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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
二章 お家に帰りたい
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第二十一話 味はいいけど中身がね…

フレールと別れて二週間。


 二人は村を出て、旅を続けている。


 季節は夏。


 少し標高が高いのと、広葉樹が生い茂る地域なので、夏なのに日光を遮ってくれてかなり涼しい。


 そのため、とっても平和な旅を続けて……


「信之、早く倒して」


「誰かさんのせいで魔力めっちゃ削られてるんですけど!!?」


 いなかった。


 ほぼ毎日このように魔物に襲われて全力疾走するので、汗だくになり、何回か脱水症状にもなった。


 そして、そこに信之の姿は無く、女の子が二人のみ。


 果たして何があったのだろう……


◇ ◇ ◇


「信之、暑い……氷」


「はいよ」


 時は一週間前。


 二人はまだ、広葉樹が生い茂る前の草原を歩いていた。


 ここは太陽を遮る木々が無いため、日光が直接当たって非常に暑い。


(初めてこの指輪を持ってて心から良かったと思えた……)


 この指輪は無限ではないが、氷をすぐに生成できる。


 二人はそれを首に当てたりして、暑さを凌いでいた。


「魔王もこんな使い方してたのかな……」


「お父さんは自分の指輪で不倫相手の家を作ってた」


 サラッととんでもないことが聞こえた気がしたが、暑さでツッコむ気力も湧かない。


 というか、この世界の男って不倫多くない?


「あ、ルプセル……」


 目の前には、この前に戦ったルプセルがいた。


 確実にこちらに攻撃しようとしているので、倒さなくてはならない。


「信之、倒して。私が倒すと炎で周りの温度が上がるから」


「了解」


 信之はサクッと氷柱攻撃で倒した。


 そして、あっという間に夜になった。


 夜は流石に多少は涼しくなるので過ごしやすい。


「これ家の料理みたいな味がする」


「アエニグマってみんな保存食食べてるの?」


 この何もない草原のど真ん中にテントを張るわけにはいかない。


 そのため、たまにある木々の集まりみたいなところで野宿をする。


 そして、夕食は村で買った保存食を食べる。


 これがまぁ、美味しくない。


(でも、こんなに平和な旅がいつまでも続けばなぁ……)


 やはり平和が一番である。


「信之、今日は私が二品目を作る」


「え、マジ?」


 そんなことをフィリアが言い出したので、信之はそれまで周りで朝ごはんの食材を調達することにした。


「信之、何が食べたいのかな……まぁ、美味しいの混ぜればいいよね……」


 それからフィリアは、保存が長くは持たない村で買った食材を切って混ぜ、調味料と水を入れてスープを作る。


 その時、フィリアの目にあるものが入った。


「なんだろこれ……?」


 信之のバッグからチラッと見えていたのは、茶色の小袋だ。


 中身を見ると、ラムネのようなものが何個か入っている。


 普通の人は、そのままバッグに戻す。


 しかし……


「食べれそうだし、これも入れよ」


 そのまま中身を半分ほど入れてしまった。


 入れて数分後、様々な食材を手にした信之が帰ってきた。


「おぉ~……」


「美味しそうでしょ?」


 正直、まずそう。


 しかし、そんなことを正直に言えるわけもないので……


「めっちゃ食べたい」


「はい、どうぞ」


 見た目はゲテモノスープだ。


 お世辞にも美味しそうとは言えない。


(これ、周りの動物にあげちゃダメかな……)


 ダメだ。


 ここはフィリアが作ってくれた料理なので、味わって食べるべきだ。


 そして信之は、恐る恐る口に運んだ。


「あれ? 美味しい……」


 先ほどの適当な配分の調味料などが奇跡的にマッチし、普通に美味しい。


 そして、フィリアが隣にちょこんと座ってきた。


「ん? フィリアどうした?」


 彼女が口を開けて、こちらを向いている。


「眠いし手動かしたくないから、その……あーんってして……」


 そんなことを無意識な上目遣いで言ってくるので、従わざるを得ないのだ。


 一口食べると、眠いと言ってテントに入っていった。


 その彼女の顔は、少し赤かったような……


「しかし、旨いな」


 見た目の割にはなぜか美味しい。


 そのため、信之はあっという間に完食した。


 たまに変な味が来るが、無視した。


「寝るか……」


 そして、お腹がいっぱいになったのでテントに入って寝る。


 今日も一日中歩いた疲れからか、気絶するように眠りについた。


 そして、次の日の朝。


 信之は顔面蒼白になった。


 なぜなら、いつもあるはずの股間のあの感覚がなくなっていたから……


◇ ◇ ◇


「……んで、起きたらこの体になってたんだ」


「あなたのせいですけどね!!!」


 二人は、冒頭に襲われていた魔物を追い払い、木の下で休んでいた。


「身長も縮んだし、声も高いし……」


 この薬の効果は一錠三日間。


 フィリアは十錠中、半分ほど入れたと言っているので、恐らく効果は二週間ちょいほど……


 果たして、生きて次の村までたどり着けるのか……


「意外とその姿の信之、可愛い」


「それはどうも……って、だからあなたのせいですけど!!?」


 その叫びは、この二人以外には誰にも聞こえなかった。

こんにちは、あまないです。

一度書いてみたかったんです!TS展開!!!

こういう展開好きな方多いですよね?ね!?

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