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魔獣の暴走

「・・・成り金野郎?」

人影はアッガスだった。

「ッ、何でここに、さっきまであそこに居たのに、」

「それはこっちのセリフだ、何故ここにいる、・・・ん?お前、何を持ってる?」


アッガスが手に持っている香水のような瓶。

かすかに香る匂いに、オーガスタスを狙う魔獣。

様子のおかしい魔獣たち。


「・・・その香水が原因か!」

おそらく魔獣を暴走させる類のアイテムだ。

アッガスが「しまった、」という顔をする。ビンゴだ。


「アンタから話しを聞かなきゃな。団長らのとこに連れて行くぞ、」

「クソ!」

アッガスが逃げようとした瞬間転び、香水の蓋が開きアッガスにかかった。


「うわっ!」

(しまった!)

多量の香水がアッガスにかかった。これはマズイ。


魔獣達がギロリと、こちらを見る。

「ヤバイッ」

魔獣達が一斉に、アッガスに向かって走り出す。

飛びかかってきた鹿型魔獣を、アッガスが蹴っていなす。


(すごっ、暴走してる鹿型魔獣の跳躍を蹴りで退けた)

しかし、複数頭いる鹿型魔獣の全ては迎撃出来ず、

アッガスが鹿型魔獣に突き飛ばされる。


「アッガス!」

木に体を打ち付けたアッガス。

しかしすぐに起き上がり、鹿型魔獣から逃げ続ける。


(凄いなアイツ、丈夫だ、)

木に体を打ち付けたのにすぐに起き上がり、反射で鹿型魔獣の攻撃を必死に避けてる。


(アッガスから話を聞き出さなきゃいけないし、助けるか)


私は剣を抜き、鹿型魔獣の角を全力で叩いた。

魔獣の角が欠け、魔獣が怯んだ。

「アッガス!この鹿型魔獣は、角が弱点だ!角を叩け!」 

私の声に、アッガスが剣を抜き、角を叩く。

魔獣が怯む。

そのまま叩き続け、鹿型魔獣が全頭、怯み、攻撃が止んだ。

しかし、ピンチになった鹿型魔獣が、「キュォオオーーーン」と鳴き声を上げる。

「マズイ、仲間を呼んでる」


(魔獣を捕獲する任務だが、殺すしか無いか、、)

魔獣を殺すと、血の匂いで別の魔獣を呼ぶ可能性もある。

しかし、これ以上仲間を呼ばれないよう、殺すしかないか、と思い殺気を出す。


「ーーどりゃ!!」

大木の上からオーガスタスが飛び降り、

剣を角型ウサギ魔獣の額に叩き込んだ。

ドゴッ!という鈍い音と共に叩き込まれた剣は、角型ウサギ魔獣に効いたのか、

フラフラと倒れた。


「おお!オーガスタスすげえ」

「ああ、イチかバチかだったが効いて良かった、」

イシスとオーガスタスが、手をパシン!と叩き合う。


「やるなオーガスタス、」


しかし、遠くからドドドド、という足音が響き、

大量の暴走魔獣が押し寄せる。


(かかった香水の量が多いせいか?数が多い)

アッガスにかかった香水の匂いが強くなってきた。


剣を構える。

新たな鹿型魔獣の角を叩き、角ウサギ魔獣をいなし、

脳天に剣を撃ち込む。

アッガスも同じように動く。

イシスやアッガスも加勢し、魔獣の群れを何とか弱体化させる。

(いちかばちか、魔獣を殺すか、)

また仲間を呼ばれる前に、と構えると、

ミカエラの殺気に反応したのか、

ミカエラの背後から、一際大きい鹿型魔獣が突進してきた。

「ッうが!」

「ミカ!」

頭突きを受け止めはしたが、体が吹っ飛び、剣を落とした。


何とか着地したが、吹っ飛んだ際に、木に足が当たった。

(いてっ)

足をかばった一瞬の隙に、魔獣が突進してくる。

(仕留めるしかないか、)

短剣を取り出した、その瞬間、


ドゴッ!と、目の前の魔獣が吹っ飛んだ。

「団長!」

ミカエラを助けたのは、ギルロイドだった。

「無事か、マグノリア、」

「はい、無事です、動けます、」

団長が、一瞬、ホッとした顔をし、すぐに魔獣に向き直る。


団長は、その凄まじい腕力で、屈強な体で、次々と暴走魔獣を気絶させていく。


「すげえ団長、俺は一頭を気絶させるのでやっとだったのに」

オーガスタスが感心する。


(これが軍神の実力・・・)

そうして、団長が加わったことで、

暴走魔獣の群れは沈静化させられた。



「何事だ、これは。」

団長が私達を見やる。


アッガスが、地面にへたりと座り込む。


「アッガスの、あの香水、どこで手に入れたんだ?」


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