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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
第一期 悪魔と契約〜迷宮実習
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第25話 「洞窟と煙」

「え?! いきなり?」


 目の前に現れたのは信之とほぼ同じぐらいの大きさで蜘蛛型の魔物、アラクニダだ。


 信之がオドオドしていたらアイラが先陣を切って攻撃した。


「ルーセント・トール!!」


 アイラが咄嗟に腰の剣を抜き、自身の光属性魔法で切り刻んだ。


 まだ序盤だからなのか案外すぐに倒せてしまった。


「ふぅ……まさかいきなり出てくるとはね……って……あんたたち何してんの?」


 アイラが後ろを向くとそこにはステラの後ろに隠れている信之とクラウスの姿があった。


 なんともおとことして情けない景色だった。


「しょ……しょうがないよなぁ? 信之」


「そ……そうそう! ステラは土属性だから壁になってくれる……じゃなくて壁を作ってくれるかなって!」


 アイラはゴミを見るような目で二人を見つめた。


 呆れたのか剣をしまって先に進もうと足を進め始めた。


「ほら、先を急ぐわよ」


「「は……はぁーい……」」


 こう見えても一応世界に七人しかいない悪魔の契約者の内の一人である信之だが、それっぽさが全く何一つ見えなかった。


 そしてパーティーは先に進み始めた。


(私を守りなさいよ……)


 そんなアイラの心の声が信之に届くことは無く、僕達は先に進んだ。


 今いる場所の整理をしよう。


 まずここは第2階層。


 このリアナ迷宮は探索され尽くしている迷宮なので何階層まであるかはこの学校の生徒、教職員共々把握している。


 この迷宮は第10階層までであり比較的規模の小さい迷宮だ。


 そして、下に行けば行くほど魔物は強力になっていくが、その分手に入る魔晶石も良いものになっていき成績も高くつきやすくなっていく。


 しかし、一つ問題があった。


「アクア・フラッド!」


「クレアーレ・スピーナ!」


 また魔物を一掃してしまった。


(出番がない……)


 そう、信之が主人公であることを忘れてしまうほど仲間が強すぎたのだ。


 出てくる大体の魔物をほぼ一瞬で瞬殺してしまうため、この物語の主人公である信之の出番が無いのだ。


 そんな感じで4、5、6、7階層となんの問題もなくサクサクと進んでいった。


 しかし、信之はずっとあのことについて考えて周りを警戒していた。


(ルイナが言っていたあれ……なんのことなのかな……)


 信之は女神に『魔力を温存して怪しい商人を頼るように』と言われている。


(怪しい商人は間違いなくあのおじさんだけど……)


 信之はてっきり超強力な魔物が出てきて、このままだと倒せないからだと思っていたが、今のところそんな気配は微塵も感じない。


「信之〜どうしたんだ? なんか考え込んでたが……」


「え? あ、いや〜……やっぱ怖いな〜って」


 もちろんルイナの助言だと素直に言うこともできる。


 しかし、普通の人が『女神から助言を受けてそのことについて考えてた』と言われても困惑するだけだ。


 ただでさえ何が起こるかわからないこの迷宮実習でそんな事は言えない。


 そんな事を考えながら先に進んでいた。


「なな! 信之、ちょっといいか? あ、アイラ様はステラの所にいて」


 はぐれないように男女一組で固まっていたがクラウスがステラから離れて信之のところに来た。


 そして小声で話し始めた。


「何? クラウス」


「お前ってさ……ぶっちゃけアイラ様のことどう思ってる?」


 今、成績が非常に大きく決まるこの迷宮実習中にクラウスがふっかけてきた話の内容は、まさかの恋バナだった。


「今?」


 咄嗟にツッコんでしまった。


「え?……どうって言われてもな……」


「ほらほら! 正直に!」


 クラウスは目を輝かせながら修学旅行の夜みたいなノリで聞いてきた。


 ちなみに信之は中学生の修学旅行時、他の班員は夜中まで恋バナをするという青春イベントを消化していたのにもかかわらず、風邪をひいて別室で寝ていた思い出を思い出した。


「え?……まぁ……可愛いとは思うけど……」


「やっぱお前もそう思うか!」


 一方その頃、アイラとステラは……


「アイラさん、ちょっといいですか?」


「ん? 何?」


 ステラはアイラに少しソワソワしながら聞いた。


「あの……信之君のこと……どう思っていられるのですか?」


 クラウスと全く同じ質問を聞いた瞬間、アイラの顔は赤くなった。


「え!? ななななにを聞くの?」


「ちょちょっとアイラさん! 声が大きいですよ! 信之くんに聞かれてしまいます!」


 ステラにそう指摘され、アイラは自分の手で自分の口を塞いだ。


「ど……どうって……わ……私の執事よ……」


「本当にそうですか? 馬車での移動中、ずっと信之君のお顔をチラチラ見ているように私には見えたのですが……」


 ステラが口を開くたびにアイラの顔は赤くなっていく。


「みみみ見てないわよ! アイツの顔にゴミが付いてたのよ!」


 そう言うとアイラはそっぽを向いてしまった。


「そんな事聞くってことはまさかあなたもしかして信之の事を……」


 そう言いながらアイラはステラの方を向いた。


「ちちち違います! わ……私は……その……好奇心で……」


 ステラはアイラにそう質問されると顔が赤くなっていった。


「わ……私は……その……ク……クラウス君が……」


 口を開けば開くほどステラの顔はマグマのように赤くなっていく。


 そしてそんなステラの顔も可愛い……


「え?」


「私は…………クラウス君が好きなんです!……」


 この天使かわいいは、まさかこの迷宮実習中に自分の好きな人を告白した。


「アイラさんも! わ……私も言ったんですから!」


「な!……」


 まんまとアイラはステラにハメられた。


「わ……私は……」


 アイラが答えようとした瞬間、周りは謎の煙のようなものが出てきた。


「な…なんだこれは!」


 クラウスが声をあげた。


(な……何なのこれ……魔物? ん? 後ろに誰かいるのかしら?)


「ッッ!……」


 信之の後ろあたりで声がしたような気がしたが、信之も混乱していたせいか全く気が付かなかった。


「み……皆様! はぐれないでください!」


 ステラがはぐれないようにメンバーに注意喚起をした。


(なんだこれ……これが女神の言ってた魔力を温存してなくちゃいけない理由か?)


 3分ほどで煙は晴れた。


 そしてメンバーそれぞれをお互いに目視ができた。


「はぁ……まじで何にもなくてよかったぜ……てっきり大型の魔物の襲来かと……」


 クラウスは安心しきったような声を出していたが、信之とステラは周りを見渡して顔面蒼白になった。


「アイラが……いない……」


 そう、どこを見渡してもアイラの姿がなかった。

こんにちは!あまないです!

今回はすこーしラブコメ要素多めででしたね(笑)。

ラブコメは好きなのですがもう少し勉強しないとですね…

そしてまた来てしまいましたね…さて、

アイラはどこに消えてしまったのか…

続きの気になる方はぜひフォローよろしくお願いします!

(フォロバしますぅ)

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