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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
二章 お家に帰りたい
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第十一話 久しぶりのキャラ

「やっぱり、信之くんのことですか?」


図星だ。


今、彼女の頭の中は彼のことでいっぱいだった。


一応、学校では休学中という扱いになっているが、一緒に苦楽を共にした大切な仲間であるからこそ、ステラを巻き込みたくなくて詳しい事情は話していない。


「ス、ステラ……私……」


アイラの心はもう限界だった。


大切な人がある日突然いなくなってしまい、その人を助けにも行けない。


ほぼ毎晩、枕を濡らしてしまうほど、彼女の心は追い詰められていた。


そんな時、優しい言葉を掛けてくれたステラに近づこうと、一歩を踏み出した。


(あれ? 体が勝手に……)


そのまま近づき、ステラに抱きつこうとする。


ステラもそれを優しく受け止めようと両手を広げた――その時だった。


激しい地響きと建物が崩れる音が、廊下の奥から響いてきた。


「逃げろーーー!!! ス、スコルピウスだ!!!」


砂煙で向こうは見えない。


しかし、その先からはたくさんの悲鳴が聞こえてくる。


さらに轟音が聞こえた方から、生徒たちが一斉に走って逃げてきた。


その波に飲まれそうになりながらも、二人はなんとか踏みとどまる。


「あ、アイラさん……あれ……」


ステラが震える指で前方を指差した。


その先には、洞窟で自分たちを襲ったことのある魔物の姿があった。


「また会ったわね……洞窟の魔物!!!」


アイラは腰の剣を抜いた。


もう前のようには負けない。


そう決意し、スコルピウスへ向かって駆け出す。


(もう前の私とは違うのよ!!!)


そんな思いを胸に斬りかかろうとした、その時。


無数の水の矢が魔物へ突き刺さった。


「アイラ様! 大丈夫ですか!」


スコルピウスの影から現れたのは、久しぶりの登場となるクラウスだった。


学校でも屈指の水属性魔法の使い手である。


「って、全く効いてねぇ!!!」


かなりの数の水の矢を撃ち込んだにもかかわらず、体が硬いのか傷一つ付いていない。


この硬い外殻を豆腐のように切り刻んでしまったイリスは、やはり化け物だった。


三人は一度、逃げることにした。


しかし、逃げ道は崩れた天井で塞がれている。


しかも、ここは地下教棟。


外へ出ることもできない。


(嘘でしょ……?)


三人に残された選択肢は、戦うことだけだった。


「おらぁーー!」


アイラは再び剣を振るう。


しかし、その刃はまったく通らない。


「二人とも離れてください!」


ステラが地形変形魔法で地面を突き上げ、鋭い岩の突起をスコルピウスの顎へ叩き込む。


だが、その効果も今ひとつだった。


(どうしよう……このままだと……)


こんな時、彼がいてくれたら――。


そんな考えが頭をよぎる。


「みなさんは逃げてください! 私が足止めをします!」


ステラが叫ぶ。


確かに、地形変形魔法が使える彼女なら時間を稼げるかもしれない。


だが――


「ダメよ! アンタを一人にはできないわ!!」


アイラは即座に叫び返した。


すると、クラウスも力強く続ける。


「そうだ! 女の子一人に任せるなんて男として失格だ!」


一人の土属性魔法使いが、その言葉に少しドキッとしてしまったことは置いておくとして。


主人公は不在。


それでも、この三人は迷宮を乗り越えてきた仲間だ。


今回だって、きっとどうにかなる。


――そう信じていた。


しかし、現実は甘くない。


三人がいくら攻撃してもスコルピウスはびくともせず、魔力も底をつき始めていた。


(もう……無理なの……? アイツに会えないまま……)


ほとんど諦めかけた、その時だった。


スコルピウスの後ろから、再び大きな地響きが聞こえてくる。


「な、何?」


次の瞬間。


圧倒的な質量の水が奔流となってスコルピウスへ襲いかかり、その巨体を大きく吹き飛ばした。


「久しぶりですね、アイラ様……」


そこに立っていたのは――


信之が入学して間もない頃、勝負を挑んできて返り討ちに遭ったアクア家次期当主。


ブルウィアだった。



こんにちは、あまないです。

今回はかなり短いですが、これには理由は…

ありません。ここで切っておかないと次が5000文字ぐらいになっちゃう

気がするので切らせていただきました。

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