぁ、はい・・・」
エヴァンの頭にヘアーシャンプーをのせ、泡をたてる。
(おお、柔らかい髪の毛)
私よりも髪質が良さそうだな、なんて思いながら、シャワシャワと洗う。
「シャンプー終わったので、背中流しますね〜、」
「え?リンスは?」
「リンス?あ、副団長はつけてるんすね、」
「ミカはつけてないの?」
「はい、」
「つけなさい、せっかく綺麗な金髪なんだから」
濡れた髪をかきあげたエヴァンが、ミカの髪に触れる。
(ほぉえ〜〜水も滴る良い男ってやつだあ〜)
グリーンがかった蜂蜜色の髪が濡れて、かきあげたエヴァンは、中々の色香が放たれている。
(うーん、流石に緊張するシチュエーションだな)
緊張を誤魔化すために、リンスを手に取る。
「んじゃリンスつけますね、」
「いてて、ガシガシつけちゃ髪が痛むから、
髪にまとわせるようにつけて、」
まとわせる??
「こう、」
エヴァンがミカエラの手を取り、「こうやって、頭皮にリンスをつけずに、髪に優しく撫でつけるようにつけて」とミカエラの指を導き、エヴァンの髪にリンスをまとわせる。
リンスを洗い流すと、指通りが良くなった。
背中に石鹸をつけて洗い流す。
そのままタオルを取り下半身も洗い出したので、目をそらす。
「ははは、別に見られても困らないんだけど、
何か女の子みたいな反応だねぇミカ、」
肩にタオルをのせて色々丸出しのエヴァンが笑う。
「まぁ・・・はい、」
(早くタオルを巻け、タオルを)
「じゃ、僕はこれで失礼します。ごゆっくり、」と、
ペタペタ脱衣場へ向かう。
ガチャ。
(ん?)
扉が開かない。
何故かと見ると、ガラス扉の向こう側に、扉に引っ掛かる棒が見えた。
どうやら、清掃用のモップが倒れて、モップの柄が、引き戸に引っ掛かったようだ。
扉をガタガタ押すが、モップは外れない。
「何?どうしたの?」
「モ、モップが」
「うわ、、これ反対側の扉は固定されてるからな〜、
まあその内誰か来るっしょ、」
(つまり、誰か来るまで、この全裸の色ボケ副団長と、このま二人っきり?)




