第三話 久しぶり、元気してた?
長い夢を見ているようだ。
ここは、どこだ……?
なんだか、雲の上にいるような感覚だ。
体がふわふわしていて、意識と視界がなんだかぼんやりしていて……
「久しぶりーーー! 元気してたーーー!?」
そしてこのムカつく上に頭に響くうるさい声、間違いない。
目の前にいたのは、本当に久しぶりの登場の駄女神、ルイナだ。
ちなみに第二章には登場していない。
「まぁ、元気っちゃ元気」
「そっかーーーよかった!」
そう言いながら、自分の対面にある女神の椅子に座った。
「さっきのアイツはソルベーラっていう魔獣で、目があった動物や人間の魔力を吸収することができるヤツだよ。あのままだと、全身の魔力を吸われてて死んでたね」
その言葉を聞き、信之の背筋に冷たいものが走った。
「さて、では今回の目的である助言をしよう」
毎度恒例の……ではあるが、助言は三回しか聞いていない。
毎度毎度大変な方向に事態を持っていくが、しかし結局はうまくいくので、素直に聞いている。
まさに『終わり良ければ全て良し』なイベントだ。
「今回もお菓子の包み紙……」
「じゃないよ! 今回は結構ガチだからちゃんとね」
彼女のアイデンティティが失われそうだが、真剣にやってくれると言うなら止めない。
しかし、毎回ガチでやってほしかった。
そして、ルイナは机に置かれている水晶を見つめ始めた。
少し時間がかかった後、『見えた!』と言って占い結果を伝える。
ちなみにこの占いは女神がやっているので、当たる確率は99.9%らしい。
「なるほど……信之君。これから君は地下室に行きなさい」
「地下室……? なんでまた?」
行っている意味が何も理解できない。
しかし、助言なんてそんなものだ。
後で分かれば良い。
「そこからは……見えない。水晶も、そこからは映してくれないみたい。さすがの私も、未来を見ることは出来ないからね」
「そうか、ありがと」
何があるかは分からないが、女神の言うことだ。
信用しないのは、一応相手は神なので失礼だ。
そう考えていると、ルイナが自分の手をポンと叩く。
「あ、そうそう。早く現実に帰ったほうが良いよ」
「え? どうして」
「君が魔道具になっちゃうよ」
言っている意味がわからない。
しかし、そう言われた瞬間、意識が消えた。
そして、暫く経つと、体の感覚が段々と戻ってくる。
現実世界の自分の体だ。
しかし、なにかおかしい。
体が妙な気配を感じるような……
「姫様っ!!! この者の魔力を少し、ほんの少しもらってもよろしいですかっ!!!」
「ダメ、ただでさえ魔力が枯渇してたんだから」
「しかしーーー!!!」
目を開けると、見知らぬ目がガンギマリのメイドとフィリアがいた。
どうやら、ここはベッドらしい。
「フィ、フィリア……?」
「あ、信之。おはよう」
「チッ! ……」
メイドから舌打ちが聞こえた……ような気がした。
とりあえず信之は状況が理解できないので、フィリアに尋ねる。
「ここは私の家の馬車、さっき助けてくれたのはお父様の近衛騎士団だよ。んで、この人は私のメイドのリーチア」
「……どうも……」
メイドとは思えないほどの態度の悪さ。
恐らくこっちのメイド長のルーラだったら蹴飛ばされているだろう。
「ちなみに、これからどこに行くの……?」
大体の見当は付いているが、一応聞いてみる。
「私の実家、アエニグマ魔導国の宮殿、パラティウムだよ」
体を起こして窓の外を見る。
そこには、いくつもの塔と、真ん中のドーム型の建物が見えた。
こんにちは、あまないです。
本っ当に久しぶりに出てきましたね女神。
正直自分も存在を忘れかけていました(笑)。
さてさて、助言の内容である地下室には何が…




