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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
二章 お家に帰りたい
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第二十七話 花嫁合戦!?

「嫌だ嫌だー! なんでシーデビルなんか倒しに行こうとするの!? もう諦めて迂回しようよ!」


「一億エルダもらったら、当分は馬車で移動できる。そしたら冬前には帰れるよ」


 フィリアが勝手にギルドの討伐依頼書を受け取った次の日のお昼過ぎ。


 二人は貸し出しの船を借りてきて、海へシーデビルを倒しに行こうとしていた。


 しかし、信之はどうしても怖い。


 なぜなら――


「あの船の残骸を見て何も怖くないの!?」


 信之が指さした先には、数え切れないほどの船の残骸が浜辺に山のように積み上がっている。


 あれはすべて、シーデビルによって破壊された船たちらしい。


「信之なら大丈夫。海をすべて凍らせれば……」


「そんなことしたら船で渡れなくなるよ」


 しかし、不思議なのは今回のことに関して、フィリアがやる気満々なことだ。


 いつもなら「嫌だ」「どうでもいい」と言うタイプなのに。


「なんでそんなにやる気なんだ?」


 そう言われ、彼女は少し下を向いた。


 そして――


「この地域で魚が食べられない人が可哀想だし、あっちの大陸に帰りたい人も可哀想だから……」


「フィリア……」


 信之は少し感動した。


 今まで自分が考えていたことが恥ずかしくなった。


「あと、美味しいご飯が毎日食べたいし、歩きたくないから」


「そっちの目的が九割じゃない?」


 というわけで、結局倒すことになってしまった。


 そして二人は小型の船に乗り、沖へと出た。


 しかし――


「どこにいるんだ……?」


 シーデビルが、この広い広い海のどこにいるかなんて、二人には全くわからない。


「とりあえず氷柱《つらら》落としまくってみて」


「……まぁ、やってみっか……」


 そして信之は、自分で生成した氷柱を海に落としまくった。


 魔力は、ここ最近微塵も使っていないのでかなり余裕がある。


「いいよ、もっとやって」


「なんかシーデビルをいじめてる気がしてきた」


 そうして信之は氷柱を落としまくった。


 しかし、肝心のシーデビルは出てこない。


 あまりにもこの海が、聞いていた「魔物が住み着く海」とは思えないほど平和だ。


「もしかして、もっと大きい船じゃないと来ないのかも……」


「だとしたら、これ無駄だったってこと……?」


 二人はひとまず港に戻った。


 そして作戦を練る。


「船の先端に村人くくりつけて魚釣りみたいにおびき出すとか……」


「ひとまず、それで成功しても一億エルダはもらえないぞ」


 その時、信之はひらめいた。


◇ ◇ ◇


「無理だ。こんな危ない海なんか行きたくない」


「そうですよね……」


 信之が考えついた作戦は、漁師の人や連絡船の人の船に護衛として乗せてもらい、そこでシーデビルを倒してしまおうという作戦だ。


 しかし、当たり前だが、こんな危険なことに協力してくれる人なんて、そうそう見つからない。


 港で途方に暮れていると、ある一人の屈強な若い男が話しかけてきた。


「お前ら! 船を出したいんだろ!?」


「え、まぁ……はい。そうですね……」


「この俺に勝ったら、俺の港一の大きさの連絡船を出してやる!」


 そう言ってきた男の腰には、今まで感じたことのない魔力のオーラをまとっている魔剣が差していた。


「信之、あの人、私が討伐依頼書を受け取ったギルドのエースだよ」


「マジ?」


 勝つことは簡単ではないと思うが、それならこちらに有益なところばかりだ。


「あの……もし負けたら……?」


「もし負けたら、その女を俺の嫁にする!!!」


 信之たちの空気が凍った。


 男の部下と思われる後ろの奴らは盛り上がっている。


「……え?」


「その女、中々の美人で強そうだ……そして、俺は強い女が好みだからな! 俺はお前の隣にいる女に一目惚れした!」


 本当にこういうタイプの男いるんだ……と思った。


 信之は極力、こういうハイリスク・ハイリターンなことはやりたくない。


 まぁ、将来ギャンブルに染まらなさそうな性格では絶対にないので、そこは良いところなのだが……。


「信之……」


「フィ……フィリア……?」


 いつもの何を考えているかわからない無表情な顔ではなく、明らかに――


 この場面には、『鬼の形相』という言葉が、これまでにないぐらい合う顔をしていた。


「こいつは私が◯す」


「絶対にやめてね!?」


 こうして、花嫁をかけて……? の決闘が始まろうとしていた。


 こういうのって普通は、男同士で戦うものでは……?


こんにちは、あまないです。

昨日は投稿できずすいません。

実は夏風邪を惹いてしまいまして…

書き溜めが無かったので…(⬅️普段からやっとけ)

これからはしっかりとサボらず、面白い作品を届けていきたいと思います!

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