美少年(※男装主人公)は女性に囲まれる
私は最近、
イシスと仲良くなった令嬢達から、
「ミカ君もどうぞ♡」って、イシスと一緒にいる時に差し入れのお菓子を貰うことが増えた。
くわえて、
食事中も、ザガードがめちゃくちゃ私を餌付けしようとしてくるし、オーガスタスも「もっと食え」と言い、マーティン先輩も分けてくる。
それを見てイシスは笑っている。
(皆、私を太らせようとしている)
確かにオーガスタスやザガードに比べれば全体的に細く小柄だ。
ギルロイドの丸太のごとき腕と比べたら子供のような腕だ。
だから、「儚い天使」とか「貧弱だ」と心配されている。
昔から、食事を適当に済ませてたからか肌は青白いし、そのせいで体に脂肪が少なくヒョロかった。暗がりにいると幽霊に間違えられることもあった。
そして、そんなだから男装するのにもあまり困らなかった。
だがしかし。
最近、皆からの餌付けのせいか、
体脂肪が増えた。
だから以前は、胸周りはサラシで楽に押さえられたのに、
サラシのサイズがキツくなり、新しくせねばならなくなった。
だから、先日、副団長に体を押さえられた時に、
胸部に副団長の手が押しつけられた時は焦った。
副団長も違和感を抱いたようだった。
(ギルロイド団長が来てくれて助かった〜)
次からは、ハンカチをいれてるとでも言って誤魔化そう。
そんな矢先
「あれ?ミカだ、やあ〜お疲れ様、」
何でこう、会いたくない時に会ってしまうのか。
廊下を歩いていたら、向こうからグリーンがかった蜂蜜頭のイケオジが歩いてきた。
「エヴァン副団長、お疲れ様です」
「今日は初めての王都の見回り任務の日だよね?」
「はい、」
今日は、新入り騎士とベテラン騎士が2人一組で王都を見回る任務の日だ。
「ペアは俺が決めるんだけどさ、ミカは俺とペアになったから、よろしくね、」
「はい???」
(はあーーーーー??!!)
こうして、新入り騎士とベテラン騎士の集合場所に
向かった私は、
エヴァン副団長と一緒に王都の街を歩いている。
私と副団長の、団長の執務室でのドタバタを知っているイシスは、「大丈夫か?」と心配したが、
私は「しょうがない、やるしかない、」と言って来た。
(正直なところ、体調不良を理由に欠席しようかと思ったくらいには嫌だった。しかし、逃げるのも変に思われそうだし・・・)
「王都の見回りは、国民と騎士団の信頼関係を築く上でも大切な任務だ。
気を引き締めてかかるようにね」
「はい、」
自分より頭1つ分以上は高い副団長の顔を見上げながら、私は副団長についていく。
だがしかし、
「エヴァン様ー〜♡」
「私の店に寄って行って〜〜♡」
(ヤバいなこの人)
モテ過ぎでは?
副団長と歩き始めた途端に、街中の女性達が、
「キャーーー!!!」と黄色い悲鳴をあげて騒ぎ出した。
次々押し寄せる女性達。それを笑っていなす副団長。
(王都の見回りどころじゃない!!)
「ごめんねえ、俺、今見回り中だからさあ、また今度ねぇ、」
「え〜?少しだけなら良いでしょお?」
「あ〜んエヴァン様ぁ!」
私は押し寄せる女性達に、もみくちゃにされながら、「歩かせてください〜、」と女性達をかきわけようとする。
「エヴァン様、この美少年くんは、新入りの騎士くん?」
「そうだよ!紹介しとくね、ミカ・マグノリア、騎士団の新入りで、期待の新人なんだ〜」
「へえー!エヴァン様が期待するなんて、」
「よろしくねマグノリア君!今度うちの店に来てね!」
「アタシの店にも来て!」
ギュウギュウと女性達の群れにもまれながら、
私とエヴァン団長は何とか王都を進む。
街の住宅地に入り、ようやく人だかりが途切れた。
「はぁ、はぁ、、ぜえ、ぜえ、恐ろしい、」
今まで、幼少の頃からいくつもの死線をくぐり抜けてきたミカエラも、
色めきたつ女性達の群れは恐ろしいものだと思った。
「ははは、ずいぶん疲れてるねえ、
君みたいな将来有望な美少年と仲良くなりたいガール達も多いからさ、気をつけてね」
「副団長が、ぜえ、はあ、期待の、新人だなんて、言うからでしょう、、」
「や〜事実だしねぇ、ギルロイドも君の実力には一目置いてるし。ふふふ、あ〜面白い♪」
(こ、こいつ・・・私が女性達に揉みくちゃにされたのを、楽しんでやがるな)
この間から、してやられっぱなしだ。
ギリギリと歯ぎしりをしながら、何とか仕返しを出来ないかと考える。
そのまま、住宅地を歩いていると、
「きゃーー!」と叫び声や、大きな物音が聞こえてきた。
普段は動揺することが少なくミカエラが、
エヴァン副団長相手だと動揺しまくるのが楽しいです




