第五話 謁見式(?)
これからこの国の総帥、つまりはフィリアの父親に会いに行く。
しかし不安だ。
さっきのフレッドの『魔獣取りと言って帰ってきていない』という少年すぎる理由だし、
あのメイドは初対面で、ただでさえ衰弱している自分の魔力を吸ってこようとするし……
「フレッドさん、ちなみに総帥ってどんな人ですか?」
「そうですね……かなり活発な方ですね。今回のように『ちょっと行ってくる』と言って帰ってこないことはかなりありますね……」
その『活発』という言葉の中に何が詰まっているのやら……
なにがともあれ、これから、まぁ言ってしまえば謁見式のようなものだ。
もしここで印象を悪くすれば、どうなるか分からない。
「こちらが、アエニグマ総帥がいらっしゃる謁見所でございます」
信之は今一度、一つ気持ちを整える。
『着替えてくる』と言ってメイドに着いていってしまったフィリアもいない。
彼女がいれば少しは落ち着けたのに……
(よし、モジモジしててもしょうがない。覚悟を決めよう!)
信之は意を決して、自分の身長の三倍以上はある高さのドアの取っ手に手を伸ばし、ゆっくりと手前に引いた。
「失礼しま……」
「ギャーーー−−!!!」
ドアを開けた瞬間、中から巨大な鳥が声を上げながら飛び出してきた。
信之はびっくりして、尻もちをついた。
「クレアーレ!!」
次の瞬間、地面から生えてきた柱が鳥の足に絡みつき、地面に拘束された。
「いやー、すまない! さっき狩ってきた魔獣が言うことを聞かないものでね……」
前を見ると、部屋の奥の豪華に装飾された玉座に、様々な動物の毛皮で作ったであろう服を身にまとった男がいた。
おそらく彼が……
「ア、アエニグマ総帥……ですか?」
「いかにも! 私がアエニグマ総帥その人である!!!」
この男がこのおかしい国を治めている人物だ。
この大広間の両脇には、様々な動物の仮面を被った側近が十二人いる。
一人ひとりかなり強力な魔道具を携帯している。
さすがは魔道具大国だ。
「ん……? それはまさか……!?」
何かに気がついたのか、総帥は信之に向かって物理的に飛んできた。
そして、彼の左手をとり、指を見る。
「この見た目、この魔力……これはグラキエスではないか! みな集まれ!!」
そう叫ぶと、周りの側近達も物理的に飛んできた。
「本物だ!」
「この魔力……たまらない……」
「ちょっと触らせてもらってもいいですか!?」
この宮殿には変態しかいないのか……
いや、ただの魔道具ヲタクの集まりなだけか。
「お父様、信之が困っています。離れてください」
そこに、きれいなパフスリーブを着たフィリアがいた。
しかし可愛い……
普段ほぼ固定された服しか見たことがなかったせいか、いつもより何杯も可愛く見える。
「おっとっと、これは失礼……魔王が直接使用していた魔道具というものだからつい……」
そう言うと、総帥は玉座に戻っていった。
「信之、君に聞きたいことがあるのだが……良いかな?」
「はい、自分に答えられるものであれば……」
何を聞かれるのだろうか。
もしかして『うちのフィリアとどのような関係かな?』とか聞かれるのだろうか。
彼女は今、玉座の隣に静かに立っている。
彼女の前でそんな質問されたら、返答に非常に困るのだが……
「あそこの海峡を脅かしていたクジラ……あれは君が倒したと聞いたが……本当か?」
「……え? あ、はい、自分だけの力ではありませんが……」
「では、どのように倒したのか聞きたい」
信之は返答に困る質問ではなくて安心した。
信之は、あのシーデビルをどのようにして倒したのかを事細かに話した。
総帥は終始笑顔だったので、非常に話しやすかった。
「なるほど……自らの剣から氷柱を……面白いことを思いつくな。普通の氷属性魔法使いならまずそんな事はできない。魔力の圧が弱すぎるからな」
「魔力の圧……?」
初めて出てくる単語に首をかしげた。
「簡単に言うと、魔力そのものの力のことだ。圧が弱ければ戦いで魔法同士がぶつかった時に押し負ける。逆に強ければ押し返せる」
魔法学校でそんなことを習ったような気もするが、入った当初は何一つ理解できなかったので、アイラのノートをひたすらに写していただけだった。
なので、全く知らない。
「後、もう一つ良いかな?」
「あ、はい。もちろんです」
「君はうちの娘とどのような関係かな?」
(やっぱり聞いてくるんかい!)
こんにちは、あまないです。
本当にすいませんでした。なぜこんなに投稿が止まっていたのか…
インフルエンザにかかっていました。
本当に辛かったです。
「書き溜め作っておけやアホ」と言いたくなると思いますが、
本当にそのとおりです。すいません。
みなさんは書き溜めどれぐらい作ってますか?
教えてください!




