表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/28

野外訓練〜チームで魔獣を捕獲せよ!〜


「それでは、今から野外訓練を行う!!」


副団長の掛け声と共に、騎士団にピシリと緊張が走る。


今日は私達は、王都にある森に、野外訓練を兼ねた魔獣の捕獲に来ている。

王都の森は、隣国の魔獣の生息域である魔獣の森と繋がっていて、たまに魔獣が現れるのだ。

魔獣への対処も騎士団の仕事であるため、

今日は魔獣に対処するための訓練だ。


団長や副団長、ベテラン騎士達が監督しながら、

3人一組に分かれて、チームで魔獣を捕獲する。


魔獣といっても、新入りの騎士達が捕獲出来る危険度が低い魔獣だ。


私は、イシスとオーガスタスとチームだ。

ふと、ピリピリとした視線を感じ、見ると、

ザガード・アッガスが、こちらを見ていた。

(あの成り金野郎も居たのか)


アッガスは、あれから、

騎士団でオーガスタスとすれ違う度に、アッガスは睨みつけてきていたが、手を出してくることはなかった。


「相変わらず熱い視線を向けてくるなぁアイツ、」

イシスも気付いていたようだ。

「直接手は出してこないのに視線だけ寄越してくるのもウザいよね、手出してきたらコテンパンに出来るからスッキリするのに」

私の言葉にイシスがウンウンと頷いて、

それを見たオーガスタスが「コテンパンにはしなくても良いぞ、、」と少し引いていた。



私達は、指示された場所に向かった。

指示された場所に向かう途中、オーガスタスの横をザガードが通っていった。

何か、かすかに香りがした。


(アイツ、こっちの方の区域担当だっけ?)

ザガードの様子が何だかおかしい気がするが、

気を取り直して自分達のエリアへ向かう。


私達の担当する魔獣は、巨大なウサギに角が生えたような見た目の魔獣だ。

  

私とイシスは、組織の依頼をこなす中で、魔獣を捕まえたり仕留めたことはある。

だから、今回の依頼は容易だと思っている。


森に入り、指定された区域に入ると、

魔獣の足跡が発見出来た。

「今回のターゲットの魔獣だな。」

「ああ、足跡の形からしてそうだな」

「2人共冷静だな、緊張しないのか?」

「今回のターゲットは危険度が低い魔獣だから、大丈夫だと思ってるさ。オーガスタスは魔獣に関わった経験は?」

「俺はまだ無いんだ。だから、緊張している」

「大丈夫だよ、俺達と一緒ならな、」

「・・・ああ、そうだな」

緊張でこわばっていたオーガスタスの表情が少し和らいだ。


(・・・?)

まただ、何かかすかに匂いがする。

先ほどよりも強くなった匂い。


森の中を歩き続け、魔獣の痕跡を追う。

「2人共、魔獣の爪の痕だろうかこれは」

オーガスタスが、木についた大きな爪痕を指差す。

「お、これそうだな、」

「まだ新しい足跡もある。近いかもな」


すると、パキリ、と枝を踏む音が聞こえた。

3人で一斉に構える。


茂みの奥に、巨大な角ウサギ魔獣が居た。

フーフー、と、赤く光る目で鼻息荒くこちらを見ている。

「あれが角ウサギ魔獣だな。」

「・・・何か、やけに気が立ってないか?」

「ああ、あの魔獣、様子が変だ」


すると、角ウサギ魔獣が、地面を蹴り、オーガスタスの方向へと飛んだ。

「オーガスタス!!」

イシスがオーガスタスを突き飛ばす。

魔獣が、オーガスタスが居た場所にドン!!と着地する。

突き飛ばされたオーガスタスは、突然の事態が飲み込めずに、地面に倒れたままポカーンとしている。


魔獣が、再びオーガスタスを見る。

「オーガスタス避けろ!!」

私がオーガスタスに叫ぶと、オーガスタスはその場から走り出し、

魔獣がオーガスタスの方へ飛ぶ。

「イシス!!」

「ああ!!」

私とイシスは魔獣を止めるために、魔獣を両側から挟み込み、鎮静させる麻酔矢を放つ。

しかし枝木が邪魔して当たらない。

(この魔獣は、攻撃性が高くないはず、何故オーガスタスを追い掛ける?!)


オーガスタスが大木へと登る。

魔獣が大木に頭突きする。

私は魔獣の背中に飛び乗り、矢を突き立てる。

「ッ?!硬ッ?!」

魔獣の表皮は通常の動物よりは硬いが、 

少なくともこの魔獣は突き立てた矢が刺さらないほど硬くはない。

すると、矢を突き立てられて怒った魔獣が顔を上げ、空に向かって「キイィィーーーー!!」と鳴き声を上げる。

「グッ!!」

両耳を塞いだ拍子に、魔獣が暴れ、私は魔獣から落ちた。

「ミカ!!」

イシスが私をキャッチしてくれた。


「サンキュー、イシス」

「ああ、しかし、様子がおかしいな。この魔獣」

魔獣が、大木の幹をガリガリとかいたり頭突きし、オーガスタスを執拗に狙う。


「ミカ!イシス!俺は救援信号を上げる!2人は逃げてくれ!」

「置いてけるかよ!」


私とイシスは、顔を見合わせ、「フーーッ」と気合いを入れる。

(仕留めるか、この魔獣)

2人共、鞘から剣を抜く。

2人は、騎士団では隠している殺気を放ち、

魔獣を両側から挟む。


(しかし、どうしてオーガスタスが狙われるんだ?)


何か理由があるのかと考えた瞬間、

ドドドド、と足音が響く。

足音のする方角を見ると、猛スピードで何か走ってくる。

巨大な角を持った鹿のような魔獣だ。それも複数頭。

「今度は鹿型?!」


事前の説明によると、

担当エリアには、一区域につき1頭の魔獣しか居ないはずだ。


(何かおかしい、、、ん?)


魔獣達が走ってきた方角に、人影が見えた。

「イシス、誰かいる、」

監督の騎士なら私達を助けるはずだ。

なら、あの人影は。


オーガスタスが救援信号を上げた。

私は素早く移動し、人影の元へ瞬く間に走り着く。

獲物を見定めた狩猟動物のような俊敏で鋭利な雰囲気を放ち、いきなり現れたミカエラに、

人影が驚き跳ねた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ