↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
二章 お家に帰りたい
PR
55/73

第二十三話 食材を買いにきただけなのに...

 効果が真逆の魔法石を持たせられていたあの事件から、一夜が明けた。


 朝イチから森を歩き続けた。


 そして日がほぼ落ちたのと同時に、目的地に到着した。


「やっと着いた……」


 この体になってから一週間が経った。


 途中、色々なことがありながらも、目的地である村に着くことができた。


 ……のは良いのだが。


「村というか国じゃん……」


 着いたのは、周りを高い石の壁に囲まれた大きな町だ。


 ここは、いわば次の国へと繋がる貿易が盛んな場所。


 ここを出ると次に港町に着き、そこから船で次の国へ渡れるのだという。


「ホント、大きな町……」


 二人で丘の上から町を見下ろしながら、フィリアが呟く。


 ケントルムの王都に次ぐ大きさだ。


 しかし、信之には心配なことがある。


 今の自分は通常の十分の一の力しか出せない。


 そして、体は女性の見た目。


(マジで変なことが起こりませんように……)


 信之は心の中で静かに願うのであった。


◇ ◇ ◇


「眩し! 今ホントに夜!?」


「昼みたい」


 町に入る頃には、完全に夜になった。


 ……はずなのだが。


 町は真っ昼間と変わらないほど明るい。


 フィリアはこの明るさが怖いのか、信之の隣にピッタリとくっついている。


「そこのお嬢ちゃん達! 今、バーやってるよ!」


「ちょっとお姉ちゃん! 今、良い男いるよ!」


 この町は一体どうなっているのか……。


 町を歩けば勧誘がうるさい。


 まるで某歌○伎町のようだ。


「やーっと着いた……」


「信之……早くご飯……」


 面倒な勧誘を潜り抜け、なんとか宿にありついた。


 二人は倒れ込むようにベッドに横たわる。


 しかし、二人には夕食の食材が何もない。


「あの~、今日夜ご飯抜きというのは……?」


「お願い、信之」


 もう外に出たくない。


 あの勧誘の嵐に飲まれたくない。


 しかも男の体ならまだ安心できたかもしれないが、今はフィリアとほぼ同じ大きさの女の子だ。


 見た目も声も完全に女の子。


「ぐっ……! そ、その上目遣いにはもう乗らない……」


「お願い、信之……」


 そして結局――。


「お姉ちゃん! ほら! 良い男いるよ!」


「眩しい。夜だとは思えない……」


 信之は再び町へ繰り出すことになった。


「はぁ、早く適当に食材だけ買って帰ろ……」


 うるさくて眩しい通りを歩き、なんとか最寄りの様々な食材が売っている店に着いた。


 店内に入ると、誰もいない。


 そこには、


『会計の時はベルを鳴らしてください』


 と書かれた紙が置いてあるだけだった。


(売ってる物は普通か……って高っ!)


 ただでさえ金欠で、お金に余裕がない。


 それなのに、ここの物価は前の村の三倍だ。


「……あの~」


「え?」


 商品の前で悩んでいると、後ろから弱々しい声で誰かが話しかけてきた。


 フィリアではない。


 というか、彼女がここにいるわけがない。


 後ろを見る。


 そこには、細身で今の自分より少し背の高い女の子がいた。


『僕っ娘だ!』


「ん? どうかしました?」


「あ、いえ。何も……」


 目を合わせない。


 人と話すのが苦手なのだろうか。


 手もモジモジして落ち着かない様子だ。


「あの……た、高い……ですよね……? 値段……」


「まぁ、前の村と比べれば……」


 信之がそう答えると、彼女は少し息を吐いた。


 そして、震えながら信之に言葉を発する。


「えっと、その……じょ、女性限定なんですけど、安くできる方法があって……」


 その言葉を聞いた瞬間、信之は胸が高鳴った。


「え!? 本当ですか!? ぜひ教えて下さい!」


「で、ではこちらに……」


 そう言われ、信之はその女の子に言われるがまま店の奥に入っていく。


 その時の信之は、


『食材が安くなるなら何でも良いや!』


 と思っていた。


 そして――。


 店員の足が止まった。


「……?」


 そこにあったのは、鍵の付いた小さな部屋。


「……え?」


 信之は思わず固まった。


 店員が鍵を開ける。


 そして中へ入る。


 部屋には、弱い青とピンク色の照明。


 そして――。


 一つのベッドがあった。


「……こ、ここって……?」


 信之の頭の中に、ようやく一つの疑問が浮かんだ。


(待て)


(僕、何処に連れてこられてるんだ……?)


 食材を安くしてもらえる。


 その一心でここまで来た。


 しかし、今になって冷静に考えてみる。


 普通、食材を安くするためにこんな場所へ案内されるだろうか?


「…………」


 信之の背中に、冷たい汗が流れる。


(いやいやいやいや!!?)


 果たして、この店で一体何が起こるのか。


 信之は、自分がとんでもない場所に足を踏み入れてしまったことを――ようやく理解した。

こんにちは、あまないです。

なんだかヤバい雰囲気になっちゃいましたね…

さて、これから信之(女の子)はどうなってしまうのか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。